カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第8回・ガンネル(船縁)を組み上げる~
2019.07.08
関東地方も梅雨入りした6月中旬。梅雨の晴れ間に訪れた名栗湖周辺は晴天の雲が湖面に映し出されるほど、静かな表情を携えている。カヌーのハイシーズンを迎える7月を前にひとときの穏やかな時期を過ごす工房で、8回目を数えるカヌー制作。舟底を貼り終え、ボトムが下を向いた本来のカヌーの姿に戻り、いよいよ次の工程に突入する。
本来の姿にもどった舟体のガンネル(船縁)を積み上げる
カヌーの舟底(ボトム)部分も貼り終え、いよいよ舟体を反転しての作業が始まった。これからはバウとスターン部分の型が隠れるまで、ガンネル(船縁)を斜めに張り上げていく。この張り上げ作業を終えれば、仮止めしたピンを抜いていくという作業に入る。それが終われば、いよいよディスク・グラインダーを使っての磨き作業へと進むことができる。本日中に磨き作業まで進行できるか、クルーも心躍らせながら作業に臨む。
カヌーを反転させ、本来の姿に。長かった杉材の積み上げも終了と思いきや、実はもう少しその作業は続くのだ。
◆ガンネルの破線を想像しながら階段状に杉材を積み上げる
次の工程に移ったが、杉材を組み上げる作業自体は継続ということで、いつもの道具を準備して作業をスタート。
中央から少しバウ側寄りから杉材を貼り始め、杉材をカットし、ボンドをつけて、タッカーで固定という作業を繰り返す。
バウ部分の3Dカットも昔取った杵柄か、逡巡することなく、テキパキとこなしていく。
工房のアイドル・りんごちゃんも時より、見回りにくる。順調な作業を確認すると足早にどこかへいってしまう。
一段張り上げたらこんな感じ。ガンネルの曲線をイメージしながら階段状に張り上げる作業を続ける。
◆カヌーを反転させ、次はタッカーのピンを抜く作業へ
杉材を階段状に積み上げることにも慣れてきて、作業もペースアップ。
ボンドとタッカーだけでは心許ないので、スターン部分の曲線に沿って仮クギを打ち付けていく。
本日の指導担当は副工房長の山田 和さん。時折、作業具合をチェックしに来ては「問題なさそうですね!」と声をかけてくれる。その言葉が心強い。
夏仕様にサマーカットしたりんごちゃんのしっぽがライオンみたいに!そんな姿に癒されながら作業を進める。
バウとスターンの両側、計4か所をバランスよく積み上げていくので結構、時間がかかってしまった。そしてとうとう……。
Before
フラットだったガンネル部分が……
After
キレイな階段状に積みあがった舟体は、徐々にカヌーの型を成している。これを見るだけでテンションが上がる!
ここでまたカヌーの舟体を反転させて仮止めしているタッカーのピンを抜く作業へ。
仮止めのためにたくさん打ったタッカーのピンをひとつひとつ丁寧に抜いていく。
◆今日の作業はここまで!
Before
無数に打ち込まれていたピンも……
After
このとおり、仮クギのみ打ち込まれたキレイな舟体になった!
恒例の作業終了後の写真は、本日、色々アドバイスしてくれた副工房長の山田さんとパシャリ。「いい感じに進んでますね!」という心強い言葉をいただき、思わず頬がほころぶ。次はいよいよ、ディスク・グラインダーやサンダーを使った磨きの作業に着手できそう。外での作業になりそうなので梅雨ながら次回の制作日は晴れてほしいところだ。第9回目に続く!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima