一畳菜園【第4回・植え替え編】
2018.07.02
農業の知識もない、時間もない、しかし野菜の栽培をやってみたい……。スローライフに憧れる40代が、負担にならない面積と手間のかからない野菜チョイスで挑戦する「一畳菜園」。約1.65平米のスペースで野菜は収穫できるのか……!?
ポット組が順調に育ってきた
種からポットで育ててきたミニトマトとトウガラシの苗が、順調に育ってきた。そろそろ一畳菜園に植え替えようと、天気のいい休日、オーバーオールに着替えた筆者は畑へと繰り出した(庭に出ただけで到着)。
ミニトマトとトウガラシ、それぞれ4つのポットから、1/2の倍率をくぐり抜けた選抜ポットたち。選ばれなかったポットは玄関先やベランダで、プランターで育てられることになる。ちなみに撮影当時のホームセンターでは、もっともっと大きく育った立派なポット苗がすでに売られていて、それを買った方が無難に思えた。しかし「愛着ってもんが違うんだよ!」と植え替えを開始。
植え替え位置のアタリをつける
ジャガイモが生い茂る一畳菜園の半分弱、それがミニトマトとトウガラシのスペースとなる。しかし20日前に間引きしたというのに、ジャガイモの勢いは恐ろしいほどで、小さく、か弱い苗たちを植え付けるのが不安になってくる。
ジャガイモの葉が勢いよく広がっているため、空きスペースが予定よりも狭くなってしまった。そもそも本来なら、ミニトマトもトウガラシも、50cmは間隔を空けないといけないのだが……。
ジャガイモの葉が覆いかぶさるような場所に植え替えないといけない。思いっきり日光が遮られてしまうかもしれないし、もしも風で大暴れするジャガイモの葉が当たったら……と不安でならない。
苗たちが巣立っていった
ジャガイモの勢いは気になるが、とにかく植え替えはしないといけない。手で直径15cmほどの穴を掘り、ポットから取り出した苗を土ごとはめ込む。まるで我が子が巣立っていくような心持ち……と言うのは大げさだが、あの小さかった種が、ここまで大きく育ってくれたことに不思議な感慨があった。
庭先で畑作業、それも猫の額ほどの畑だというのに、わざわざオーバーオールに着替えて作業した。何事も気分が、テンションが大切である。
掘った穴に土ごと苗をはめ込んで、周囲に土をかぶせる。これで植え替えはあっけなく終了。たった4本なのであっという間だった。時間的に少々物足りない気もするが、この作業の少なさが一畳菜園のポイント。忙しくて時間がない日も来るからだ。
「大きくなれよ~」とたっぷりと水を。ちなみにジョウロは妻のガーデニング用のものだ。派手な彩色ではないのでそこそこお洒落ではあるが、カーキ色やミリタリー風味、ブラックで攻めた園芸アイテムがあれば、我々世代の男性にウケるのではないかと思う。
ジャガイモの猛威は紐で解決!
そよ風にプルプルとなびきながら、健気に立っている苗たち。犬や猫ならわかるが、植物に対して「可愛い」という感情が芽生えるとは思わなかった。種からやってきたからだろうか、40を越えた年齢のせいだろうか……ともかく苗は可愛い。
そよ風に震える可愛らしい苗たち。さあこの苗たち、特にミニトマトを暴れ者のジャガイモから守らないといけない。
ミニトマトの苗に覆いかぶさりそうなジャガイモの茎を一本、麻ひもで縛って逆方向に引っ張り、庭木に結んで固定した。これでミニトマトがなぎ倒されることはなさそう。
「もやい結び」という結び方で茎を引っ張っている。キャンプをやる人ならおなじみの結び方、「キング・オブ・ノット」と称される結び方で、引っ張っても輪の大きさが変わらない。
ここまで、まるで悪者のように書いてきたジャガイモだが、よく見たら花のつぼみができていた! ジャガイモにとって花はあってもなくてもいいので、エネルギーを使いすぎないよう、花を摘み取るといいらしい。しかし筆者は咲き乱れるジャガイモの花を見てみたいので、あえて咲かせる方向でいきたいと思う
一畳菜園に全作物がそろった
以上、ミニトマトとトウガラシの植え替えの様子をお伝えした。これで作物が勢揃い。大きさにかなりの差ができてしまってアンバランスではあるが、開墾から2カ月、やっとここまでこぎつけた。収穫が楽しみでならない。
開墾からちょうど2カ月たった一畳菜園。写真はベランダからのアングルである。筆者はフリーランスで在宅ワークなのだが、休憩時にベランダから畑を眺めると気が休まり、とてもいい気分転換になった。そんなベランダには、植え替え時に選抜されなかったトウガラシのプランターがあり、そちらもまた順調に育っている。
次回、ジャガイモの花に異変が……!?
STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba