世界にひとつだけの木製マグカップを作ろう!
2018.08.01
よさそうなモノや楽しそうな遊びに目がない『H2O Style』。今回、ホビー班のスタッフが注目するのは木製マグカップ「KUKSA(ククサ)」だ。なんともお洒落な木のカップを、なんと鎌倉で自作することができるらしい。
KUKSAって何だ?
北欧~ロシアにまたがったラップランド地方には、北方先住民・サーメ人が住む。そのサーメ人たちに古くから伝わる木製のマグカップが「KUKSA」だ。白樺のコブをくり抜いて削り出すという。贈られた人に幸せをもたらすという言い伝えがあり、北欧では結婚祝いや出産祝いの定番なんだとか。
日本のブランドが制作キットを販売中
そんな「KUKSA」の制作キットを手がけているブランドが、日本にある。京都のガレージブランド『SomAbito(そまびと)』だ。素材は日本らしくヒノキを使用し、予め削られている度合いに応じて初級、中級、上級とラインナップされている。記事冒頭のメイン写真がまさにそれで、左から初級~上級と並べて撮影した。初級は付属の紙やすりをかけるだけでもまあOK、上級はかなり削らないと手にフィットする形状にはならない。
実際に制作キットを削ってマイカップを作るべく、取材陣はいざ鎌倉へ。鎌倉にあるアウトドアショップ「UPI OUTDOOR 鎌倉」では、キットを買えるだけでなく、店内でナイフを借りて制作することもできるらしいのだ。
店内で「KUKSA」の制作体験
さっそく「KUKSA」の制作を体験させてもらうことに。挑戦するのはホビー班のスタッフ。『H2O Style』では燻製をやったり一畳菜園をやったりと、遊び人ポジションで活動している。そして指導してくれる先生は店長の横倉さん。ナイフの扱いや火起こしに長けた、アウトドアの遊び人だ。
まずは横倉さんにナイフの扱い方を教えてもらった。最初に教わった大原則は、ナイフを大きく動かさないこと。少しずつ削ることで失敗しにくくなるし、怪我の予防にもなる。
そしてナイフの動かし方だが、押すときは左手の親指を使い、引くときは右手を握り込むようにしてナイフを引き寄せる。
実際に削ってみよう
さあ、いよいよ自分で削ってみる。完成まで3~4時間ほどかかるらしいが、取材時間中にどこまで進められるか? ちなみに「完成」という状態は制作する人によってさまざま。口に当たる部分の薄さや取っ手のフォルムなど、どう転んでも世界にひとつだけのマグカップが出来上がる。では「KUKSA」作り、スタート!
思ったよりカンタンかも
ほんの10分ほどの作業で、カップはほんのりと丸みを帯びた。木工ナイフを初めて握ってコレなのだから、キャンプなどで頻繁にナイフを使っている人なら、もっと削り進んだことだろう。3~4時間で完成するというのは本当のようだ。
完成したらプレゼント
納得いくまで削り込み、クルミの油などを塗れば「KUKSA」は完成。出来上がったら大切な人にプレゼントしよう。木製なのでメンテナンスは必要だが、風合いの経年変化が楽しめるし、一生モノのアイテムとして喜ばれるはずだ。
以上、「UPI OUTDOOR 鎌倉」で扱っている「KUKSA」の制作キットをご紹介した。店内で削り始めた「KUKSA」は、スタッフが自宅で少しずつ削り続けている。完成したら『H2O Style』の公式SNSにポストするので、ぜひ仕上がりを確認してほしい。
「KUKSA」を削っている時間は、無心になれる。無心になっている時間とは、すなわちストレスが解消されている時間だ。最後に、取材中に横倉さんが発した何気ない一言を紹介して、記事を締めくくりたい。
「木を削る時間は、心の無駄な部分を削る時間でもあります」(横倉さん)
STAFF CREDIT
Photography:Takaaki Tsukahara
Writing:Minoru Akiba