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一畳菜園【第13回・リフォーム編】

2018.11.26

2018年、12回にわたって連載してきた「一畳菜園」。無事にジャガイモ、ミニトマト、トウガラシを収穫することができたが、菜園の木枠がボロボロになってしまった。そこで今回は約1.65平米のスペースをDIYリフォーム!

ペイントでごまかせる!?

春に開墾からスタートさせた「一畳菜園」、おかげさまで収穫は無事に行うことができた。しかし菜園を囲う木枠がカビ(?)で薄汚い状態に……。これではボロ状菜園である。しかし時間がないので、ペンキを塗ってごまかそうと考えた。

無色の防腐剤とガーデン用のペンキを買ってきた。いずれも水性で、「水性なら雨に弱いんじゃ?」などと思ってしまったが、乾いてしまえば防水性能が働くらしい。

「まあちょちょいとペンキを塗れば……」と楽観的に考えていたが、木枠をよく見るとペイントだけではごまかしきれないことが判明。木の板同士を連結させていたパーツが腐食し、バラバラになりそうな状態だったのだ。

雨ざらしの状態が合板に与えるダメージは予想を超えるものだった。今からでは防腐剤も役に立ちそうにないし、ペイントしたところでボロボロ感を消し去ることは難しい。

新しい木枠づくりスタート!

不正の発覚した企業は、たいてい初期対応にしくじっている。何とか隠そう、ごまかそうとして事態を悪化させてしまうのだが、正直、気持ちはわかる。「今後、腐っている部分は写真に撮らないようにして……」という考えも浮かんだが、潔く現状の木枠を諦め、作り直すことにした。

頭の中にあるぼんやりとした設計をもとに、近くのホームセンターで木材を購入。今度は腐りにくいよう、合板は使わないことにした。

一畳菜園の長辺は182cm。ちょうど木材がカットされて売られている長さなので、ラクチンだ。短辺用のパーツは半分にカットすればOK。

カットした部分をヤスリがけ。ささくれ立った部分から雨水が染み込むのではないかと不安に思い、なめらかにした。

四隅には杭を打ち込んで、木枠全体を地面から浮かせる構造にしたいと考えた。土に触れている部分を減らし、腐りにくくする。

とりあえずパーツの準備は完了……と思ったが、問題発生! 想定よりも棒が2本足りないのである。設計図も描かなければ材料のメモもしないスタンスが招いた事態だ。すかさずホームセンターに走って買い足し! DIYのコツのひとつに、「最寄りのホームセンターで材料を揃えること」を提唱したい。足りないものや買い忘れなど気づいたらすぐに買いに行けるのがその理由だ。

パーツを並べ、満足気に撮影しているときに棒が足りないことに気づいた。作業が進む前で助かった……。

腐りにくい木枠にしよう!

次は防腐剤を塗るわけだが、その前に、四隅の杭に加工を施すことに。杭はつねに土に触れることになり、どうしても腐りやすい。しかし表面を炭化させることで、腐りにくくなるのではないかと思いついたのだ。

SOTOのフィールドチャッカーで炙り、表面を焦がしていく。

軽く焦がす程度に炙るつもりが、真っ黒。ちょっとやりすぎたかも。

日暮れが迫るなか、全パーツの表面にまんべんなく防腐剤を塗っていく。無色なので塗りムラも気にせず、たっぷりとまぶしてやるイメージで行った。腐るなよ~。

リフォーム作業の初日はこれにて終了。一週間後に予定している次の作業日まで、軒先で防腐剤を乾燥させる。

そして2回目の作業日

一週間後、防腐剤につづいて今度はペイントを施す。ペンキにもまた水を弾き、木材を腐りにくくする成分が入っているらしいので、2重にコーティングすることになる。どれだけ腐食を恐れているのかって感じだが、木枠が薄汚くなるとテンションが落ちることを、2018年の活動を通して思い知ったのだ。

色はオリーブをチョイスした。我々世代ならみんな大好きな、量産型ザクのカラーにしたい。

乾くまで何もできないので、この日の作業はペイントのみ。塗りムラが目立つが、技術的にこれが限界。

いよいよ組み立て!

3回目の作業日、いよいよ準備してきたパーツを組み立てる。まずは古い木枠を取り除いて分解。そしてペンキの乾いた新しいパーツを軒先から運び出した。

半年以上、よくがんばってくれた木材たち。キャンプで薪にしようと思う。

オリーブ色にペイントされた新しいパーツ群。しっかり乾燥させてこの日を迎えた。

ここで力強い味方を紹介したい。世界的に信頼されている電動工具メーカー『マキタ』の電動ドライバーである。各パーツの連結にはビスを使用するのだが、手作業が億劫すぎて購入に踏み切った。ちなみにマキタのラジオやスピーカーは、キャンプ業界でも高く評価されている。

購入したのはビスを締めるための電動ドライバーではなく、予め穴を開けておくためのタイプ。今回のためだけでなく、他の用途も考慮して決めた。

たった一畳の菜園づくりに、ワールドクラスである『マキタ』の製品が導入された瞬間。ビスが通る穴をガンガン開けていく。

プラスドライバーを回すのは手作業で。木材の様子を見ながら、だいたいの勘で慎重に組み上げていった。

組み上がったら、ペンキの乗りが気になる部分に仕上げのペイント。DIYはペイントが絡むと、途端にかかる時間が増える。

生まれ変わった一畳菜園が完成!

太陽の光がオレンジ色を帯びるころ、新しい一畳菜園が完成した。こうして完成した状態を見るといたってシンプルな、簡単な構造の木枠ではあるが、合板不使用、2重の防腐ペイント、杭に施された炭化処理……と質実にこだわってある。

四隅の杭を埋め込んで木枠を設置し、一畳菜園のリフォームが完了した。ちゃっかり看板も新しくなっている。

新しい看板。本体と同じように2重にペイントを施し、脚部分には杭と同じように炭化処理を施した。

好みのフォントで文字を刷り出し、厚紙に貼って切り抜いた。「O」や「A」はステンシル風に工夫してある。

マスキングしてホワイトを吹き付け、ミリタリー風を狙ったのだが、これがなかなか難しく、文字のエッジがぼやけた部分も。

以上、20日以上にわたって取り組んだ木枠のリフォームをお伝えした。20日以上と言っても、乾燥期間もあれば予定があって動けない休日もあったので、実質的なトータルの作業時間は6時間ぐらいだろうか。仕上がりには非常に満足しており、「次の作物は何にしようか……?」とワクワクがこみ上げてきている。何か植えたらまたレポート記事を再開するので、どうぞお楽しみに!

畳と何とやらは新しい方がいいと言うが、一畳菜園も無事にリニューアルされた。さあ次は何を植えようか……!?

2018年のご愛読ありがとうございました!
来季の再開をお楽しみに!

 

STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba

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