退屈な日常にちょっとだけ刺激を!!

H2O Style

カナディアンカヌー作り第15回 ~試練の研磨作業 その1~

2020.01.10

前回、念願の第1回FRPコーティングを無事終えたカヌー作り。今回からは試練ともいわれているミニサンダーを使った研磨作業に入る。文字どおり、FRPコーティングをはがさないようにカヌー本体を磨いていく工程だが、かなり地道な作業だ。しかしこれを終えれば、カヌー作りもやっと折り返し地点が見えてくる。今回は第1回研磨の模様をレポート。

コーティングされたボディを根気強く磨く

カヌー作りのハイライトでもあったFRPを終えた前回。今回は久々に工房長の町田さんが指導役ということで、作業にも力が入る。前述しているように、ここからは凸凹になっているFRPコーティングの表面を磨いて、平らにしていく研磨作業に突入する。皆が口をそろえて「研磨は骨が折れる作業」という作業だけに気合を入れて乗り切りたいところだ。

金色に輝くFRPコーディング後のボディ。これを研磨していくとどんな表情を見せてくれるのか楽しみだ。

 

◆ミニサンダーを使ってひたすら研磨する

まずは久々に工房勤務のシフトだった工房長の町田さんが研磨をレクチャーしてくれる。横方向に円を描きながら磨いていくのが基本とのこと。

ミニサンダーは力を入れても削りすぎないので、しっかり力を入れながら磨くのが大事。

研磨した箇所は、このように白くなる。表面がツルツルしてきたらOKだ。

クロスが重なってコーティングした船首、船尾部分は表面が盛り上がっているので、ここはディスクグラインダーで慎重に削るとラクとのこと。ここも、まずは町田さんに実演してもらいつつ、作業にとりかかる。

ディスクグラインダーで粗削りするとこんな感じ。ディスクグラインダーは当てすぎるとコーティングがすべて剥がれてしまうので、うすくディスクを当てるのがコツ。

FRPコーティングの研磨では、研磨した粉がガラス成分を含んでいるため、ゴーグルとマスクは必須。

削りすぎないようグラインダーのディスクを慎重に当てていく……。

ディスクグラインダーのあとはミニサンダーで研磨。意外と根気のいる作業だ。

工房のアイドル、リンゴちゃんも時折、様子を見にくる。そんなこんなであっという間にお昼の時間を迎えた。

 

◆腕や手首に負担のかかるミニサンダーに苦戦

白くなっている部分が研磨した箇所。町田さんからのアドバイスで、ボディの片面を4分割に分けて研磨していくと、研磨済みとそうでないところが一目でわかるので作業がしやすいとのこと。さぁ、お昼ご飯も食べたし、研磨作業を再開だ。

ミニサンダーは当てるだけではだめで、押し付けるように力を入れないと磨けない。ボディが動かないように片手で押さえながら作業する。

カメラマン金井も撮影の合間を見ながら、黙々と研磨を手伝う。

ボディに研磨した粉がたまっていくので、まめにエアコンプレッサーで粉を吹き飛ばすことも重要だ。ミニサンダーの振動は想像以上に手に負担がかかるので、休憩をとりながら作業を続ける。

二人の動きがシンクロしているが、黙々と作業しているため気づかない。

作業日は曇りで不安定な天気だったのだが、雲の合間から太陽が顔を出し、幻想的な雰囲気に。

そんなこんなで作業を続けていたら、もう終了の時間になった。

 

◆今日の作業はここまで!

とにかく、無心で作業してこちら側は全面磨くことができた。ちなみに反対側は船首部分の研磨は終了しているので、なかなか良いペースで研磨作業を進めることができたようだ。

白くなっている部分が研磨した箇所。左側は一通り研磨することができたが、右側は見ての通りまだ全く研磨できていない部分がも……次回はこの部分の研磨から作業スタートとなりそうだ。

工房長の町田さんのチェックを受け、概ね問題ないとのこと。細かい部分も手を抜かず丁寧に作業することが美しいカヌーを作るポイント。焦らず丁寧に作業を進め曲線美がキレイなカヌーの完成を目指す。

作業終了後、恒例の1カットをパシャリ。力を入れながらのミニサンダーによる研磨は、その振動で腕に負担がかかる。気を抜くと腕が重いので、帰りの車の運転が不安だ。しかし黙々と作業し、約60%の研磨を終えたので、順調な進行といえるだろう。次もミニサンダーの研磨になるが、気を引き締めて作業に勤しみたい。次回の第16回へ続く!

作業の様子を動画でCheck!

 
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima
Movie Photographer:Ren Kanai

Contents RELATED