カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第4回~
2019.04.15
名栗湖を望む山間部に位置した工房にも確実に春の足音が近づいてきた3月下旬。カヌー制作は第4回を迎えた。カヌーの最盛期になる夏に向けて、テンションも徐々に高まるクルーたち。今回は今までハイペースで進んでいた作業を一度見直すことで、後々の工程を見越して細部を調整するなど手直し作業を行った。
順調なペースで進んでいた作業に暗雲が……
前回から、15mmの杉材を重ねていく作業も船体の中央から船底にかけて徐々にカーブがキツくなってくるポイントに投入し、苦労しながらも工程を進めていったクルーだったが、杉材を積み上げていく作業に集中しすぎて、細部の丁寧さが欠けていた模様。今回は戻り作業が発生してしまったが、後々の工程を円滑に進めるために大事なこと。この戻り作業がかなり時間のかかる作業であったために今回は劇的なビフォーアフターが期待できないかも!?
かなり船体が組みあがってきたものの、細部を見ると……
◆まずは中心線を成していた杉材を外す作業から
杉材を積み上げて、船体が形を成してきたことで、工房長の町田さんの指示により中心線で固定していた木材を外していく作業から開始。
ラジオペンチを使いタッカーの刃を外していたが、意外に深くまで食い込んでいた刃に苦戦を強いられる。
クルーの悪戦苦闘を見かねて、工房長の町田さんが秘密兵器のステープルリムーバーを貸してくれた。
リムーバーを使い、無事に中心線の木材を外すことに成功。
木材を重ねて作っていたバウとスターン部分の木材も、先端が凸凹になっているので、ノコギリでカット。前回ゲットしたピラニアがここでも活躍する。
◆まさかの戻り作業が発生し、調整作業に苦戦するクルー
ここで、カーブがきつくなってきた部分の杉材のでっぱり部分が気になる……と、工房長の町田さんの指摘を受け、でっぱり部分をバウとスターン部分を中心に沿うようにカットする作業に。
正面から見ると凸凹な様子がわかる。
一番上の杉材のようにバウとスターン部分に沿うように先端をカットするのが望ましいとのこと。これを怠ると後々の工程に影響してくるのだ。
でっぱり部分をカッターやノコリギでカットしながら整えていく。
工房のアイドル、りんごちゃんも不安そうな顔でクルーの作業を見守ってくれる。
ボンドで張り付けた部分をカッターで外す作業で苦戦を強いられる。木工用ボンドの接着力の強さを改めて知ることに。
時にはノコギリを使いながら断面を整えていく。立体的にカットしなければいけないため、カットするのにもひと苦労。
カットが終わり断面が整ったら、改めてボンドをつけて接着。
戻り作業を繰り返していくと、こんな感じで先端がぴったりと中心線に沿うように仕上がる。
カッターだけでなく、時にはレザーマンのマルチナイフを駆使しながらも作業を進めていく。
苦労しながらも丁寧に作業を進めていくと、断面がこんな感じでキレイになっていく。慎重かつ大胆にカットしていくために、クルーも交代しながら作業に打ち込んだ。
◆今日の作業はここまで!
Before
凸凹だった断面も……
After
必死の作業の甲斐もあり、こんなにもキレイになった。
Afterその2
上から見るとさらに仕上がりの素晴らしさ(自画自賛)がわかる。うーん、良い出来栄え。
工房長の町田さんからもOKサインが! こんなにうれしいことはない。
最後に笑顔で一枚。作業自体は停滞しましたが、今後の工程への下準備と考えれば、へっちゃら。今回も楽しんで作業ができたのが何よりの収穫だ。第5回へ続く!
◆カヌー工房で製作できるカヌーの一部を紹介
今回は、名栗カヌー工房で製作できるカヌーの一部を簡単に紹介していこう。
手作りで自分だけのカヌーを作れる名栗カヌー工房。もちろん完成品も購入できるが、作る楽しみも含めてキットを選択したいところ。
●カナディアン 4.8m艇
まずはH2O Style が作製している4.8mのカナディアンカヌー艇」。2~3人が乗船できるタイプで、こちらのカヌー工房でよく作られているタイプのカヌーだ。どの船も完成品と組み立てキットの2種類が存在する。
完成品 ¥448,000+tax キット ¥135,000+tax
●カヤック 4m艇
こちらは一人用のカヤック。小回りの利く4mの長さがポイント。
完成品 ¥398,000+tax キット ¥100,000+tax
●カヌヨット
こちらも一人用のカヌヨット。船内には座る部分、そして船体には帆を立てるところが設置される。
完成品 ¥600,000+tax キット ¥180,000+tax
●カナディアン 4m艇
定番の4.8mよりも少し短いカナディアンカヌー。こちらは二人乗り。
完成品 ¥398,000+tax キット ¥100,000+tax
●ナグリアン 5m艇
定番よりも少し長めのカナディアンカヌー。名栗湖のカヌー工房だからこそ作ることができる特別なサイズなのだ。
完成品 ¥448,000+tax キット ¥135,000+tax
※上記のキットを作る際に名栗カヌー工房では、1日¥3,500+taxの工房使用料がかかります。また上記の料金にカヌーの仕上げ塗用ウレタンは別途料金が発生します。
詳しくは名栗カヌー工房(http://naguri-canoe.co.jp/)TEL:042-979-1117までお問い合わせください。
STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba、H2O Style
Writing:Yasuyuki Ushijima
Special Thanks:THE NORTH FACE