カナディアンカヌー作り第42回 ~ガンネル上部のFRPコーティング~
2021.06.28
まとまった雨は少ないが、長引いている今年の梅雨。雨が降るとカヌー制作も予定していた工程ができなくなってしまう。ただ、幸運にもカヌー制作日は雨が少ないようだ。今年の秋に進水式を迎えるためにも、作業ピッチをあげていきたいところだ。予定では、今回、ガンネル上部のFRPコーディングを進めるはずだが……。
得意な工程だけに作業スピードも上がる
前回は外側ガンネルの研磨と成形を行った。ディスク・グラインダーを使ってバウとスターンの先端も成形したことで、フォルムがほぼカヌーの完成系になってきた。細かい作業がまだまだ残っているが、完成は近い。今回は作業日が梅雨の合間の晴れ間だったので、予定していたガンネル上部のFRPコーティングを進めることに!
前回は同じカヌーを作っている仲間(ご夫妻)の進水式を取り行った。やはり、進水式は感慨深い。自分たちも早くカヌーを完成させたい思いがより一層、強くなった。
◆FRPコーティングの前にガンネルの角をとる
まずは、ガンネルのFRPコーティングの作業に移る前に、工房長の町田さんから“もう少し角をとってほしい”と指摘を受ける。
「これぐらい角をとってください」と町田さんが実践してくれる。この見本があると本当にわかりやすい。
ミニサンダーを使って角をとっていく。午前中はかなりのピーカン晴れだったので、汗が滝のように出てくる。水分補給は必須だ。
ミニサンダーが入らないグリップとデッキの間は、サンドペーパーを使い手動で角をとっていく。
手分けして作業することで、外側と内側の角をとる工程も、かなりのスピードで進行していく。
一心不乱に作業していると、全身粉まみれ。汗もダラダラ(午前中なのに早くもシャワーを浴びたい気分に……)
なんとか角をとる作業は終了。エアコンプレッサーで削った粉を吹き飛ばして、午前の作業は終了した。
◆午後はいよいよFRPコーティングを施工
午前中、あんなに晴れていたが午後はだんだんと曇り空に。気温は高いということで予定どおりFRPコーティングを決行することになった。まずは町田さんからレクチャーを受ける。
ヨコ20cm、タテ15cmほどにカットしたガラスクロスをガンネル上部に当てて、クロスをコーディング液で浸す感じで施工していく。
ヨークの部分をかわしながら、FRPコーティングを施工する。町田さん曰く、ここは後日、下側からFRPコーティングを施工するとのこと。
分担して作業した結果、1時間半ほどでガンネル上部の施工を終了。天気も曇りのままだったが、気温が高いので乾いたか所から厚塗りを施していく。
新メンバーの角戸ちゃんにとっては、初めてのFRPコーティング。期待と不安な気持ちで作業に挑むが、工房長の町田さんが、しっかりとサポート! おかげさまで作業は順調だ!!
慣れてきたのか!? 作業スピードがあがってきた!!
FRPコーティングもラストスパート! こちら側の厚塗りが完了すれば作業終了だ。
晴天だった午前中の名栗湖。工房緒周辺は緑も深くて、本当に空気がいい。ゆっくり深呼吸したくなる。
厚塗りが終わった後は、船体内側のFRPコーティングで空気が入った箇所をミニサンダーで削っていく作業を開始。地味な作業だが、これが大事なのだ。
空気が入った箇所を中心にその周囲も研磨して、凹凸をなくしていくのがポイント。この研磨が意外としんどかった……。
なんとか気になる箇所を研磨し終わったところで、作業終了の時間がきた。今回もかなりの工程を進行できたので大満足だ。
◆今日の作業はここまで!
ガンネル上部のFRPコーティングと、船体内側の空気が入った箇所を研磨するところまで進行できたのは収穫だった(誰か褒めてくれ~笑)。
今回は作業日が梅雨の晴れ間にあたったことで、ガンネル上部のFRPコーティングまで施工できた。ここからは天気や気候にも左右される工程が多いだけに、与えられた作業をこなしていくしかない。ただ、もう完成形は見えているので自分たちが作ったカヌーが名栗湖に浮かぶ姿を想像しながら、残り少ない作業を楽しみながらやっていこうと思う。次回、第43回へと続く。
作業の様子をYouTubeチャンネルでCheck!
カナディアンカヌー作りのコーナー(過去記事)はこちらから!
STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:H2O Style