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H2O Style

H2O Farmで野菜作り!
~第6回・直まきで保険を~

2019.06.07

今年の春、暑くなったと思ったら真冬のような寒さに戻ったりと、気温が非常に不安定だったことは記憶に新しい思う。そんな気まぐれな気温の影響で、埼玉県飯能市にある「H2O Farm」はちょっと困ったことになってしまった。

ハウスで育成中の苗が……

ナス、トマト、トウモロコシ……これらは暖かくなるまではハウス内で育成して、折を見て畑に植え替えようと計画している夏野菜だ。しかし今年の春は気温が激しく上下したため、いまひとつ育ち具合が芳しくない。ナスだけは順調と言えそうなのだが、トマトの芽は弱々しく、トウモロコシにいたっては枯れそうな状態だ。

無農薬野菜で知られる『ひより農園』さんのご協力のもと、立派なハウスを使わせてもらっている。

3月下旬に行ったハウスの視察。状況は安心できるものではなかった。

ナスはまあ大丈夫そう。紫色の茎が日に日に伸びているようで、頼もしい。

こちらがトマトの芽。全体的に小さく、弱々しい。うまく育たないかも……。

もっとも深刻だったのがトウモロコシ。完全に枯れる一歩手前といった状態で、復活する可能性は低そう。

直まきして保険をかける

ハウスでの育成と並行して、「直まき」も行うことに。ハウスではポットに種を植え付けたが、それはまだ気温が低かったため。暖かくなってきたのなら直接、畑に種をまいてもOKなのだ。必ずしも直まきがうまくいくとは言えないが、より多くの方策を採っておくことで、高確率での収穫を目指す。さあ、元気に畝(うね)をつくって種をまこう!

鍬(くわ)とレーキを使って畝をつくっていく。畝づくりはジャガイモを植え付けたときに経験済み。

畝をつくったら、次は「マルチ」を張る。マルチとは黒いビニールのことで、雑草を予防し、土の温度や湿度を保つ役割を果たすそうだ。ちなみにマルチとは、畑の表面を覆うことを意味する英語「マルチング」の略。

まずは我々の師匠である『ひより農園』の白土さんが見本を見せてくれた。

見よう見まねでやってみたが、これが難しい! ビニールが左右どちらかに寄ってしまう。

下手なりに協力してマルチを貼っていく。トウモロコシ用に3つのマルチ畝が必要だ。

3つのマルチ畝が完成。左から順につくったのだが、徐々にうまくなってきたような……。

こちらは我々がモタモタしている間に、白土さんがさっさと1人でつくった畝。参りました。

 

さあ種を直まきしよう!

つくった畝に、ハウスでも栽培している作物の種を直まきする。ハウス分が育ってもよし、直まき分が育ってもよし、という保険の利いた状況をつくるというわけだ。その上で、枝豆も新たに植えることに。ここで「H2O Farm」で計画しているメイン作物を整理したい。

・ナス
・トマト
・トウモロコシ
・ジャガイモ
・枝豆 ←NEW!

というわけでビールのお供・枝豆が登場。うまくいけば楽しい夏を迎えられそうだ。

奥の3畝にトウモロコシ、マルチのない畝にトマト、手前の畝に枝豆を直まきする。トマトの畝にはマルチを張る必要がない。

トウモロコシの種。「札幌黄八行玉蜀黍」という固定種をチョイス。

枝豆は「早生枝豆はやみどり」という品種。つくりやすく、実つきがいいらしい。

トマトの品種は「アロイトマト」。老眼のはじまりつつあるメンバーには難関だ。

適宜に間隔を空けながら、そして無駄話をしながら種を植えていく。気持ちのいいひととき。

すべての種をまいたら水やり。種をまいた直後の水やりは低い位置から、優しくじっくりと。

鳥対策にネットを

トウモロコシと枝豆の種は、鳥たちにとっては格好の獲物だ。掘り起こされて食べられてしまうので、ネットを張って対策することに。そういえばジャガイモを植えたときにはイノシシ対策をした。「H2O Farm」を訪れると、フィールドにいるのが人間だけでないことがよくわかる。

発芽するまでの保護ネットなので、トンネル状にする必要はない。

風に飛ばされないよう、要所にくさびを打ってネットを固定。

直まき作業、完了! うまく発芽してくれことを祈りつつ、帰路へ。

この日の活動は、タンポポの花が咲き始めた頃の出来事。これからどんどん草花の成長が活発になっていく。

 

◆お世話になっている『ひより農園』さん

埼玉県飯能市の「メッツァビレッジ」内、ひより農園直営ショップ「VEGE TOWER(ベジタワー)」では新鮮な固定種野菜を販売。無農薬、化学肥料不使用のこだわり野菜をどうぞ。
「VEGE TOWER(ベジタワー)」
https://metsa-hanno.com/guide/167/

ひより農園公式サイト
http://hiyori-farm.goodplace.jp/

 

Photography:Ren Kanai,H2O Style
Writing:Minoru Akiba
Special Thanks:HIYORI-FARM

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