カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第9回・ディスクグラインダーでの研磨作業~
2019.08.16
長く続いた梅雨の晴れ間に訪れた名栗湖周辺。山間部にあることで都心部よりも気温も若干低め。ただ、それでも本格的な夏の到来を感じさせるほど汗ばむ気候だった。カヌーのハイシーズンを迎える前にひとときの落ち着いた時期を過ごす工房で、9回目を迎えたカヌー制作。作業場所を外に移し、いよいよ“磨き”という次の工程に突入した。
ディスクグラインダーでの磨き作業に四苦八苦!?
前回、ガンネル(船縁)を張り上げていく作業を終え、仮クギを抜く作業の途中で時間切れとなったが、今回は磨き作業に入る前に、船体に無数にある仮クギを抜いていく作業から開始。それが終われば、いよいよディスクグラインダーを使っての磨き作業へと進める。念願の磨き作業はどうなったのか!?
第8回の作業では、あらかたタッカーのピンを抜くところで終了したので、今回は仮クギを抜くところから。
◆磨き作業の前に無数にうたれた仮クギを抜く
最初に工房長の町田さんに仮クギを抜くコツをレクチャーしてもらう。両手で抜かずに、片手で船体をおさながら抜くことが大事。片手でおさえて抜かないとボンドで接着した部分がはがれてしまうのだ。
仮クギを抜く作業につかう道具はこちら。タッカーのピンのリムーバーとラジオペンチ、そして普通のペンチ。
船体を片手でしっかり押さえて、真上に抜いていくのがコツ。
舟底(ボトム)部分だけじゃなく、側面にもたくさんの仮クギが打たれているので、ひとつ残らず抜いていく。
抜いてみるとこんなにも仮クギが。深く食い込んで抜くのに苦労する仮クギもあったので、調子に乗って仮クギをうちまくっていたことを少し後悔……。
まだ抜いていなかった船体の側面の部分や前回作業したガンネル(船縁)部分のタッカーのピンも抜いていく。こちらはリムーバーを使えば、難なく抜ける。
仮クギ&ピン抜き作業を終えてみると、この数の仮クギとピンが打たれていたのが明らかに。確かにボンドだけだと心許ないので、タッカーと仮クギをうちまくっていたが、まさかこんな数とは……。少し、驚いたクルーたちであった。
ピンを抜き終わると、接着が弱い部分がはがれていた。剥がれた部分はまたボンドとタッカーで固定する応急措置。
ボンドをつけて……。
タッカーでとめる。この作業はもう慣れたものとばかりに手際よくこなす。そして念願の磨き作業へ!
◆ディスク・グラインダーを使った研磨
午前中の1時間ほどで仮クギを抜き終えたクルーたち。さっそく念願の磨き業へ。磨き作業の前に工房長の町田さんにアドバイスをいただく。ディスクグラインダーを両手で持って、水平方向に磨いていくのが基本。慣れてきたら、真横にではなく円を描くように垂直方向にかけていくと均等に研磨できるとのこと。
レクチャーしながらではあるが、実際に町田さんが磨いてくれた部分の表面がかなりキレイになっているのがわかる。
こちらがディスクグラインダー。面を当てすぎるとかなり表面が削れてしまうので、船体に穴が開いてしまう可能性も。十分注意しながら作業にとりかかりたいところ。
研磨作業ではかなり木くずの粉塵が舞うため、作業用のマスクは必須。カヌー工房に向かう道中で入手してきた課金アイテム、防塵マスクを装着する。
木くずを巻き上げながら、作業スタート! 慣れない手つきながら削りすぎないように慎重に進めていく。
少しグラインダーをあてただけでもこんなに表面が滑らかに!
カヌー工房の外の気には手作りの小鳥の家が。ちょっとした光景に心が癒される。
粉塵がひどいので、サングラスも投入。かなり怪しいいでたちですが変質者ではありません(笑)。次回はゴーグルが必須なこともわかった。
まだ粗削りながら、ディスクグラインダーをかけるとこんなにも違いが出てくるのだ。
無心に研磨作業を続けると、Tシャツやパンツに粉塵がたまっていく。一生懸命作業した勲章のようなものだ。
◆今日の作業はここまで!
Before
作業前は無数に仮クギがうちこまれ、表面に凹凸が目立っていた船体も……。
After
仮クギを抜き、磨き作業を行った結果、美しい(自画自賛)舟体へと生まれ変わった!
グラインダーをかけることで、接着面が剥がれてしまった箇所に、ボンドを塗りこんでとめていく。
タッカーで固定して、本日の作業は終了!
町田さんから服についた粉塵を、エアーコンプレッサーで吹き飛ばしてもらう。
恒例の作業終了後の一枚。本日も色々アドバイスしてくれた工房長の町田さんとともに。今回でディスクグラインダーの作業が大方終わったので、次回は研磨作業の続きに取り掛かる。次回はサンダーを使っての作業に入るが、外での作業は気持ちいいので次回も晴れてほしいところだ。第10回目に続く!
◆グラインダーの作業風景を動画でチェック!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai、H2O Style
Writing:Yasuyuki Ushijima