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カナディアンカヌー作り第23回 ~内側にFRPを施す~

2020.06.08

前回のカヌー製作ではFRP作業を行う予定だったが、残念ながら雨で中止に。代わりにヨークを削る作業を行った。そして今回も朝から天気は晴れだが雲が多い空模様。初春(当日は3月下旬)の季節柄、気温もそれほど高くなかったので、FRPは工房に着いてから判断するという微妙な状況だ。今回もFRP作業は中止なのか……!? カヌー制作第23回目の様子をお届けしよう。(※非常事態宣言が出される以前に撮影したものです)

天気は微妙だがFRP決行の大英断を下す!

内側FRPを行う予定が雨天で中止になった前回。今回、天気は良いが雲の多い状況。気温もそれほど高くなかったので、どうしようか迷っていた。だが、晴れ間も見えていたし、晴れれば気温も上がるということから、本日FRPを決行することを決断!というわけで早速、作業に取り掛かった。

外側のFRP作業のときは気温の高い真夏。溶液はすぐ乾いたが今回はどうなるのか……。

◆晴れ間がのぞく午前中にFRPコーティングを実行!

FRP作業を実行することを決めたので、すばやく作業にとりかかる。まずは前々回にパテ埋めした箇所を紙やすりで削って色が目立たないようにしていく。

FRP作業は人海戦術が基本なので、副工房長の山田さんと工房のスタッフさんもサポートしてくれる。最初にコーティングの元となるガラス・クロスを船体の内側にあてがっていく。

船体の内側をクロスでカバーしたら、クロスをカットする。このクロスが意外と切りにくい……。

シワが寄らないように伸ばしながら、クロスをあてがったら、ガンネル部分でピンを留めていく。

船首・船尾の部分は外側の形に沿ってクロスを切って、内側に貼り付けるのだ。

カーブを描きながらクロスを切っていくのは、難しいが午前中で作業を終わらせるために急ピッチでカットを進める。

1時間ほどかけて、内側のクロス貼りが終わった。これから溶液を塗ってクロスを硬化していく。

こちらがクロスを固めていくためのポリエステル樹液。ポリエステル樹液100に対して硬化剤1を入れて溶液を作っていく。

こちらの容器に溶液を入れて、刷毛を使いながらクロスに溶液を塗っていくのだ。

こちらがコーティング用の溶液。すぐ塗らないとドロドロに固まってしまう。

船体の中央部分からエリアごとに分けて左右均等に樹脂を塗っていく。ここでも副工房長の山田さんとスタッフさんがサポートについてくれる。

クロスに溶液を塗っていくとクロスが船体に貼りつき、コーティングされる。外側のFRPよりも内側はシワが寄りやすいので結構、難しい。

◆FRPの天敵である雪が降るトラブル!

FRP作業を続けていると、晴れていた空から季節外れの雪が……。

FRPコーティングが乾く前に表面が濡れてしまうと、まだら模様になってしまうとのことなので、急遽、屋根のある場所へ移動。雪に早めに気づいて良かった……(汗)。

濡れないように移動したら、急ピッチで溶液を塗っていく。こうしてみるとクロスを塗った部分と塗っていない部分が一目瞭然。う~ん、キレイだ。

船首・船尾の部分でクロスがかかっていない部分は、クロスを小さくカットした切れ端をのせて、その上から溶液を塗る。固定していない切れ端は動いてしまうので、塗るのもひと苦労。

あらかた塗る作業を終えたら、なんと空模様がまた変わって晴れに! これで太陽の元、コーティングも乾かせる。

気温も上がってきたので、外に出してコーティングを乾かす。午前中に作業を終えて、午後、昼食をとってすぐに触ってみると、すでに表面が乾いていた。やはり本日FRPを決行して正解だった。

午後はパドルを削る作業にとりかかる。まずは、ディスク・グラインダーでパドルの水を漕ぐ面を削っていく。

中央の木材の太さに合わせながら外側を削っていく。微妙な調整が難しい。

午前中のFRP作業で集中力を使い果たしてしまったので、若干、集中力が途切れる部分もあったが、パドルもキレイに仕上がったので、本日の作業は終了。

◆本日の作業はここまで!

パドルを削る作業が終わるころには、コーティングの表面がかなり乾いていた。

気泡も数か所見られたが、思ったより少なくてひと安心。

次回からはかなり苦労するといわれている内側のFRP研磨にとりかかる予定だ。
だが、新型コロナウイルスによる非常事態宣言により、カヌー工房もクローズを余儀なくされている。カヌー工房が営業を再開するまで、カヌー製作の作業はできないが、はやくウイルスが収束することを願うばかり。次回はいつになるかわからないが、第24回へ続く。

◆作業の様子を動画でCheck!

STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai

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