明日どこ行く? 何を釣る?
青い空×青い海! 南の島でフライフィッシング/奄美大島編
2020.02.17
奄美大島は100種類以上の魚をフライで釣る事ができる、フライフィッシャー憧れの聖地。狙う獲物によって難易度も様々だが、今回の本命は「クロダイ」だ。仲間(カヌー×キャンプ×フライフィッシング 道東/釧路川編)が北なら僕は南、暖かくて自然豊かな奄美大島で、目で魚を探して釣るサイトフィッシングにチャレンジしてきた。
フライフィッシャー憧れの地、奄美大島でサイトフィッシングに挑戦!
奄美大島に到着し、早々に海へと移動。今回の釣りのポイントに到着して、まず感じたことは、青い空と青い海、そして自然の美しさ。
普段東京で生活している自分にとっては全てが別世界で、11月下旬にも関わらず半ズボンで海に浸かっての釣り。海に入ると目の前には水平線が広がり、波の音が身体全体を包み込む。
そんな癒しの空間での釣りは、緑に囲まれて釣る渓流とはまた一味違った感覚で、いつしか時の流れも忘れてしまうほど、釣りに没頭してしまう。
フライを打ち込んでは歩く……の繰り返し
目で魚を探して釣るサイトフィッシング。釣り方は、ガイドさんがクロダイを発見して方向と距離を指示してくれるので、そこへフライを打ち込んでラインを素早く手繰り寄せると……クロダイが追いかけてきてフライに食らいつくので、あとはタイミングに合わせてフッキングをするといった感じ。
ただ、ここで注意したいのが、早アワセが厳禁なこと。なぜ早アワセが厳禁なのかと言うと、クロダイの口はとても硬く口の浅い位置では釣針がかからず、すっぽ抜けてしまうらしい。なのでアタリを感じたら少し速く餌が逃げるようにラインを手繰り寄せクロダイに深く食わせる必要があるとか。クロダイがフライを深く食らって反転し、走り始めたら強くラインを引きフッキングするのがコツというわけだ。
うーん……いつも釣っている淡水魚はアタリを感じたらすぐにアワセをすることが多いだけに、無意識に体が反応してしまいそうだ……。
ひたすら魚の影を探して海岸を歩き続ける。するとモワッとした少し盛り上がるような波を発見! なっ、なんと時々しっぽが見えている!! 岩の隙間や砂の中に潜んでいる貝やエビを食べようと悪戦苦闘している最中か!? 水中に潜っては浮き上がり、水中に潜っては浮き上がりの繰り返し。その姿は、まるでプールの授業で碁石拾いをしている子どものようだ。
当然、この獲物の横にフライを通過させれば、確実にフライに食いついてくるはず……より簡単に効率よく獲物を食べられる方を選ぶ、まさに野生の生き物の習性を利用するというわけだ。
素早く、それでいて慎重にフライをキャストしリトリーブ、するとフライに気づいたのかテイリングが止まり今度は背ビレを水面から出しフライに向かってくるのが分かる。
次の瞬間、糸を手繰り寄せている左手にゴツゴツとした感触が伝わり、フライに食らいついたことを確認(同時にフライを食った瞬間を目視でも確認できた)。手応えあり! しかし、早アワセは禁物……逸る気持ちを抑えて、魚が方向を変え横に走り始めたところで竿を立てフッキングし、きっちりと取り込みます。
大きな魚ではなかったので比較的簡単に取り込めましたが、最初の一匹を釣り上げたという嬉しさと安堵感で大興奮! 奄美大島にまできてボウズだけは避けたかったので(笑)
奄美大島でのサイトフィッシングを体験して
実際に奄美大島でのサイトフィッシングを体験してみて感じたことは、想像以上に釣りがしやすい環境だったこと。もちろん、ガイドさんの存在がとりわけ大きいわけだが、釣りを始めたばかりの人でも、楽しい釣り、そして時間が過ごせるはず。
釣りの難易度は上るが、釣果などは気にせず、改めて一人静かにこの南の島で一日のんびりと魚釣りをしてみたい……そのぐらい素敵な時間を過ごすことができた。
春になったらまた来よう、年に何度か来よう、そう思わせる奄美大島は、のんびりと自然の中に入りゆっくりとした時間を過ごすのに最高のロケーションかもしれない。
今回の釣りで感じたことを大切に、テクニックを磨きギアを整えて再び訪れたいと思います。
STAFF CREDIT
Photography:Hiroyuki Tomimori
Writing:Hiroyuki Tomimori