カナディアンカヌー作り第33回 ~デッキ組みついに完成!?~
2021.01.08
周辺の道路は昨年9月の台風の影響から通行止めが続いているものの、ようやく山々の緑が色づき始めた名栗湖周辺。前回は、工房長・町田さんが教えてくれた必勝法のおかげで、デッキ組み上げの作業がスムーズに進んだ。今回はデッキを完成させ、グリップを削るところまで進めるのか……作業の様子をお伝えしていこう。
装飾部分の次の工程まで進めるか!?
時間をかけて行ってきたデッキ組みも、町田さんのアドバイスのおかげでもう終盤。今回はデッキ組みを完成させて、装飾部分の関門であるグリップを削るところまで行ければ万々歳といったところ。心地よい秋めいてきた気候のなか、作業を開始していく。
前回はものすごい勢いでデッキを組み上げたが、今回で完成することは間違いない。その先まで進めるかがカギだ。
◆午前中は残りのデッキを組み上げていく
まずはデッキの残りを完成させていくのだが、パーツを量産する必勝法のおかげで余裕の表情をかますクルー。
まずは見本パーツの角度と幅をトレースしていく。
下書きしたラインどおりにノコギリでカットする。ノコギリを持つ手も玄人の風格が漂う(褒めすぎ)。
ノコリギで切り出したら、ディスク・グラインダーを使って慎重に削っていく。
あっという間に、パーツを2本仕上げた。前回教えていただいた必勝法は本当にありがたい。
もちろん、量産したパーツがハマらないこともあるので、スマホのインカメラで下側を確認しながら作業を進める。
周辺の緑も徐々に色づいている。カヌー工房のまわりは、四季の流れを実感できるので来るだけで本当に心が豊かになる。
先ほどつくったパーツをボンドで固定していく。ボンドを塗る面を間違えないように確認しながら作業を進める。
ボンドを塗り終えて、木片を押し込んだところで午前の作業は終了。作業に集中していると本当に時間が過ぎるのが早い。
◆組み上げたデッキを固定してカット!
午後は組み上げたデッキ部分をカットするために、ラインを引いていく。まずは差し金で船首部分から左右均等に長さを測り、残す部分を決めていく。
差し金のしなりを利用してキレイな半円を下書きしていく。このラインに沿ってカットするのだ。
我ながらキレイなラインが引けた(自画自賛)。このライン通りにカットできるかはわからないが……。
カットする前に、午前中にボンド付けた箇所がズレないように、サイドからドリルで穴をあけてくさびを打ち込んでデッキ部分を固定していく。
ドリルの刃が上部や下部に出てこないようにデッキに対して平行にドリルを入れる。
ドリルで開けた穴に木工用ボンドを流し込む。これでクサビを固定させるのだ。
クサビとなる丸棒を木槌で打ち込んでいく。穴の先端まで丸棒が到達すると、木槌を打つ音が変わるので、打ちこみすぎないように注意する。
飛び出たクサビの丸棒をカットする。ガンネルにノコギリの刃を平行に当ててギリギリで切るのがコツだ。
クサビの丸棒をうまくカットできた。これを左右2か所ずつ、船首船尾で計8か所作業していく。
クサビを打ち込み終えたら、ジグソーでデッキ部分をカットしていく。さきほど引いたラインに沿ってカットする。
失敗はできないのでかなり慎重にカットしていく。
うまい具合にカットできた。カットを終えてひと安心。
内側のガンネル付近はジグソーでカットすると傷がついてしまうので、カンナで削り取る。ここで本日の作業が終了。
◆今日の作業はここまで!
本日はデッキを組み上げて、サイドからクサビを打ち、ジグソーで半円状にカットした。
工程がどんどん進んでいくことに、ワクワクしながらの作業は本当にあっという間に過ぎてしまう。好きなことをしている時間と同じ感覚なのだ。
次回、予定ではいよいよグリップの取り付けに入るとか。カヌー作りの工程のなかでもかなり難しい部類の作業ということで、改めて気を引き締め直すクルーたちであった。第34回に続く。
◆作業の様子を動画でCheck!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai