カヌーを作り始めた頃の記憶が走馬灯のように蘇る!
カナディアンカヌー作り第53回 ~念願のウレタン塗り~
2022.01.31
ワカサギ釣りの時期が始まると、にわかに名栗カヌー工房も賑わってくる。釣果はその日によって変わるが、冬の代名詞であるワカサギ釣りだけに、時間を見つけて体験していきたいところだ。工房に通い足掛け丸3年となる2021年師走。カヌー制作もいよいよ終わりが近づいてきた。工房に通うのも残り数回。やり残しがないように作業していきたい。
感慨深いウレタン塗り! 思い出が走馬灯のように甦る
前回はFRP補修を施したものの、重ね塗りが乾かずに終了した。今回はその補修箇所を丁寧に研磨すれば、いよいよ最終工程のウレタン塗りが待っている。ただ、研磨を失敗すれば、またFRP補修に逆戻り。これを繰り返さないように注意したい。
前回は、重ね塗りした補修箇所が乾かず、作業を断念した。今日こそはウレタン塗りまで進みたい!
◆前回乾かなかった補修箇所を慎重に研磨
本日の天気は晴れ。気温が低いが陽は出ているので、絶好の作業日和だ。まずは研磨の準備を整える。
FRPコーティング隊長の角戸ちゃんも、元気に作業をスタート。本日クルーが着ているウェアは、代表からのプレゼント。代表ありがとうございます!
ミニサンダーで表面を軽く削った後は、ペーパーを使い手動で削っていく。削りすぎないように細心の注意を払いながら研磨していく。
コーティングした箇所の繊維が残っているが、この繊維を消すように研磨していく。クロスの際は削りすぎてしまうので、気をつけたいところ。
ちょっと削っただけでもこんなに粉塵が……。削りすぎてないか心配だが、懸命に作業している証でもある。
研磨すると粉塵がたまるので、それをエアーで吹き飛ばす。これを繰り返しながら、仕上げの研磨を続けていく。
研磨が終わったので、町田さんチェックに。しかし、今、町田さんが指さしている箇所が、後々大問題になるのことをクルーたちは知る由もない。ただ、町田さんチェックはOKをもらえたので、午後からいよいよウレタン塗りに取り掛かる!
◆第1回目のウレタン塗り! カヌー作りをスタートさせた当時の記憶が蘇る
まずは町田さんから軽くレクチャーを受ける。ウレタンを刷毛につけすぎて垂らさないように、そして塗った後が泡立たないように気をつけながら塗っていくべしとのこと。
町田さんにウレタン溶液を作ってもらう。慣れないと、この匂いはキツいかもしれない……。ニオイに敏感な角戸ちゃん、大丈夫か!?
見本として先端部分の内側を塗ってくれる町田さん。上から下に塗っていくとウレタンが垂れてもうまく処理できるとのこと。
ウッシーも反対側の先端からウレタン塗りをスタート。屈みながら、先端の奥部分を塗っていくとなんともいえない匂いが充満する……。これは危険な匂い!?
ここで町田さんから角戸ちゃんにバトンタッチ。まずはウレタンが垂れてもいいようにヨークの裏側から塗っていく。
両側から手分けして塗っていく。1回目のウレタン塗りなので、塗っている箇所と塗っていない箇所がすぐわかるのはありがたい。やはり角戸ちゃんはこの匂いが少し苦手なようだ。
内側のウレタン塗りが完了。少し表面を乾かしてからカヌーを反転させ、今度は外側を塗っていくことに。
ここで看板犬のあんずちゃんが通りかかったので、モフモフさせてもらった。少し見てない間に本当に大きくなりましたね。相変わらず、可愛い!
乾かしている間に、パドルにもウレタンを塗っていく。パドルはコーティングしていないので、木の地肌に直にウレタンが染み込んでいく。これを繰り返すと、光沢が出てくるとのこと。
内側が乾いたので外側のウレタン塗りを開始。こちらも上から下に塗っていくのがコツだ。ウレタンを塗った箇所は光沢が出てくるので、心なしか代表も嬉しそう。
外側はデッキやヨークなどの装飾箇所がないので、急ピッチで作業を進めると、あっという間に塗り終わった。ここで本日の作業は終了。
◆本日の作業は終了!
記念すべき1回目のウレタン塗りも無事終了。内側よりも外側の方が光沢が強い仕上がりになった気がするのは筆者だけだろうか!? キレイに塗れたので、次回もしっかりと塗っていきたい。
本日は、補修箇所の研磨のあと、遂にウレタン塗りに着手した。ウレタンを塗っていると、これまで作業してきた3年間の記憶(楽しかったこと、そして辛かったことなど)が思い出され、なんだか目頭が熱くなった。一生懸命やってきた証だ。町田さんの話だと、このあと3~4回を目安にウレタンを重ね塗りしていくとのこと。次回もまたウレタン塗りになるが、作業自体はすぐ終わるのでククサ作りなども並行してやっていきたいところだ。第54回へ続く。
作業の様子をYouTubeチャンネルでCheck!
カナディアンカヌー作りのコーナー(過去記事)はこちらから!
STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:H2O Style