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H2O Style

トレンドに左右されない逸品たち
~ボクの相棒、それは永遠の定番アイテム~ 第19回

2022.12.05

酸いも甘いも経験してきたOVER30(オーバーサーティ)の男性であれば、それなりの審美眼も備わっているハズ。そんな世代の人たちにこそ読んで欲しいのがこのコーナー。『H2O Style』のスタッフ自らが実際に所有し愛用し続ける、またこれからも愛用していく逸品たちにフォーカスをあてその魅力をクローズアップ! 第19回はパネライのルミノールGMTを紹介!

デカ厚ブームを牽引したラグジュアリー時計ブランド

男のファッションにおける三種の神器といえば革靴、カバン、腕時計といえるだろう。その中でも革靴や鞄は、普段スーツを着用しない人にとっては、意外にピンとこないもの。筆者も革靴にはこだわりがあるが、カバンといわれてもあまりピンとこない。そこで注目したのが腕時計だ。最近は腕時計といえば、ロレックスをはじめとする高級時計は資産価値があり、年々価格が高騰している様子。そんななか筆者が目をつけたのが今回紹介するパネライだった。

結婚する以前の2008年頃、高級時計が欲しくなった筆者は色々と物色していたのだが、やはりここでも天邪鬼なマインドが発動し、人とは違うものを狙っていた。そこで雑誌などで評価の高かったパネライを見つけたのだ。

パネライは1860年にイタリアのフィレンツェで設立された精密機器の工房がブランドの始まり。イタリア海軍用の精度と耐久性に優れた計測機器を製造する軍需専門メーカーとして発展し、東西冷戦が終結し軍需規模が縮小した1993年からは、高級時計ブランドとして再スタートした。軍事用時計から派生した高い精度と防水性、イタリアブランドならではの洗練されたファッショナブルなデザインが評価され、その特徴的な厚く大きなサイズのケースは“デカ厚”ブームを世界中で巻き起こした。

当時、時計界もビッグフェイスがトレンドだったこともあり、パネライはその先頭をひた走っていたのだ。男らしいルックスと重量感のあるフォルムにひと目惚れし、結婚前ということで、現金一括で購入したのはここだけの話。

この時選んだのが「ルミノールGMT」だったのだ。

ブラックの文字盤に12時と6時位置だけアラビア数字を配置。他はバーインデックスというシンプルなデザイン。普段使いでは、カジュアルスタイルにもマッチするラバーベルトを装着。汗っかきの筆者は革ベルトが苦手なので、ほぼフルシーズン、ラバーベルトで過ごしている。(筆者私物)

男らしく堅牢なリューズガードにひと目惚れ

パネライといえば、1938年に誕生した世界初となる、特殊潜水部隊用ダイバーズウォッチ「ラジオミール」が有名だ。しかし、筆者が選んだのは、そのラジオミールと双璧を成す「ルミノール」だった。選んだ理由は、革ベルトが基本のみのラインナップだったラジオミールよりも、革、ラバー・メタルブレスレットの3種類がラインナップされていたから。そして、もうひとつの理由はパネライらしいリューズプロテクターがついていたからなのだ。

筆者が初めてみたパネライはルミノールで、武骨なリューズプロテクターがとにかくカッコよく見えた。これしかないと選んだのがルミノールだったわけだ。あとはデイト表示がついているなどの理由で、ルミノールGMTとなった。
ルミノールGMTにはラバーベルトと革ベルトが付属されていたのだが、普段使いはラバー、結婚式などフォーマルな場には革ベルトと使い分けている。デカ厚なので、袖からチラ見えする時計に気づかれ「それ、パネライだよね」といわれるのに当時は快感を覚えたものだ。

高級時計は2~3年に一度、オーバーホールが絶対となっている。パネライも例外ではなくオーバーホールが必要だが、コストが高いので4~5年に一度しかおこなってないのはここだけの秘密だ。(自己責任なので「壊れる!」などのクレームは受け付けません!)

購入した時は重量感のあるゴツい時計に惚れ惚れしたものだが、年齢を重ねてくると少し重たく感じてきた。もうちょっと取りまわしのいい腕時計が欲しいものだが、結婚してしまった今、高級時計を買うのも憚られる。ただ、せっかくの“一生モノ”なので、娘が結婚した相手に託そうと勝手に企んでいる。その日はいつだろうか……。その時が来てほしくもあり、来てほしくないと感じるのは、父親の宿命なのだろう。

購入時に付属していた革ベルト。クロコの型押しがより一層の高級感を漂わせる。前述したが、革ベルトを着けるのは結婚式などのフォーマルなシチュエーションだけ。ただ、ラバーベルトと付け替えると表情がガラリと変わる。(筆者私物)

 

STAFF CREDIT
Writing:Yasuyuki Ushijima

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