カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第6回・杉材積み上げ作業もついに佳境~
2019.06.17
緑がだんだんと深くなってきた5月中旬の名栗湖周辺。これからハイシーズンを迎える名栗湖は風もなく静かな湖面にまわりの山々が映り趣のある情景を醸している。そんな中カヌー制作は第6回を迎えた。コンスタントに工房へと足を運んできたかいもあり、カヌー制作に勤しむ人々から激励のお言葉をいただけるようにもなってきた。そんな言葉に応えようとクルーたちも丁寧に作業をこなしていく。作業的にはもうすぐ舟底部分が組みあがる。今回も気を引き締めて作業を進めたい。
ついに組み上げ作業も舟底(ボトム)部分に到達!
杉材の積み上げも、いよいよ終盤。カヌーの舟底(ボトム)部分に差し掛かった。杉材を継ぎ足さず1本で組み上がるが、バウ部分の先の先端が重なる部分の合わせがとにかく難しい。ノコギリで先端部分をカットしてもすんなり収まりきらないので、カッターで切り取ったり、ヤスリで削ったりする作業も増えてくる。ただ、カットした先端部分がショートしてしまった場合は、それを杉材の切れ端などの破片で埋めていく作業も発生する……。果たして、作業は順調に進むのか!?
舟底(ボトム)部分は杉材を交互に積み上げていくので、先端のあしらいが重要になる。
◆黙々と手を動かし続け、作業効率もアップ
いつものように工具の棚からタッカーやボンド、仮クギを用意してから作業スタート!
今回の撮影はカメラマン金井が担当なのだが、ひょんなことから作業も手伝うことに……。
しかし、この起用が大当たり! なんと彼の父親は宮大工ということで、そのDNAを受け継いだか、ノコギリでのカットや仮クギ打ちなども、どんどんこなしていき作業速度が格段に上がったのだった! 今までの苦労は何だったのか?(苦笑)
バウ・スターン部分の組み上げでできたこんな隙間も……。
杉材の切れ端を使ったり、材料の角を切り落としながら、器用に埋めていく。
切れ端を2つ使うことで、隙間をあっという間に埋めてしまった。この戦力は今後、欠かせないものになりそうだ。
◆船底部のあしらいにまさかの失敗!?
監視するようにふらりと現れるりんごちゃん。頭をナデナデしたい誘惑に駆られながらも、雑念を振り切って作業に没頭する。
午前中同様に金井のテクニックのおかげで、作業は捗りを見せる。
しかし、ここで思わぬ落とし穴が! 舟底部は左右交互に組み上げていくため、中央がジグザグになるのが正解なのだが……。
作業を進めたいという気持ちが先行しすぎた結果、左側を連続して組み上げていたことが、工房長・町田さんの指摘で発覚する!
「まぁ、大丈夫でしょう! 次からはしっかりと交互に積み上げていくように!」という町田さんからの恩情のお言葉をいただき、なんとか作業再開。
ただ、金井効果もあって、その後は順調に作業が進む。
黙々と作業を続け、気づけば終了時間が迫っていた。
◆今日の作業はここまで!
Before
舟底(ボトム)部に開いていた大きな穴が……
After
作業終了時には、その穴の広さが確実に狭くなっていたのだ。
こちらは、他の方が作っている作業途中のカヌーだが、次回はこのように舟底部の穴がなくなるように気合を入れたいところ。
作業終了時、町田さんを交えてカヌーの前での記念撮影も恒例となった。撮影しながらも作業をガシガシ進めてくれた本日のMVP、カメラマン金井を称えつつ、ハイポーズ。次回は舟底(ボトム)部を完成させれば、いよいよ次の工程に。第7回へ続く!
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai、H2O Style
Writing:Yasuyuki Ushijima
Special Thanks:THE NORTH FACE