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STANCER(スタンサー)/後編

2020.02.08

スノーボーダーの間で話題のスタンサーを使ってスタンス角度&スタンス幅をチェックした前回。今回は実際にスタンサーが推奨するセッティングのパフォーマンスを雪山でテスト! スノーボードの乗り味が劇的に変わるのか?! 身をもって検証する。

遂に、この日がやってきた! スタンサーのパフォーマンスやいかに!?

スノーボーダーの間で話題のスタンサー。その診断能力のポテンシャルやいかに!

半信半疑でゲレンデクルージング!

雪不足でなかなかシーズンインできなかった2020シーズン。スタンサーのパフォーマンスを検証(体感)する日が遂にやってきました。

正直、ゲレンデコンディションがあまり良くはないけれど、逆にこういった雪面(滑りにくいコンディション)のほうが、よりその違いが如実に現れるはず。というわけで、まずはいつものスタンスでゲレンデを滑走! 可もなく不可もなく、いつも通りの感覚でコースを滑り降りる。

さぁ、いよいよスタンサーの導き出したセッティングのパフォーマンスを検証だ。スタンサーが導き出したスタンス幅、スタンス角度へとセッティングを変更し、いざゴンドラに乗って山頂へ。

コースに到着し、ブーツとバインディングを装着。ここで感じたことは、筆者は立ったままブーツとバインディングを装着するのだが、従来よりも、左足が外側を向いたことにより、板の上に立ちやすく=バインディングの装着が楽になった(日常で普通に立っている時の姿勢により近くなっているのだから当然か)。

スタンス幅については3センチしか変わらないこともあり、とくに違和感などは感じないが、やはり不安なのは左足(後ろ足)の角度だ。
従来のスタンスよりも、よりダックスタンス(Duck Goofy Stanec)になったセッティング。ボードを装着する直前まで、“絶対に違和感を感じるはず!”と思っていたのだが、実際に付けてみるとそんなことは一切なく、ボードを装着した感じは好印象。新しいセッティングにワクワク、ドキドキしながら、いざ滑走を試みる。

まずはバックサイドターンから。とくに何も変わらない……変な違和感もなく従来通りの感覚でターンができる。「乗り味どころか、何もかわらないぞ??? スタンサーさんよ!」と心で叫びながらフロントサイドターンの動作に移ったその瞬間、筆者の身体に衝撃が走った!

ボードのノーズが、すぅ〜っとターンしたい方向に切り込み始める。なっ、なんだ! このレスポンスの良さは!! あまりにもスムースな入り方にかなり動揺をしつつ、バックサイドターンへと切り替える。「うむ……バックサイドは変わらないなぁ」と言葉を発しながら、再びフロントサイドターンを試みると、やはり先程と同様に、スマートかつ従来のスタンスよりも、よりクイックにターンへと入ることができる。

上級者、中級者、初級者ゲレンデを一通り滑走して感じたことは、フロントサードターンのレスポンスの向上と、リカバリーのしやすさ。
荒れた雪面でもボードコントロールがしやすくなったし、カリカリのアイスバーンで、ターン中にエッジが抜けてしまい、バランスが崩れそうになっても、とにかく左足でリカバリーできるようになった。リカバリーできる幅(キャパシティ)が広がったという表現のほうが正しいかもしれない。

これは凄い。荒れた雪面を高速でかっ飛んだ時の安定感も抜群だ。スタンス幅が3センチ広くなり重心が下がったことが、この安定感に繋がっているのかもしれない。高速クルージング中に、ボードが暴れても、従来のように力いっぱい脚力で抑え込む必要もなく、ちょっと踏ん張るだけで乗り切ることができる。

スタンサー、なかなかやるな……。

◆現在のセッティング
Duck Goofy Stanec
スタンス角度:左足-3度、右足18度 スタンス幅:約52センチ

◆スタンサー推奨のセッティング
Duck Goofy Stance
スタンス角度:左足-12度、右足15度 スタンス幅:55センチ

信じたくない現実……スタンス(右足18度)を戻し、乗り味を再チェック!!

従来のセッティングとスタンサーが導き出したセッティングを実際に乗り比べ、あきらかにスタンサーの推奨するセッティングに好感触を得ていたが、それでも信じられないというか、現実を認めたくない筆者……。

スノーボードを始めて約30年、従来のセッティングで、日本各地、そして世界の山を滑ってきた自負がある。機械が導き出した数字より、長年親しんだセッティング(スタンス角度&幅)がベストマッチなはずだ! そんな自問自答をしながら再びゴンドラに乗り込む。

右足のスタンス角度を自分の理想と思える従来の18度に戻して(左足はスタンサー推奨の-12のまま)、同じコースを滑ってみる。荒れた雪面を高速でかっ飛ばす。左脚でのリカバーのよさは、いい感じ。でも、なーんかしっくりこない。
フロントサイドターンのスムースさは、スタンサー推奨には及ばなかった(身体が前を向いているからフロントサイドターンのレスポンスが悪くなるのは当然なんだけど)。

ただし、3度分上体が正面(ボードのノーズ側)を向くので、その分(3度分)バックサイド側の視界が開けて、いつも通りの安心&安定度ではあるが、いまいちこれだーって感じにはならない。
そこで、前足を18度、後ろ足を-9度にし、同じコースをもう一度、滑走してみるが、スタンサー推奨の乗り味に比べるとイマイチ及ばず……。

スタンサーのポテンシャルに驚きつつも、納得いくまでテストを繰り返す。

疑ってごめんなさい。スタンサー、やっぱりすげーよ!

再びスタンサー推奨のセッティング(左足-12度、右足15度)へと切り替えてのファーストターン、その瞬間、頭の中のモヤモヤが一気に吹き飛んだ!! フロントサイドターンのやりやすさ(カービングの切りやすさ)、エッジtoエッジの切り替えやすさ、ボードの乗りやすさが段違い。

スタンサーすげーよ。
疑って悪かったよ(苦笑)
そんな言葉を頭に浮かべながら、スタンサー推奨のセッティングで気持ちよく滑走していく。

合う合わないは個人差があるが、セッティングの目安ができるのは魅力!

スタンサーについて偶然、スノーボードのインストラクターと話す機会がちょっとだけあったが、彼はあくまでも目安に過ぎないと言い切っていた。
でも、目安でいいんだと思う。初心者にとって、ましてや右や左もわらかない初めてスノーボードをやる人にとっては、その目安がわかる、それだけだけでも良い指針になるはずだ。

あくまでも個人的な感想だが、スタンサーは侮れない。少なくとも、今回のようにゲレンデを普通に滑走するだけなら、筆者にとっては眼から鱗の結果となったからだ。

もちろん、滑走する斜面、雪の状況、乗るボードの種類、スタイルなどで、スタンス幅や角度は変わってくる。だからこそスノーボードのレベルアップを目指して、よりベストなセッティングを見つけることも重要なファクター。科学の力(データ)を参考にすることで、そのベストなセッティングにより一層近づける可能性も高くなるはず?!

世のスノーボーダーの皆さん、スタンサーの診断能力が気になるなら、一度試してみる価値はあり! だと思いますよ。

ゲレンデをフリーランで楽しむことだけに限定すれば、スタンサーの推奨スタンスにすることで、パフォーマンスが向上!?

 
STAFF CREDIT
Photography:H2O Style
Writing:H2O Style
Movie Photographer:H2O Style

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