一畳菜園【第1回・開墾&植え付け編】
2018.04.15
40代ともなると田舎暮らしや家庭菜園などスノーライフに憧れを抱く年頃だ。とはいえ、いきなり田舎へ移住というのは現実味に欠けるし、都会で広大な畑を用意するのは不可能に近い。そこで、思いついたのが庭先を利用した畳一畳分の家庭菜園。畳一畳分の畑で何が作れて、どのぐらい収穫できるのか!? 皆さんも一緒に観察していきましょう。
庭先に畳一枚分の小さな畑を!
40を過ぎてからというもの、野菜の栽培に興味を持つようになってきた。小さな畑を借りて野菜づくりを楽しんでいるシニア世代の気持ちが、ちょっとだけわかるようになってきたのである。そこで去年、ミニメロンと小玉スイカ、トマトにトウモロコシを栽培しようと挑戦したのだが、働き盛りの40代ゆえほとんど手入れできず、トマトが2つ成っただけの結果となった。
ならば、と考える。できるだけ手間の要らない野菜をチョイスすればいいのではないかと。負担にならない面積にすればいいのではないかと。マメに世話をする時間はない、水をやることすら忘れることもある、摘心って何? というレベルの知識……こんな最低の条件で挑戦する「一畳菜園」、スタート!
まずは一畳分の芝生を切りとる。一畳のサイズは畳の種類によって異なり、畳の世界はオーダーメイドも多いため一概には言えないが、一般的にはW1,820×D910mmとされている。面積的には約1.65平米だ。
芝生をはがしたら耕す、耕す、耕す! 鍬を持っていないので、スコップで土建のバイトを思い出しながらやった。土に若干の粘度があり、植物の栽培に向いていないことはさすがの筆者にもわかるが、芝生を剥がしてしまったのでもう引き返せない。
土には酸性とアルカリ性があるらしく、酸度が強いと野菜が育ちにくいそうだ。筆者の庭は油断すると雑草のスギナ(酸性土を好む)が生えてくるので、酸度が強くなりがちなことは知っていた。というわけで石灰をまいて中和。こうした土壌改良は野菜を植える1週間以上前に行わないといけないらしいが、すぐに植えても大丈夫なタイプの石灰もあり、ズボラな筆者は迷わず買ってきた。
石灰を混ぜ合わせた土に、今度は肥料を。作物によって適量があるそうで、とりあえずジャガイモに適した量を混ぜ合わせた。
そう、ジャガイモをメインに考えているのである。育ちやすい作物の代表格といったイメージがあるし、また植える間隔が20~30cmと狭くてもOKなので、一畳菜園にピッタリ! 同様に間隔が狭くても大丈夫らしいのが、ニラ。ジャガイモを6月ぐらいに収穫し、その後はニラを植えて二毛作を行う計画だ。しかしジャガイモ→ニラだけでは色気がなさすぎるので、トウガラシとミニトマトで華やかさを加える作戦である。
種芋を植えて水をやる。今後、ジャガイモに水をやる必要はないそうで、この植え付け直後すら水をやるべきではないという意見も。本当に手間のかからない、じつに優秀な作物である。しかもカレー、肉じゃが、ポテトサラダ……と汎用性も高い。収穫が楽しみだ(すでに成功した気でいる)。
トウガラシとミニトマトはビニールハウス内で。気温がまだ発芽適温に達していないのでビニールハウスでカバーしたつもりだが、気温の状況によっては室内に移すかもしれない。うまくいくかどうかはまったくわからないが、ハウスの可愛らしさは超絶に気に入った。ちなみにビニールは百均のゴミ袋。
以上で開墾と植え付けは終了……なのだが、これで終わりではH2Oらしくない。これから芝生が青くなってくるし、芽も出てくる。ちょっとは画になる一畳菜園にして、初夏を迎えたいと考えた。
ホームセンターで木材を買ってきた。一畳というサイズのメリットは、売られている木板がぴったりフィットするということ。ホームセンターを訪れた際に確認してほしいが、木板はたいてい1,820mmの長さで売られている。
2時間ほどの作業で木製フレームが完成、箱庭感がアップした。黒っぽい木やレンガなどを使ってもオシャレなのだが、『スノーピーク』の製品のような清潔感を目指して、白っぽい木材をチョイスした。これからもっとカスタムしていくかもしれない。
農業の知識もない、忙しい時期は本当に仕事しかできない……そんな40メンを代表して野菜づくりに挑戦してみる「一畳菜園」。この一畳のスペース内でこれからどんなことが起こるのか、楽しみでたまらない。
発芽編、収穫編、と続けていきたいので、これからしばらくお付き合い願います。
STAFF CREDIT
Photo&Writing:Akiba Minoru