カナディアンカヌー作り第34回 ~グリップを取りつける~
2021.02.01
明けましておめでとうございます。本年もカヌー作り、頑張っていきます!!(クルー一同) 2021年がスタートしたわけですが、ここではちょっとだけ時間を戻そう。カヌー工房のある名栗湖周辺では紅葉を楽しむトレッキング客もちらほら見かける。そんな紅葉を横目にクルーたちはカヌー作りに勤しむ。前回はデッキを組み上げたので、今回はデッキの整形など、装飾部分の仕上げを進めていくことになる。装飾部分も終わりに差し掛かっているので、いつもよりも丁寧に作業に望むクルーたちの奮闘をご覧いただこう。
装飾部分も終盤! グリップ取りつけに挑む
今回は、まず前回切り取ったデッキの整形と切断面の表面を滑らかにしていく作業にとりかかる。うまくいけば、午後はグリップのカットと取りつけまで進めれば良し……とのこと。装飾部分は早く仕上げたいクルーは、はやる気持ちをおさえつつ、作業を進めるのであった。
前回はジグソーを使ってのデッキのカットに苦戦した。今回も装飾部分のなかでも難しいといわれるグリップの取りつけにとりかかる。
◆デッキの整形は機械と手作業で仕上げる
前回の作業でカットしたデッキ部分。切断面もキレイに見えるが、少し凸凹がある。また上と下に角があるので、ミニサンダーや紙やすりを使って角を落としていくのだ。
まずは切断面の凹凸を滑らかにしていく。ここはミニサンダーを使ってできるのでスムーズに作業が進む。
デッキの裏側はグリップを取りつけた後だと磨きにくくなるので、先に表面を研磨しておく。ミニサンダーが届く手前の部分はいいが……。
奥のミニサンダーが入らない場所はどうしても手作業になってしまう。奥まで手を突っ込んで作業しなければいけないため、かなり苦労する作業となった。
このような体勢で力を入れて磨かなくてはいけない。見えない部分だからこそ、しっかり磨いていくのがH2O Style流なのだ!
緑の木々がところどころ黄色や赤に色づいている。こんなキレイな紅葉が作業の合間の休憩で目に飛び込んできて癒してくれる。
あっという間に午前中の作業は終了。デッキの整形はなんとかOKをもらえて、午後のグリップ取りつけに進む。
◆装飾部分の最重要ポイントはかなり難しい!?
午後はいよいよ、本日のメイン作業となるグリップの取りつけに取りかかる。まずはグリップを取りつける位置をデッキの端から測っていく。だいたい10cmぐらいが目安だが、グリップを削りすぎて位置がデッキ寄りになってしまう可能性もあるので、やや長めに設定しておく。
印をつけた位置にグリップを当ててみて、どの角度でカットして削ればいいかを決めていく。この角度の設定はかなり難易度が高く、船体の内側面にぴったりはまるよう削っていくのが装飾部分の作業の中でも難しいといわれている所以なのだ。
グリップを船体の内側に沿うように斜めにカットしていく。斜めにカットするのはだいぶ慣れてきた。
カットしたグリップを当ててみたが、案の定、角度は合っていない。これは時間がかかりそうだ……。
切断面にミニサンダーを当てて削っていく。この微調整が重要。削っては船体にあてて確認し……を繰り返していく。
ここで、片側のグリップを削っていたクルーが、どうしても角度が合わないということで、試しにもう片側のグリップ取りつけ位置に当ててみると、なんとほぼ角度があっていることが判明。偶然、角度があった側に取りつける方が効率がいいので、片側を削っていたクルーが泣く泣く作業のやり直しを強いられる。ここで工房長、町田さんの助け舟が! 町田さんの助け(ほぼほぼ町田さんがディスク・グラインダーで成形した)を借りて、もう片側のグリップもなんとか仕上げられた。
そんな傷ついたクルーの心を、赤々とした紅葉が癒してくれる。本当にきれいだ。
グリップ削りに時間がとられてしまったが、今回で取りつけまで進みたいので、作業ピッチを上げていく。グリップの接着には速乾性のある接着剤を使う。町田さんに接着剤を塗ってもらい、取りつけていく。
接着剤をつけたグリップを、さきほど印をつけた位置に取りつける。速乾性があるとはいえズレる可能性もあるので、当て木をしてクランプで動かないように固定する。
接着剤が固まったら、くさびを打ち込むためにサイドからドリルで穴をあけていく。固まっているとはいえドリルの回転でグリップが動かないように、グリップをおさえながらの作業となる。
ドリルで穴をあけたら、穴の中に木工用ボンドを流し込む。
クサビとなる丸棒を、木槌で打ち込んでいく。いつものように打ち付ける音が変わったら奥まで到達した合図だ。
打ち込んだ丸棒はノコギリでカットする。今回のカットはうまくいったので、どこに穴があるかわからないほど(自画自賛)
◆今日の作業はここまで!
本日はデッキを整形して、グリップを取りつけるまで進めた。装飾部分が組みあがっていくごとに、カヌーがどんどんカタチを成していくことでカヌーの完成が現実として近づいてきたのがわかる。
次回はデッキの表面を滑らかにして、外側のガンネルを貼り付ける予定だ。まだ第2回目の外側FRPも施工できていないので、まだまだ完成までには時間がかかりそうだ。はやる気持ちをおさえつつ、丁寧な作業を心がけようと思うクルーたちであった。第35回に続く。
◆作業の様子を動画でCheck!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai