カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第11回・FRP前のパテ埋め作業に勤しむ~
2019.09.16
梅雨の重たい湿気でも過ごしやすい名栗湖周辺。前回からディスクグラインダーやミニサンダーを使った研磨作業に入り、次の作業、次の作業へと気持ちが向かっていた。ようやくFRP(繊維強化プラスチック)コーティングまで進めそうというところだが、船体をみると研磨の影響か接着が剥がれ、隙間が多くなっている。第11回目の今回はパテ埋め作業を継続していく。
コーティング作業前の大事な“パテ埋め”
磨き作業を続けていると、杉材を重ねるときに塗っていたボンドが剥がれ、隙間が開いてくることがある。木くずとボンドを混ぜたパテを作り、それを隙間に流し込むことで穴を塞いでいく作業が、パテ埋めだ。今回は天気も悪く、湿度が高いためにFRPコーティング作業ができないので、パテ埋めに勤しむことになる。
磨き作業の代償として生まれた隙間に、パテを流し込んでいく作業がパテ埋め。船体に開いた無数の隙間を埋めていくのだ。
◆まずは木くずとボンドを混ぜてパテを作っていく
前回の作業時も最後の1時間でパテ埋めをしたが、パテが隙間に入り込んで凹みができている。ここもまた重ねて埋めていくことで隙間をなくしていく。こういった隙間があるとFRPコーティング作業時にうまくコーティングできないそうだ。
まずはパテ埋めに使う道具を準備する。パテを入れる容器に木くずを適量入れ、木工用ボンドとヘラを用意。
少し粘り気がありツノが立つぐらいの固さまで、木くずとボンドをヘラで混ぜていく。
これぐらいの色と粘り気で、パテは完成。
早速、隙間を埋めるためにパテを流し込む。ヘラで丁寧に伸ばして……。
濡れタオルでキレイに拭き取れば完了。船体には無数の隙間があるので、その穴をひとつひとつ埋めていく。そうしていくうちに午前中の作業時間が終了。
◆午後も継続してパテ埋め作業に!
今回も昼休憩中に工房でご一緒させてもらう御夫婦の奥様から自家製ブリオッシュの差し入れをいただいた。昼ご飯のデザートにちょうど良い甘さで美味しかった。いつもありがとうございます!
午後もパテ埋め作業を懸命に続ける。
全体にパテ埋めが終わったところで、船体を見てみるとパテ埋めの跡が残っていた。このままにしておくと、コーティングした時にまだらな模様になってしまう。
そこでミニサンダーによる磨き作業に。課金したゴーグルとマスクの出番だ。
ミニサンダーで磨くとまだら模様になったパテ埋めの後もキレイに!
◆今日の作業はここまで!
Before
表面に汚れのように付着したパテ埋め跡も……。
After
研磨により表面の汚れもなくなり、美しい木目の表情が浮かびあがる。
副工房長の山田さんに今日の作業状況のOKをいただき、フィニッシュ。「FRPコーティングは天気に左右されるので、次回は晴れるといいですね!」とアドバイスをもらい、恒例の一枚。いよいよFRP作業までたどり着いたが、果たして次回は無事、FRPコーティングを行うことができるのか!? 第12回へ続く!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima