カナディアンカヌー作り第28回
~親子でカヌー体験も! デッキづくりとカヌー乗船~
2020.10.12
前回、前々回と研磨と並行してガンネルなどの装飾部分をとりつける作業を進めていた。今回も引き続き研磨に取り組みつつも、新たな装飾部分に取り掛かること。そして今回は夏休みということもあり、クルーも家族もカヌー工房を訪れた。クルーの家族は豊かな名栗湖の自然を満喫しつつも、最後は初めてのカヌー体験をさせてもらえることになった。
装飾部分のデッキを張り付けていく
前回は外側に2枚目のガンネル張りつける作業を終えたばかり。そして今回は副工房長の山田さんが「今日はデッキを取り付けてみましょうか?」と提案。新たな装飾部分を作っていく急展開に。ガンネルを張り付ける作業だけでも嬉しかったのに、デッキを取り付けるということで、またニヤニヤが止まらない。
ガンネルを張り、クランプを取り付ける作業にも若干慣れてきた。ここにきて正直、違う作業を望んでいた欲張りなクルーには、デッキを取り付ける作業はまさに“渡りに船”だ。
◆まずはデッキを取り付けるための準備
デッキとは船首船尾の内側上部に張り付ける、カヌーを運ぶ際などに手を入れる部分。デッキを張り付けると内側の研磨ができなくなってしまうので、先に研磨に取り掛かる。
船首船尾の内側はミニサンダーが入らないため、サンドペーパーを持ち、手作業で研磨していく。かなり力を入れて磨かなければいけないため、機械のありがたさを感じる。
この日は35℃を超える夏日ということもあり、作業をしていると日陰でも汗が止まらなくなる……。熱中症に注意し、水分補給をしながら作業を進める。
手作業で削った結果、こんなにも削りカス(白い粉)が出てくる。実は手作業のほうが繊細な研磨に向いているので、手作業での研磨も随所に取り入れていきたい。
研磨が終わったら、デッキに取り付ける杉材をカットしていく。まずは船首船尾の両側に1枚ずつデッキを張っていくので、計4本の杉材をカットする。
杉材のカットが完了。ここまでは難しい作業がないから、サクサクと進んでいった。
次に実際に船首の内側にデッキとして取り付ける杉材を当ててみて、どれぐらいの角度でカットしていくかの印をつける。
船首の内側は下に行くほど内側に角度がついてくるので、それに合わせながら鉛筆でカットする部分を記していく。
印をつけた部分をカットしていくのだが、これがまた繊細な作業で難しい。斜めにノコギリの刃を入れて切るのは難易度が高いのだ。
うまくカットできなかった部分はミニサンダーで表面を削り、平らにしていく。ここであっという間に午前中の作業は終了した。
◆午後はデッキの接着とカヌー体験に!
午後は削った杉材をデッキに張り付けていく作業から開始。デッキの1枚目はしっかり接着させるため、強力な接着力をもつエポキシ接着剤を使用する。
粘着力が高いエポキシ接着剤を素早く杉材に伸ばしていく。気温が高いため、すぐに乾いてしまうから意外に大変だった。
接着剤を塗った後、まずはしっかりとデッキの杉材を張りつけていく。
これを左右両側で繰り返し、最後にクランプで固定していく。これで船首部分が終わったので、船尾も同じ作業を繰り返す。
◆今日の作業はここまで!
装飾部分の取り付けが進むにつれ、よりカヌーらしさがでてきた気がする。このカヌーが湖に浮かぶ雄姿を早く見たい!
船首船尾のデッキ1枚目を張り終えた。やはり単調な作業だけじゃない分、緊張感も出てくるのでカヌー作りもいい感じにメリハリが出てきた感じがした。これからは研磨、ガンネル張りと並行してデッキ取り付けも作業に加わってくる。新たな作業ができることに喜びを覚えつつ、装飾部分は丁寧に進めていこうと思うクルーたちであった。次回、第29回へ続く。
◆作業の様子を動画でCheck!
◆番外編~カヌー初体験~
今回はクルーの家族が同行していたこともあり、夕方にカヌー体験をさせていただいた。
(※現在、カヌー工房ではカヌーレンタルを中止しております。レンタル再開時期につきましては、名栗カヌー工房の公式サイトをご確認ください)
まずはカヌーの漕ぎ方を教えてもらい、カヌーを揺らさずに乗船するところから。
無事カヌーの乗船し、いざ出発!
今回は特別に子供と向かい合わせに乗船している。そのためタイミングを合わせて漕がないとカヌーがぐるぐる回り、前に進むのがなかなか難しい……。
なんとかカヌーが安定してきて前に進みだした。ここからは15分ほど名栗湖のクルージングを楽しんだ。
名栗湖周辺の自然を感じつつ、水面を進むカヌー。幼稚園の宿題でこの日のカヌーの絵を描くほど、思い出に残ったようだ。夏休みに本当に貴重な体験をさせていただいた。ありがとうございました!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai