トレンドに左右されない逸品たち
~ボクの相棒、それは永遠の定番アイテム~ 第8回
2019.09.27
酸いも甘いも経験してきたOVER30(オーバーサーティ)の男性であれば、それなりの審美眼も備わっているハズ。そんな世代の人たちにこそ読んで欲しいのがこのコーナー。『H2O Style』のスタッフ自らが実際に購入し、愛用しつづける逸品たちにフォーカスをあてその魅力をクローズアップ! 第8回はパラブーツ×ユナイテッドアローズのビットローファーを紹介!
コラボから生まれたモダンスタンダードなビットローファー
ビットローファーといえば、甲の部分にホースビットと呼ばれる馬具を模した金属飾りがデザインされたローファーのこと。発明したのは、イタリアのラグジュアリーブランド、「GUCCI(グッチ)」が最初だといわれている。今回紹介するのはパラブーツからリリースされたビットローファーだ。
ここで「あれ? パラブーツにビットローファーってあったっけ?」と思った貴方。かなりのファッション通とお見受けした。そうなんです、このパラブーツのビットローファーはユナイテッドアローズの別注アイテムというエクスクルーシブなモデル。それだけに、インラインにはないビットローファーというエレガントなアイテムが、パラブーツ謹製で完成したわけだ。厳密にいえば、このローファーという形も、ヒールのないデッキシューズタイプのモデルがベースになっているため、ローファーと呼べるかも怪しいところではあるが……。とにもかくにも、このビットローファー、筆者も発売当初は購入できなかった。メーカーやショップなどの業界関係者に頼むというパワープレーをもってしてもゲットできなかったので、相当な人気だったことがうかがえる。実は購入できたのは再販された時。それをもってしてもサイズ的に最後の一足だったので、相当な人気を誇っているモデルといえるだろう。
フラットなソールは歩きやすさも考慮される
ローファーは革靴なので、一応ドレスシューズというすみ分けをされているが、アイビースタイルに多く取り入れられたことから、個人的にやや子供っぽい印象があった。そのため革靴であるが、やはりフォーマルやビジネスの場では相応しくない……と敬遠されていた。だからこそ、ローファーをカジュアルなスタイルの中のドレスポイントとして取り入れることが多いといえる。もちろん、筆者もシアサッカーのパンツやデニム、そしてこれからの季節はショーツにも合わせようと考えている。
実は、筆者もひと昔前まではビットローファーを履くことに戸惑いがあった。1980年代後半のバブル当時に履いている人が多かったので、ややチャラついた印象があったからだ。もちろんシンプルなローファーに華美な金具がつくことにも抵抗があったのだが、初めて履いてみてその印象は激変した。しっかりと着こなしを考えればチャラついたイメージもなく、スタイルをかなり品のある印象に仕上げてくれたのだ。しかもこのパラブーツの逸品は、光沢感のあるガラスレザーを採用しているので、足元から色気も演出してくれる。
他のビットローファーと比べても、ヒールのないフラットソールなのでかなり歩きやすいのも魅力のひとつ。実はこのパラブーツとユナイテッドアローズのコラボは、スウェード素材のモデルや程よくボリュームがあるレイドソールを使用したものも登場している。機を見て手に入れたいが、やはり人気のため品切れが続いているため、また業界の裏の力を使おうと考えている。
とにかく、イメージでビットローファーに二の足を踏んでいた方には、是非、実際に履いてみることをおすすめしたい。きっとそのネガティブな印象は変わるはずだ。またオーバーサティなら、足元こそ大人っぽく魅せるビットローファーを選ぶべきだとここに提案したい。
STAFF CREDIT
Writing:Yasuyuki Ushijima