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カナディアンカヌー作り第36回 ~2回目の外側FRPコーティング施工~

2021.03.08

カヌー工房のある名栗湖周辺は、やや標高の高い場所にある。山の天気は変わりやすというが、冬でも晴れれば穏やかな気候に恵まれることも多い。前回は最後のガンネルを貼り付けたが、今回は偶然にも晴天で気温が高い日だったので、クルーたちが好きな“あの作業”に行うことになる。

外側FRPコーティング作業に胸が躍る!

今回は冬にもかかわらず、無風で晴天という最高のコンディション。急遽、工房長の町田さんから「今日は気温が高いので、晴れている午前中のうちに外側FRPコーティングをやりましょう」という提案が! 大好きな作業だけにクルーたちのワクワクもとまらない!

前回は寒さと乾燥で、外側のガンネルが折れるという事故に見舞われた。今回は予期せぬ作業に取りかかるということで、クルーのテンションも爆上げ状態!?

◆午前中の限られた時間でFRPを施工する

第1回目の施工時は、ガラスクロスをカットするところから始まったが、今回は時間短縮ということで、町田さんがあらかじめ船体の大きさにクロスをカットしてくれていた。感謝です。

まずはコーティング樹脂液を作る工程から。ポリエステル樹脂液に対して硬化剤を100対1の割合で混ぜていく。

硬化剤を入れたら、素早くハケで混ぜていく。夏の気温が高い日だと、この樹脂液がすぐに固まってしまうが、本日はそんな心配もなし!

FRPコーティング施工開始! まずは船底の中央部分からガンネルにかけて塗り下ろしていく。こうして塗ることで、クロスがズレないのだ。

いくら冬とはいえ、直射日光が当たるのでFRPコーティングはすぐ固まってしまう。まさにスピード勝負。片側はクルーたちが、もう片側は町田さんにアシストしてもらう。

先端部分まで順調に塗り進めてきた。クロスにシワができてきたが、空気が入らないように気をつけながら作業を進める。

なるべくシワを伸ばしながら先端部分まで進めた。ここまで30分ほど経過。かなりスピーディな作業だった。

◆2度塗りでコーティングを厚くしていく

先端部分は、接岸時にぶつかることが多いため、カットしたクロスを重ねていくことでコーティングを厚くしていく。

角度が急な部分はクロスが滑り落ちるので、まずハケでコーティング液をたっぷり塗り付けることで先端部分にくっつけていく。

コーディングを厚くするため、2重3重にクロスを塗り重ねていく。

クロスを重ねているため少し凹凸があるものの、ここは研磨していくので問題ない。先端部分もうまくコーティングできたようだ。

塗り終わったら、少し乾かしていく。先ほど塗った部分が乾いたら、コーティング剤を重ね塗りしていく。

20分ほど表面を乾かしたら、重ね塗りを開始。光の当たり具合で、クロスの繊維が浮き出ている部分はコーティングが薄いとのこと。その部分は重点的に重ね塗りしていく。

午後は動画撮影を予定しているため、こちらの重ね塗りも町田さんが手伝ってくれた。

クロスを重ねた先端部分も再度、塗り直していく。ここまで補強しても、ぶつけることが多いのでコーティングがダメになってしまうらしい。丁寧に塗り直す。

中央部分は重ね塗りした部分、よく見るとコーティングが厚くなっている。むかって左側はまだ重ね塗りしていない部分。厚塗りするとこんなにも違うのだ。

作業を開始してから2時間ほどで、重ね塗りまで終了。午前中の日が出ているうちに直射日光に当てれば、乾きもはやくなる。すぐに乾けば気泡が入らない。

◆今日の作業はここまで!

完全にコーティングが乾いたら、表面の美しい木目が見えてきた。光沢感もあって厚塗りしたことが一目瞭然だ。

今回は急遽、FRPコーティング作業を進めることになったが、仕上がり的にも満足するものになった。次回からはクルーたちの鬼門でもある研磨を進めていくことになる。ただ今日は作業が一気に進んだ感覚があったので、程よい疲労感があるもののすっきり眠れそうだ。次回からの作業も丁寧に進めることを誓うクルーであった。第37回に続く。

◆作業の様子を動画でCheck!

 

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◆カナディアンカヌー作り
http://h2o.tokyo/tag/make_canoe/

 

STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai

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