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カナディアンカヌー作り第19回 ~内側の研磨でひと苦労~

2020.03.13

2020年のオリンピックイヤーが幕を開けた。昨年からはじまったカナディアンカヌー作りも19回目を迎える。作業自体も折り返し地点をすこし過ぎたあたり。前回は“竜骨”といわれる木型を外したことで劇的に軽くなり、カヌー然としたカタチになってきた。どんな作業が待っているのか心躍らせながら、クルーたちは作業へと向かう。

“しんどい”と聞きおよぶ内側の研磨に挑む!

前回、外側に張ったガンネルを元にして、削り作業に勤しんだカヌー制作。今回はいよいよ、内側にFRPコーティングを施すために、中の研磨作業にとりかかる。工房長の町田さんや、同じく工房でカヌー作りを手掛ける方たちが口をそろえて「内側の研磨は苦労する」という工程だ。

軽い気持ちで聞き流していたが実際にやってみて、こんなにもシンドイ作業だったかと思い知ることになる……。

木型がとれて、カヌーらしい形になってきた前回。今回からまた試練の研磨が始まる。

 

◆ディスク・グラインダーの重さが地味に腕にくる!

今日の作業は内側の研磨。杉材を重ねて作っているカヌー本体なので、外側同様に内側も段々になっている。この段を削っていくのが今回の作業となる。

まずは工房長の町田さんにどうやって削っていくかをレクチャーしてもらう。「削りすぎると穴が開いてしまうから注意!」とのこと。この後、この言葉が現実になるとは……。

今回のメイン工具はこちらのディスク・グラインダー。重量は2kg弱あるので、片手で持つとかなりの負荷となる。

内側の研磨は、カヌーの中に身体を入れるような姿勢が基本。これが見た目よりもかなりキツい。

ディスク・グラインダーも意外に重いのだが、片手での作業になるので、結構、腕に負担がかかるのだ。

しかも、内側の研磨は削った際に出る粉塵が、ダイレクトに顔や体に降りかかる。

2~3分の研磨作業をこなすと一瞬でこんな感じに。ゴーグルとマスクはマストなのだ。

カヌーの中にも粉塵がたまっていくので、まめにエアコンプレッサーで飛ばす作業も必要になってくる。そんなこんなで、悪戦苦闘していたらあっという間にお昼ご飯の時間に。

 

◆薪割り体験しながらも研磨を続ける

この日は冬の晴天。名栗湖の上空にもきれいな青空が広がっていた。気持ちよく午後の作業をスタートする。

何度もいうが、この体制はかなりキツい。10分ほど作業するごとに休まないと体がもたない。

撮影の合間にカメラマン金井も作業を手伝うが、かなり苦労していた。

苦労している様子を見て、工房長の町田さんが「気分転換に薪割りでもしてみませんか?」と声をかけてくれた。ありがたく薪割りをやらせていただき、これがいい気分転換になった。その様子はhttp://h2o.tokyo/2020/01/31/wood-cutting/でチェック!

気持ちも新たに、そのあとは黙々と作業を続けるクルーたち。あっという間に時間が過ぎていった。

エアコンプレッサーを使うと、こんなにも粉塵が舞うのだ。

 

◆今日の作業はここまで!

本日の作業は終了。凸凹だった表面がかなりキレイになったのだが……。

外側から見てみると、光が透けるほど削りすぎてかなり薄くなっている部分を数か所ほど発見……。作業開始時にかけられた町田さんの言葉を思い出す。これは後々、対策を取らないとヤバそうだ。

久しぶりに工房長の町田さんと作業後の一枚。今日は苦労するクルーを見かねて気分転換を持ち掛けてくれるなど心遣いをしてくれて本当に感謝しています。ありがとうございます。

作業後はカヌーを工房内へ運ぶのだが、木型が入ったカヌーはかなり重く、大人二人でも運ぶのにかなり苦労していた。だが、木型が抜けたカヌーは本当に軽く、大人二人なら片手で運べてしまうほど軽量に! 次回はディスク・グラインダーの続き、さらにミニサンダーでの研磨となるので、またもや試練の研磨が待っている……。次回、第20回へと続く。

作業の様子を動画でCheck!

 

STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima

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