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H2O Style

トレンドに左右されない逸品たち
~ボクの相棒、それは永遠の定番アイテム~ 第10回

2020.05.22

酸いも甘いも経験してきたOVER30(オーバーサーティ)の男性であれば、それなりの審美眼も備わっているハズ。そんな世代の人たちにこそ読んで欲しいのがこのコーナー。『H2O Style』のスタッフ自らが実際に購入し、愛用しつづける逸品たちにフォーカスをあてその魅力をクローズアップ! 第10回はニューバランスのM1300 JP2を紹介!

5年の一度の周期で復刻されるM1300の2015年モデル

現在は、ご存知のように外出自粛となっているので、改めて自分の持ち物やコレクションを振り返ってみる機会も多いかもしれない。ご多分に漏れず、筆者もその口なのだが、今回は自分のコレクションのなかでも、かなり貴重な相棒を紹介したい。

世間的には、今年2020年の2月に発売されたニューバランスのM1300JP3は記憶に新しいと思う。ご存じない方のために説明しておくと、M1300とはニューバランスの中でも特別な品番のモデルで、1985年の発売からこれまで1995年、2000年、2005年、2010年、2015年、2020年と5年ごとに復刻版が登場している。

発売当時から現在に至るまでニューバランス発祥の地であるボストンの職人の手によって製造されているまぎれもないメイドインUSA製なのだ。かのラルフ・ローレン氏もオリジナルの1300を履いた時に、「まるで雲の上を歩いているようだ」と語った言葉は広く知られることとなり、ニューバランスが一流ブランドとしての地位を確立する要因の一つとなった。
今回、紹介するモデルは先日発売されたM1300 JP3ではなく、2015年に発売されたM1300 JP2だ。2015年に発売された際に業界パワーを使わず(笑)、幸運にも倍率の高い抽選に当たり、購入できたレアもの。2015年当時で価格は3万5000円ぐらいだったので、スニーカーとしてはかなり高価だったことを覚えている。

やはり貴重なものだとわかっているので、履くことをためらい、箱に入っている時間も長いが履かないと加水分解することから、年に数度は足を入れるようにしている一足でもある。履き心地は、ラルフ・ローレン氏も語るとおり、本当にフワフワで硬い路面でも絨毯の上を歩いているような柔らかさ。この履いた時の衝撃は、人生の中でも1、2を争う履き心地であったのは、しっかり記しておきたい。

サイドのNマークも大きめの採用し、意図的にオリジナルに近づけたレトロな要素のひとつ。ブルーで縁取られたレイヤード構造がアクセントとして存在感を放つ。(筆者私物)

細部のクオリティこそニューバランス品質の証

“スニーカー界のロールスロイス”とも謳われるニューバランスは、M1300だけでなく、すべてのモデルでトップクラスの履き心地を誇っている。中でもラルフ・ローレン氏が絶賛したM1300は、特に履き心地が賞賛される逸品。ミッドソールには、衝撃吸収性に優れたEVA素材を頑丈なPU素材に封入したENCAP(エンキャップ)というテクノロジーを採用し、ハイレベルな安定性と衝撃吸収性を実現している。
またM1300はアウトソールも特徴だ。コマンドソールのようなトレッドパターンを採用し、優れたグリップ力を実現。しかも2010年に発売されたモデルからオリジナルを踏襲したように、ビブラム社製のソールを採用しているので、摩耗性にも優れているのは言うまでもないだろう。

ニューバランスらしい見た目やカラーリングもファンを惹きつけてやまない一因だろう。同ブランドのモデルでも特別な意味合いのあるグレーとブルーの組み合わせは、どんな着こなしにもマッチする万能色だ。ちなみに今年の2月に発売されたM1300 JP3はグレーのヌバックレザー部分に、アメリカの革製品会社「ホーウィン・レザー」のヌバックレザーを使用することでより質を高めたという。筆者も買うことに決めたのだが、惜しくも抽選に外れてしまったので購入はできなかった。だからこそ、今所有しているM1300 JP2を大事に履いていきたいと思う。

M1300は先ほども記したように、5年周期で発売されている。今年発売されたので次の発売は予定通りなら、2025年となる。残念ながら延期されたオリンピックよりも長い周期なので、待ち遠しいのだが1年で7000円貯められれば、5年で3万5000円は貯められる計算になる。そうやって待つ楽しみも味わえるからこそ、手に入れた時の喜びはひとしおなのだ。

アウトソールは1985年に発売されたオリジナルを再現し、ビブラム社製のソールを搭載。1300は硬いアスファルトなどのロードだけでなく、土などのオフロードにも対応する。濡れた路面などでもグリップ力を発揮してくれそうだ。(筆者私物)

STAFF CREDIT
Writing:Yasuyuki Ushijima

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