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H2O Style

カナディアンカヌー作り第13回 ~天候に左右されるFRPコーティング~

2019.11.04

カヌー作りのハイライトともいえるFRP(ガラス繊維強化プラスチック)コーディング。このコーティングを終えれば、カヌー作りもゴールまでの折り返しに近づいたといった具合。しかし、厄介なのがこの作業は当日の天気や湿気に大きく左右されるというところ。コーティング後の乾きが早い、夏の時期に1回目の作業を終わらせたいが、果たしてこの作業ができたのだろうか?!

湿気が高く第1回目のFRPは断念……

ガラス繊維が織り込まれたクロスでカヌーのボディを覆い、その上から樹脂を塗ってクロスを硬化させていくFRPコーティング。これをやることでカヌーの耐久性や防水性が高まるので、水に浮かぶカヌーにとっては必要不可欠な作業なのだが、先述したように湿気や天候に左右されるのが難点。前日から朝にかけて雨が降ってしまった今回は、いつもより、より湿気が高くコーティング作業をするにはまさにバットコンディション! というわけで、今回も泣く泣く作業を断念せざるを得なかった……。

前回はミニサンダーによる研磨に明け暮れたが、今回はカヌー本体とは別の作業にとりかかる。

 

◆今回はカヌーを漕ぐパドルを作成する

本日のFRPコーティング作業は湿気が多くて断念。そこで気を取り直して、今日はカヌーを漕ぐパドル作りに挑戦だ! まずは柄になる本体の材料選び。シングルパドルの柄の長さは地面から顎ぐらいまでの長さが目安となる。ブレード(水面を漕ぐ面)の材料も同時に選んでいく。これらの木材を接着剤でくっつけパドルを形作っていくのだ。

木材を並べてみる。なんとなくパドルの形がイメージできた。

接着にはエポキシ樹脂接着剤を使う。2つの液を混合して接着力を高めるのだ。

1液と2液を1:1の割合で混ぜていく。

透明に近い色になってきたら接着剤の準備も完了だ。

端材を使って、接着剤をうすく塗っていく。髪や服などにつくと大変なことになるので注意しながらブレード面から接着していく。

ハタガネで固定するのは最後だが、ある程度、接着剤が乾いてくっついたほうが作業がしやすいと判断し、ハタガネで固定しながら接着……という作業を繰り返す。

接着のコツは中央の柄の部分になる木材を中心に、左右をバランスよく配置していくこと。

ブレードの両端から順番に接着していく。

すべての木材を接着したら、ハタガネで固定。

続いては、ブレード面と逆側の持ち手の部分を作成。こちらもブレードと同じように接着剤をつけて固定する。

接着剤をつけたら、ハタガネで固定。

これで接着は完成。完全に固まるまで、このまま数日間放置しなければいけないので、本日の作業はここで終了。

 

◆メッツァ・ヴィレッジのカヌー工房にもご挨拶に

午前中で作業が終わったので、メッツァ・ヴィレッジにいる工房長・町田さんにご挨拶へ。話の流れから、カヌーに乗ることになった!

ライフジャケットを着てワクワクしながら、カヌーの発着場所である宮沢湖デッキへ。

カメラマン金井はカヌー初体験のため、町田さんが漕ぎ方をレクチャーしてくれる。いざ出港!

初めてのカヌーだけに、まっすぐ進むことさえままならず、苦戦するカメラマン金井。

先ほど(接着のみだが)作成したパドルを改めて注目すると、美しい木目と造形が見てとれる。こんなにきれいに仕上がるかわからないが、パドルづくりにも気合が入る。

ある程度カヌーを操れるようになって、ふとまわりを見渡すと宮沢湖の素晴らしい自然が目に飛び込んでくる。

カヌーに乗らないと見えない、カヌー視点の宮沢湖は美しい。

40分ほどの乗船を終えてデッキに戻り、町田さんとパシャリ。FRPができなくてモヤモヤしていた心をカヌーが癒してくれました。噂には聞いていたが、やはりFRPは天気との闘い。次の作成日までは天気予報とにらめっこになりそうだ。次回へ続く!

 

◆オリジナルTシャツ作っちゃいました!

お気づきの方もいると思いますが、クルーが毎回着ているTシャツ、実はH2O Style のオリジナルデザインなんです。カワイイでしょう(自画自賛)! かなり好評で、各所からちょくちょくお問い合わせもいただいているのが現状なのですが、調子に乗ってついに来春発売予定! もちろん発売情報はこちらのサイトでお知らせしますので、続報をお待ちください!

 

STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai、H2O Style
Writing:Yasuyuki Ushijima

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