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カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第7回・舟底部の張りがついに完成~

2019.06.24

ビルに囲まれた都心部は気温も湿度も高いが、山間部に位置する名栗湖周辺は都心より、少しひんやり感じるほど過ごしやすい。カヌーのハイシーズンも迫っているが、湖面は静かで訪れる者の心を落ち着かせてくれる。そんな中カヌー制作は第7回目を迎えた。単調でルーティーンワークの工程が続くが、気を引き締めてカヌー作りに勤しんでいるクルーたち。作業も舟底部が完成を迎えるので、いよいよ次の工程がみえてきた。

杉材の組み上げに終止符! いよいよ次の工程へ

カヌーの舟底(ボトム)部分がもうすぐ完成する。これまで、初回から7回目にしてやっと杉材の組み上げ作業が終焉を迎える。ただ、舟底部分の最後のパーツは、幅27mmの杉材を穴の形に切り取ることで、パズルのようにはめ込んでいくという最後の難関が待ち受けている。ここまで作業が順調に進んだのは、宮大工の父を持つカメラマン金井の活躍があってこそ。今回も彼が活躍するかが、スムーズな進行へのカギとなる。

舟底の穴を埋めれば、杉材の積み上げ工程は終了。ここまでくるのに、意外と時間がかかった……。

 

◆次の工程に向けて作業ペースもアップ!

この道具を使うのもあと少し。そう思うと感慨深くなるが、いつものようにタッカーや木工用ボンド、仮クギを用意してから作業を始める。

舟底部の穴を、杉材を加工しながら埋めていく。前回の失敗(杉材を交互に貼るべきところを同じ方向から続けて貼ってしまった)に気を付けながら左右交互に張るように進めていく。

杉材の端をカットして、隙間にはまらない場合は、ヤスリなどを使って削って微調整する。

隙間がなくなるように先端を削ることで、こんなにピッタリとハマるのだ。

ボンドをつけて固定。はみ出たボンドは濡れタオルでしっかり拭きとって、次へと進む。

 

◆いよいよ最後のパーツを作成!

曇天の名栗湖も趣があります。昼食休憩後は、最後のパーツを作る作業へ。

工房長の町田さんの指導の下、幅27mmの杉材を穴に当てる。そして下からその穴の形をトレースし、その穴の形のパーツを作っていくのだ。

カヌー本体の下に潜り込み、穴の開いている部分に鉛筆で印をつけていく。

印をつけたパーツはこんな感じ。穴にぴったりはまるよう、この形に杉材を削っていく。穴にキツキツではまるのではなく、少し余裕がある大きさにパーツを形作っていくのがコツだ。

本体とパーツ部分に印をつけておくと場所がわかりやすいのでおすすめだそう。

まずはパーツを形作るためにピラニア(ノコギリ)で杉材を切り取っていく。

大まかにパーツの形に切り取ったら、あとは紙やすりで削る。杉材は繊細なので、折れないように絶妙な力加減が要求されるのだ。

パーツを削っては穴にはめ込み、パーツを削っては穴にはめ込みを繰り返す。はまらない部分を少しづつ地道に削っていくのだが、この作業、見ているよりもメッチャハード! 神経をすり減らしながらの作業が続く……。

パーツと格闘すること約1時間半。ついに、舟底部の穴にパーツがハマった!

町田さんからもOKをいただき、うれしさのあまり、記念に一枚パシャリ。

 

◆今日の作業はここまで!

Before
舟底(ボトム)部の穴が……

After
作業終了時には、穴が完全に埋まった。とにかく半端ない達成感がこみ上げてくる。

ついに、本体を反転させ、通常のカヌーの形に。ここまでたどり着くまで結構時間がかかってしまった。それだけにかなり感慨深い。

カヌーを反転し、バウとスターン部の型が隠れるまで、再び杉材を積み上げる作業へと移るが、本日は一段積んだところで作業終了の時間になってしまった。というわけで次回はガンネル部分に杉材を積み上げていく作業からスタート! 上手くいけば仮クギを抜いて磨きの作業に入れるかもしれない。次回(第8回)をお楽しみに!

 

STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai、H2O Style
Writing:Yasuyuki Ushijima

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