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H2O Style

大人no会社見学 LEATHERMAN TOOL JAPAN(前編)
~H2O Style読者にオススメのマルチツールを訊いてきた~

2019.01.09

多機能なマルチツールで知られる『LEATHERMAN』。USAポートランド発の同社製品を日本で販売している正規代理店が『LEATHERMAN TOOL JAPAN』だ。このたびH2O Styleは念願の訪問取材を敢行。H2O Style読者にオススメの製品を発表してもらった。

正規代理店は刃物の町にあった

『LEATHERMAN TOOL JAPAN』が位置するのは岐阜県の関市。歴史や地理に強い読者なら地名だけでピンとくることだろう。関市は刀剣の産地として700年以上の伝統を誇り、今もなお刃物づくりの盛んな町だ。


『LEATHERMAN』のマルチツールはほぼほぼナイフを搭載するが、初期モデル「PST」(冒頭写真)のナイフブレードを手がけていたのが、関市にある『三星刃物株式会社』。じつは「PST」は当時、日本各地でパーツの製造と加工が行われていた。そんななかナイフブレードの製造だけでなく、最終的な全パーツの組み付けとポートランドへの出荷まで担っていたのが『三星刃物株式会社』であった。

そうした縁で同社は『LEATHERMAN』の創始者ティム・レザーマンと強い信頼関係があり、共同出資により『LEATHERMAN TOOL JAPAN』が設立されたのだった。

岐阜県関市の『三星刃物株式会社』。1983年から1985年のプラザ合意後まで『LEATHERMAN』製品のナイフ部分と最終工程を担い、ポートランドに出荷していた。

『三星刃物株式会社』の敷地内に『LEATHERMAN TOOL JAPAN』がある。社員の菱川さん(左)と森谷さん(右)が応対してくれた。お二人にオススメ製品を発表してもらう。

ショールームを見学させてもらった。ショーケースに歴代のマルチツールがずらりと並ぶ。限定品も展示されており、ファンにはたまらない空間。

『LEATHERMAN』の原点「PST」。関市だけでなく日本各地で各パーツの製造と加工が行われ、メイド・イン・ジャパンだった時代がある。

 

オススメ製品TOP5を訊く

では社員のお二人に「H2O Style読者にオススメの製品TOP5」を紹介してもらおう。オーバー30でガッツリ趣味を持っていて、ギア好き……そんな男性を想定してもらった。

次から次へと惜しみなくサンプルを並べ、二人がかりで熱心に説明してくれた。

なおTOP5といっても、マルチツールの便利さはライフスタイルによって異なるので、5製品内で順列は付けられない。ただ徐々にマニアックというか、用途が絞られていく順番で発表してもらった。

 

#01
WAVE+(ウェーブプラス)
¥18,000+tax

※写真提供/LEATHERMAN TOOL JAPAN

『LEATHERMAN』を代表するモデルといえばコレ。マルチツールの世界は多種多様で奥が深いが、この「WAVE+」を購入しておけば間違いがない。「WAVE」は1998年に誕生したロングセラーだが、2018年にプライヤー根本のワイヤーカッターが取り替え式にアップグレードされ、製品名に「+」が加えられた。搭載ツール数は18、重量は241g。

『LEATHERMAN』内では「WAVEを超えるマルチツールを出せるかどうか」というのが課題であるという。それほどまでに完成されたモデルだ。

「WAVE+」をベースにグレードアップさせたモデルも存在し、3兄弟的なラインナップで展開されている。左から「CHARGE+ TTi(チャージプラスTTi/¥32,000+tax)」、「CHARGE+(チャージプラス/¥27,000+tax)」。高価ではあるが材質やツール数において相応の価値がある。

 

#02
OHT(オー・エイチ・ティー)
¥16,000+tax

※写真提供/LEATHERMAN TOOL JAPAN

NSN(ナショナルストックナンバー)を所得した、米軍御用達のガチなミリタリーツール。2012年に米軍に納入され、2013年から一般向けにも販売されるようになった。プライヤーがスライド式なので、本体を振ることで片手でも操作できる。そうしたOne Hand Toolであることから「OHT」と命名された。搭載ツール数は16、重量は281g。

実際にワンハンドで操作させてもらったが、コツをつかめば簡単にプライヤーを取り出すことができた。ハンドルの外側に機能を搭載するという、『LEATHERMAN』では珍しい構造を持っている。

 

#03
SIGNAL(シグナル)
¥23,500+tax (ブラック)

※写真提供/LEATHERMAN TOOL JAPAN

アウトドアで活躍するサバイバルツール。ファイヤースターターやハンマーといった、自然のなかで役立ちそうな特徴的なツールを搭載している。万が一のために救難ホイッスルまで備えており、防災アイテムとしても頼もしい。取り外し式のシャープナーを装備し、サバイバル状況下でもナイフの切れ味をキープできる。搭載ツール数は19、重量は213g。

軽さも当製品の特長のひとつ。アウトドア使用を想定して携帯性を高めている。ナイロンケースが付属するが、カラビナ機能を活用してワイルドに吊り下げたい(街なかではしっかり収納しましょう)。

 

#04
RAPTOR(ラプター)
¥13,000+tax

※写真提供/LEATHERMAN TOOL JAPAN

『LEATHERMAN TOOL JAPAN』内部でも不思議がられているという、売り上げ数が急上昇中のレスキューツール。USAでレスキュー隊員たちの要望を吸い上げ、シートベルトカッターやメディカルハサミ、酸素ボンベ用レンチなど人命を救うための機能に特化した。日本ではメディカルハサミの優秀な切れ味が口コミで広がり、売れている模様。搭載ツール数は6、重量は164g。

台湾では実際に起こった事故で活躍して注目され、制式のレスキューツールとなっている。日本でもぜひ採用してほしいところだ。

 

#05
MUT(マット)
¥32,000+tax

※写真提供/LEATHERMAN TOOL JAPAN

米軍の制式ライフルであるM16自動小銃をメンテナンスできるマルチツール。銃器分解パンチ、給弾不良を解消するためのボルトオーバーライドツール、銃内部の汚れを落とすブロンズ製カーボンスクレーパーなどを搭載している。日本人がM16をメンテナンスする機会はそうないと思うが、そういう理屈を超えたロマンが詰まっている。搭載ツール数は16、重量は318g。詳細は未確認だが、ある程度はM4カービンのメンテにも対応していることだろう。

銃器分解パンチはエアソフトガンのメンテでも役立ちそうだった。ミリタリー好き、サバゲー好きなら是非とも一考してほしいマルチツールである。

 

正規代理店は伊達じゃない!

以上、社員のお二人からH2O Style読者が興味を持ちそうな製品を挙げてもらった。王道のマルチツールに始まり、個性的でテンションの上がる製品が目白押しで、非常に楽しい会社訪問となった。

身振り手振りを交えた説明が秀逸な菱川さん。キャンプを趣味としている。

パネルまで用意して解説してくれた森谷さん。スポーツを愛するナイスガイだ。


このあと筆者は工場を見学させてもらった。今は工場でマルチツールに関わる製造をしているわけではないが、アフターサービスはその工場で行われている。正規代理店である『LEATHERMAN TOOL JAPAN』から購入すると、25年もの長期間に渡って無償修理を受けられるのだ。

『LEATHERMAN』で検索すると並行輸入品もたくさん売られているが、工場見学により、『LEATHERMAN TOOL JAPAN』を介して購入するメリットが浮き彫りとなった。後日公開の後編で、正規代理店から購入すべき理由を明らかにする。

協力:レザーマンツールジャパン株式会社
http://www.leatherman-japan.com/

 

STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba

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