寂しさをこらえてのカヌー作り
カナディアンカヌー作り第56回 ~4回目のウレタン塗り~
2022.03.14
カヌー完成まで今回含め、あと2回。残すはウレタンの重ね塗りのみとなっている。進水式を入れても、工房に通うのがあと数回だと思うと、本当に寂しい気持ちになる。名残惜しい気持ちを抑えつつも、作業に勤しむしかない! ウレタン塗りもルーティーン化してきているので、気を抜かずに丁寧な作業を心掛けたいところ。今回は4回目のウレタン塗り作業の模様をお届けしよう。
悪ふざけは寂しさの裏返し!?
前回は3回目のウレタン塗りを施した「H2O Style」のカヌー作り。ウレタンを重ねるごとに光沢とツヤが増し、ツルツルのボディにクルーたちは毎回うっとりする。実質、今回のウレタン塗りを終えれば、次回、我らが作ってきたカヌーはついに完成する! 寂しさを紛らわすように、楽しみながらの作業しようと誓うクルーたちであった。
ウレタンを塗るごとにツヤツヤのツルッツルになるカヌー。ウレタンを重ねていくと、塗った部分を塗ってない部分の見分けをつけるのが難しくなる……。
◆液だれ発見! ウレタン塗りで初ハプニング!?
まずはボディにキズをつけていくペーパーがけからスタート。この作業ももう手慣れたものだ。
町田さんにペーパーがけのコツをレクチャーしてもらった。木目に対して垂直方向(タテ)、もしくは円を描くようにペーパーがけしていくと、ウレタンを塗ったときに塗り残しがわかりやすくなるそう。今回は垂直方向にペーパーをかけていく。
二人がかりでカヌーを反転させる。型板や骨組みが入っていたころは重くて、二人では絶対に運べなかった。当時を思い出すと、本当に泣きそうになる。
ここでウッシーがガンネル部分に気になる箇所を発見。嫌な予感がしたので、町田さんにすぐ相談!
ガンネルに白い跡がついている。ウレタンが乾かないうちに反転したので、液だれしてしまった箇所とのこと。
研磨した時に使っていた目の粗いペーパー(使い古し)で当該箇所を削れば、何とかなるとのこと。慎重に液だれ跡を削っていく。
目の粗いペーパーで削ったら、液だれ跡がキレイになくなった。あとはいつも通り、目の細かいペーパーで表面をならせばOKとのこと。液だれは仕上がりに関わることなので、細心の注意を払わなければ……。
名栗湖のワカサギ釣りも、終盤に近付いている。桟橋でも釣果は良いとのことなので、気になる方はお早めに! ただしこの撮影は2月上旬に行ったものなので、記事が公開された頃にはワカサギ釣りのシーズンは終了しているかも!?
◆パドルのペーパーがけで悪ふざけできるのもあと2回
パドルもペーパーがけをするがこのスタイルだと、どうしてもエセミュージシャンに見えてしまう(苦笑)
調子に乗って、ジミヘンスタイルに挑戦しようとして怒られるの巻。こうやって悪ふざけできるのもあとわずか……。
ペーパーがけが終わったら、今度は乾いたタオルで削った粉を落としていく。
そして、内側のウレタン塗りを開始。回数を重ねていくごとに、ウレタンを塗る刷毛の進みが悪くなるので、薄くかつスピーディに塗っていくのがポイント。そうすることで液だれができにくくなるとのこと。
ものの15分ほどで、内側のウレタン塗りは終了。ご覧の通り、ツヤツヤのピッカピカだ。
カヌーを反転させて、今度はボディの外側のウレタン塗りへ。その前に乾いたタオルで粉を落とすのを忘れずに。
外側も順調に塗り進めていき、第4回目のウレタン塗りもフィニッシュ!
最後に町田さんチェックを経て、塗りムラなどをチェック。数か所、塗りムラと液だれはあったが、乾く前にしっかりリカバーできた。
◆本日の作業は終了!
第4回目のウレタンもかなりキレイに塗ることができた。液だれなどもしっかりチェックしたので、完璧な仕上がり。
本日は、第4回目のウレタン塗りを実施。これで次回のウレタン塗りを終えれば、ついにカヌーが完成する! 作業をしていると思い出が走馬灯のように流れていき、思わず涙が出そうになる。丸3年(正確には1月末で4年目に突入)、色々あったカヌー作りも次回で最終回だ。最後の最後で液だれをしないように、心を込めて作業をしようと誓うクルーたちであった。第57回へ続く。
工房長からのサプライズ! 美味しくいただきました!
今回、工房長の町田さんから、名栗湖で釣ったワカサギをお裾分けしていただきました。
ワカサギといえば、やはり天ぷら! どうですこの香ばしい雰囲気。揚げている音も聞こえてきませんか?(笑)
やはり揚げたては最高! 塩をかけて美味しくいただきました。 町田さん、ありがとうございました!
作業の様子をYouTubeチャンネルでCheck!
カナディアンカヌー作りのコーナー(過去記事)はこちらから!
STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto、H2O Style、Yasuyuki Ushijima
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:H2O Style