カナディアンカヌー作り第44回 ~ヨーク上部のFRPコーティング~
2021.08.02
もうすぐ梅雨が明け、夏本番のシーズンを迎える。カヌーに乗るのも一番気持ちの良い季節なので、体験してみたい人は名栗カヌー工房かメッツァビレッジにて予約して欲しい。前回はカヌーの船体内部に潜り、ヨークやグリップ、デッキの裏側のFRPコーティングを施した。今回も梅雨の合間を縫って、細部のFRPコーティングを進めていく。
細かい部分のFRPコーティングだけに慎重に作業
ここ最近、細かい部分のFRPコーティングが続いている。町田さん曰く、FRP施工作業の中でもかなり難しい部類に入る作業とのことだが、新メンバーの角戸ちゃんも難なくこなしている。今回も装飾部分のFRPコーティングの仕上げに入る予定だが、慢心することなく丁寧な作業を心がけて臨みたいところだ。
カヌーの船体の中に潜ってのFRPコーティング作業。普通の人生を送ってきたクルーたちにとってなかなかできない経験をさせてもらっている。
◆クロスが尖っている部分に気をつけながら研磨
前回施工した裏側のガラスクロスが硬化して尖っている。ヨークやグリップの上側をFRPコーティングするために、この尖っている部分に注意しながらまずは研磨から進めていく。
前回の様にまずはミニサンダーが活躍。今回FRPコーティングする部分のまわりで凸凹している箇所を研磨していく。施工する部分以外の周囲も大きく研磨していくのがコツだ。
クロスが鋭利に出ている箇所はミニサンダーを当てると削れるのだが、たまにミニサンダーにつけたサンドペーパーが破れてしまうので、気をつけながら作業する。
梅雨の合間の貴重な晴れ間だからこそ何としても午後にはFRPを施工したい。ミニサンダーのあとはサンドペーパーを使っての手動での研磨に。気温が高いので、熱中症に注意しながらクルー全員で研磨を続ける。
代表(H2O Style)からの“絵面が変わらないからパフォーマンスしながら研磨しよう”との無茶ぶりを聞き、急遽、マイケルステップを教えてくれる工房スタッフの山田さん。気さくなスタッフさんがいるのもカヌー工房の魅力だ。
カメラを見るとすかさずピースサイン! ここにも代表のアドバイスが活きている(笑)
赤い彗星、否、工房長の町田さんのチェックを受けるが見事クリアし、FRPコーティングへ進めるようになった。ここで午前中の作業は終了。
◆気温の高い最高のコンディションでFRPを施工
まずは町田さんに施工の工程や注意点などをレクチャーしてもらいながら、ヨークの一部分を実演してもらう。やはり町田さんの作業スピードは凄まじい……(赤い彗星の異名は伊達じゃない)
FRPコーティングの溶液を作っていく。気温が高いこの時期は、すぐにドロドロと固まってしまうので、少量を作り施工していくのがポイントだ。
ヨークの丸みを帯びている面は、クロスがなかなか貼り付いてくれないので、手でおさえながら溶液を塗りこんでいくのがコツ。ウッシーが数か所コーティング溶液を垂らしてしまって怒られたが、概ねうまくいった。
次は角戸ちゃんのターン。溶液を垂らさないように……とプレッシャーがかかるなかスタートしたが、ヨーク部分は完璧に施工完了。
勢いのままにグリップ部分のコーティングにもとりかかる。グリップは全面が曲面のため難易度も高いが、そつなく作業を続けていく。
町田さんのチェックを経て、問題がなかったので仕上げの厚塗りへと進む。厚塗りを終えたら作業終了の時間に。
◆今日の作業はここまで!
◆Before
尖っている部分とFRPを施工する箇所の研磨が終わって、表面がつるつるになっている状態から……。
◆After
FRPコーティングを施工し、厚塗りまで無事に終了。空気も入らなかったので完璧な施工といえる。
今回で装飾部分の細部のFRPコーティングは終了した。次は船体内部の空気が入ってしまった場所を研磨してFRPコーティングを施せば、あとは研磨あるのみ。作業の終わりが見えてきたので、なんとか秋ごろには完成しそうな青写真ができた。若干の寂しさを覚えるが、まだまだ作業は続くので今後も丁寧に、かつ楽しんで作業していきたいと誓うクルーであった。第45回へ続く。
作業の様子をYouTubeチャンネルでCheck!
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STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:H2O Style