カナディアンカヌー作り第43回 ~ヨーク裏側のFRPコーティング~
2021.07.16
ようやくカヌーのハイシーズンがやってきた。1年の中でもこの時期は、気温は多少高いもののカヌーを楽しむには最適なコンディションといえる。名栗カヌー工房でも、カヌー体験の予約を受け付けているので興味がある人は是非、挑戦してみて欲しい。前回はガンネルのFRPコーティングを施したが、今回はヨークやデッキ、グリップの裏側のFRPコーティングに進む予定だ。
天気が良いうちにFRPコーティングまで進みたい!
前回はガンネル上部のFRPコーティングを施した後、ボディ内側のFRPコーティングで空気が入った箇所を研磨した。今回はヨークやデッキ、グリップの裏側のFRPコーティングを施す予定だ。天気は、午前中は晴れながら午後は雲が広がるとの予報。気温の高い午前中のうちになんとかFRPを施工できるまで進めたいところだ。
前回はガンネル上部とデッキのFRPコーティングを行った。得意な作業だけにサクサク進行したが、カクトちゃんはFRPの溶剤のニオイに苦戦……。
◆FRPの前にまずは施工部分を研磨する
ヨークやデッキなどのFRPコーティングを施していく前に、まずは前回施したガンネル部分のFRPコーティングで、今回の施工に影響が出そうなヨークやグリップのまわりの部分を研磨していく。
基本的には研磨ではミニサンダーを使うのだが、ミニサンダーが入らない部分はサンドペーパーで直接磨いていくしかない。
デッキの裏側のエッジ部分はミニサンダーが届かないので、手動での研磨になる。
梅雨の晴れ間は貴重。午前中は晴天なので、晴れている気温が高いうちにFRPに取りかかりたいところだが、意外にも研磨に時間がかかる。
実は今日着用しているのはH2O Styleの新作Tシャツのサンプル。スプラッシュペイントが爽やかなデザインだ。反響があれば調子に乗って販売する……かも(笑)
名栗カヌー工房では新たにカヌーを制作する人が徐々に増えている。本日一緒になったお二人(親子)も今年に入り、カヌーを作り始めたそう。しかも、ありがたいことにH2O Styleの記事やYouTubeチャンネルをみて、予習して下さっているとのこと。本当に嬉しい限り(涙)
現在はボディの外側をミニサンダーやサンドペーパーを使い研磨している最中。まだ内側に型がはまっている状態が懐かしい(遠い目)。工房でこういった交流があるのは本当に嬉しいし、こちらのモチベーションにもなる。
そうこうしているうちに研磨終了。工房長の町田さん(a.k.a.赤い彗星)の厳しいチェックを受ける。一度ダメ出しを受けた後、無事OKをもらい午前中の作業が終了した。
◆雲行きが怪しいがFRPコーティングにとりかかる
午前中はあんなに晴れていたのに、午後はどんより曇ってきた……。雨が降るとFRPの作業はできないが町田さんに指示を仰ぐと「気温が高いので大丈夫でしょう」ということでFRP作業を強行することに。まずはクロスを10×15cmほどの大きさにカットしていく。クロスが斜め(バイアス)に伸びる特性を使ってFRPを施工するため、バイアスの織りを意識しながらカットする。
まずは町田さんが見本を見せてくれる。ヨークやグリップの曲面部分は先ほどのバイアスを意識したクロスを使ってコーティングしていくとのこと。FRPコーティングの中でも、かなり難しい作業になるそうだ。
町田さんの見本通り、作業を進める。カヌーの中に入り込んでの作業は、終始中腰の態勢なので腰が痛くなる(涙)
クロスを湿らせるように溶液を塗りこんでいった結果、ヨークの一部が施工完了。なかなかキレイに仕上がっている。
ここで恐れていた雨が降り出した……。最初は小雨だったが、徐々に雨粒が大きくなってきたので、急いでカヌーを室内へと移動。
工房スタッフの廣田さんに手伝ってもらいながら、カヌーを移動させた。ここで雨が激しくなったので、間一髪セーフだった……。
室内でFRPコーティング作業を継続。狭いカヌーの内側で頭をぶつけそうになりながら中腰での作業。実際に何度か頭をぶつけてしまった(恥)
室内で、しかもカヌーの内側に潜っての作業だったので終始、溶液のニオイが充満していた。ニオイが苦手なカクトちゃんはかなりキツかっただろう……。
黙々と作業を進めるクルーたち。外から見るとカヌーを被っているみたいで、かなりシュールな絵面に(汗)。そして作業終了の時間がきてしまった。
◆今日の作業はここまで!
午後に雨が降るというアクシデントがあったがなんとかヨーク、グリップ、デッキのFRPコーティングを施工完了させた。もちろん厚塗りまでできたので、パーツ部分の強度がかなり増したようだ。
今日はなんとかパーツの裏側のFRPコーティングを施工できた。これからは細かいFRPコーティングの作業も多くなるので、梅雨という天気の影響で作業が進まない可能性もある。カヌーは少しずつ完成に近づいているので、どこか名残惜しさも出てきた。カヌーを作る喜びを噛み締めながら、残りの作業も楽しんでいきたいと思うクルーたちであった。第44回へ続く。
作業の様子をYouTubeチャンネルでCheck!
カナディアンカヌー作りのコーナー(過去記事)はこちらから!
STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:H2O Style