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H2O Style

トレンドに左右されない逸品たち
~ボクの相棒、それは永遠の定番アイテム~ 第9回

2020.02.24

酸いも甘いも経験してきたOVER30(オーバーサーティ)の男性であれば、それなりの審美眼も備わっているハズ。そんな世代の人たちにこそ読んで欲しいのがこのコーナー。『H2O Style』のスタッフ自らが実際に購入し、愛用しつづける逸品たちにフォーカスをあてその魅力をクローズアップ! 第9回はクラークスのワラビーとデザートブーツを紹介!

永久定番ブランドのなかでも名作中の名作2モデル

クラークスといえば渋カジ全盛期に人気に火が点き、筆者も高校生から大学生にかけて履きまくった傑作シューズだ。これを読んでいる人のなかでも、一度は履いたことがある人のほうが多いだろう。それほどまでにファッションの定番として、浸透しているブランドなのだ。

おさらいしておくとクラークスは1825年にイギリスで設立されたシューズメーカー。サイラスとジェームスというクラーク兄弟がシープスキンを素材に用いて作ったスリッパが、そのストーリーの始まりだ。当時としては画期的だったクレープソールの発明と職人技の組み合わせは、現在に至るまでクラークスの靴づくりの本質となっている。そして今も変わらず、すべてシューズはシデの木材から手作業で削り出した木型から作られており、高度な製造技術やテクノロジー、そして最新の材料に支えられ、現代に合った完璧なシューズを生み出している。

筆者は2足持っているのだが、自分の中ではカジュアル用とドレス用ですみ分けしている。ドレス用がデザートブーツで、カジュアル用がワラビーだ。まずはデザートブーツから言及していきたい。

ブランドの顔ともいえるデザートブーツ。スウェードの上質感と、洗練されたシンプルなフォルムは上品な雰囲気を醸し出してくれる。その表情から、幅広いスタイルで活躍してくれる点がうれしいところだ。その雰囲気から筆者はスラックスなどのキレイめのパンツでドレスっぽく合わせることが多い。またおなじみのクレープソールにヒールがついているのも見逃せないポイントだ。ベージュカラーが定番だが、筆者は大人っぽい雰囲気を出したくて、ダークブラウンをチョイスした。おそらくこれから先、年齢を重ねても履き続けるシューズのうちの一足だろう。

品のあるスウェードのアッパーに薄めのクレープソールが組み合わさった何とも言えないバランスが絶妙。ソールは通常、ガムソールそのままの色だが、ダークブラウンのアッパーと同じ色に塗られた仕上げも見逃せない。(筆者私物)

 

ローテクな機能として衝撃を吸収するクレープソール

クラークスのなかでもデザートブーツと双璧を成すモデルとして人気なのがワラビーだ。もしかしたら読者の方々も、ワラビーのほうに馴染み深い人のほうが多いのかもしれない。実はアメリカからの逆輸入で大ヒットを飛ばしたデザートブーツが登場したのが1950年。その後、1966年に同じくスエードアッパーにクレープソールを合わせたワラビーが登場したという歴史がある。モデル名の由来は、カンガルー科の動物であるワラビーがおなかの袋で子供を育てるように、足をやさしく包み込む履き心地から、その名前が付けられた。今でもデザートブーツ同様にブランドの顔として愛されている。

筆者も高校生の時、一番初めに手に入れたクラークスがワラビーだった。当時はアメカジ全盛だったので、甲部分のU字型のモカシン縫いがネイティブっぽい印象でデニムと相性抜群でよくデニムと合わせていた。実はこのモカシン型はプレーントゥに比べて足先の空間が広いため、長時間の歩行でもつま先が痛くならない。また当時としてはハイテクだったクレープソールも衝撃吸収に一役を買っていて、快適な履き心地を実践してくれている。

当時から履き心地がいいなと思っていたが、今履いてみるとスウェードのソフトな足入れ感とクレープソールは、大人になった今こそ実感できるものとなっている。またワラビーは現在でも進化を続け、靴内にGORE-TEX®を用いて、完全防水にするコラボモデルも登場しているし、ついこの前もシュプリームとクラークスのワラビーのコラボモデルが発売されたばかりだ。

とにかく、履いたことがある人はリピート買いするほど人気のクラークスの2モデル。履いたことがない人は絶対に履くべきだし、古臭いといわずに、今履いてみたら新たな魅力を発見できることは間違いない。敬遠せずに、履いてみることをおすすめしたい。

こちらのクレープソールはデザートブーツよりも厚いので、クッション性もお墨付き。ワラビーは定番のサンドベージュを選んだが、デニムはもちろんネイビーのチノパンやコーデュロイパンツなどとも相性良し。この履き心地の良さは、大人になった今だからこそわかる!(筆者私物)

 

STAFF CREDIT
Writing:Yasuyuki Ushijima

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