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カナディアンカヌー作りに挑戦 ~第1回~

2019.02.08

アウトドアブームやDIYの流行によって趣味を持つOVER30も増えてきた昨今。趣味を広げようと次は何をしようか企み中の人も少なくないだろう。登山が好きな人は夏の沢登りに憧れ、キャンプが好きな人は釣りやサーフィンにトライしたくなりと、アウトドアは最終的にみんな水場が恋しくなるのではないだろうか? 逆にインドア派の人、趣味が全くない人は、マイカヌーを作って自分の趣味と世界を広げてみよう! ということで今回から埼玉県飯能(はんのう)市にあるカヌー工房さんに協力してもらいカヌー作りの連載がスタート。今秋の進水式を目指します!

今回お世話になるカヌー工房さん

情緒ある低山に囲まれた飯能に入り、針葉樹の峠を抜けると有馬ダム(名栗湖)が現れる。ダム湖沿いの道すがら絶滅危惧種のクマタカを写真に収めようと、バズーカのような長玉を構える方たちがちらほらいた。名栗湖近辺にはキャンプで何度も来ていたしカヌー工房の存在も知っていたが、一度も足を運んだことがなかった。
名栗カヌー工房は木製カヌー、木工品の製作教室の他、レンタル、販売、漕艇教室などを行うNPO法人だ。カヌーを通しての青少年教育や地域活動などを積極的に行っている。

名栗カヌー工房
埼玉県飯能市下名栗1817-9
営業時間/9:30~16:30
TEL:042-979-1117
建物は木のぬくもりと香りに包まれ、なんでもっと早くここへ立ち寄らなかったのかと後悔するほど居心地がいい。2階のテラスから名栗湖を見下ろすとバスフィッシャーが水面に遊んでいる。

 

◆早速カヌー作りスタート!

今回カヌー製作の指導にあたってくれる工房長の町田さん(中央左)、カヌー工房発足の立役者・山田さん(中央右)と気合も十分にいざスタート! これから製作するのは2~3人が乗船できる木製のカナディアンカヌー。

カヌー作り頑張るぞ~! というわけでメンバー全員で記念写真をパシャリ!

 

STEP1/作業工程の確認

作業工程を真剣に聞くクルー達。町田さんがわかりやすく説明してくれる。

この時点では本当にカヌーが作れるのか些か緊張していたが、町田さんをはじめ工房スタッフの温かい対応に心が和み、作業に集中することができた。

 

STEP2/芯材になべ型の方を取り付ける

本来は設計図を用いて型をコンパネから切り出す作業から入るが、今回は予め用意されていた材料を使用。

芯材に引かれた中心線に合わせながら、なべ型をセットしていく。

セットしたらクランプでずれないように固定。ビスを打って固定していくのだが「この時ビスをキツく締めすぎないというのがポイントです」と町田さん。この時はまだ理解できていなかったが言われたとおり、なべ型が少しグラつく程度に取り付けていく。

カヌーは家具などと違って必ずしもミリ単位で合わせる必要はないそうだ。大雑把すぎてもダメだが、細かすぎない程よいバランスで芯材をセットしていくのがいいとのこと。

多少ずれても大丈夫という言葉にほだされながら作業は進んでいく。

型が無事完成! まだ1工程おえたばかりだが達成感がある。ボディが組みあがったら最終的にはこのなべ型は外すことになるのだが……。

 

STEP3/船首と船尾の作成

次の工程は、15mm幅の檜材を4枚使用し船首(バウ)と船尾(スターン)を作ること。

バウとスターンはカーブが急な箇所があるため薄い檜材を貼り合わせて作るそう。

先ずは木工用ボンドで4枚を重ね合わせて接着。ヘラで満遍なくボンドを伸ばすのがポイント。

次に仮釘を使って固定。徐々にカーブがきつくなるので、急カーブ部分は釘のピンチを短くとることで檜材が折れにくくなるのだ。

この仮釘が意外と難しく、打ち方を間違えるとすぐに曲がってしまうのでコツを掴むまでたくさん失敗した。

仮釘も慣れたら簡単! 油断すると失敗するので気を引き締めながら作業を続行。片側が出来上がったら反対側も同じ工程を繰り返し完成! 最終工程に影響してくるので、ハミ出たボンドはしっかり拭き取るのがポイントだ。

 

STEP4/ボトムの中心線を揃える

幅27mmの杉材を中心を揃えながらガンタッカーで固定していく。

船底の真ん中部分にあたるので、ここでズレると後に響いてくる。カヌー自体が歪んでしまうので杉材がまっすぐになっているか確認しながら進める。

もし曲がっていたらなべ型を動かして微調整していく。先ほどビスを緩く閉めておいたのはこのためだった!

無事真っ直ぐにすることができた。バウ側から見て真っ直ぐでもスターン側から見ると曲がっているということがあるので、必ず両サイドから真っ直ぐかどうか確認するようにしよう。

続いて先ほど貼り合わせて固定したバウとスターンの檜材のハミ出た部分のカッティングだ。使用している材料は寸分たがわずというわけではないので作りながら微調整していくイメージだ。

 

STEP5/いよいよボディ作り!

ボディになるのはこの15mm幅の杉材。

最初の一本を水平線に沿いながら型に固定していく。ここでもガンタッカーや仮釘を使用。

この杉材一本では長さが足りないので途中で継ぎ足し。二本重ねて切ると切り口がぴったり合わさる! 固定する前にこの作業をしておくと地面で安定してカットすることができる。

バウとスターンの接地面は大きくなるようにノコギリでカット。接地面と杉材の長さを型に合わせるのが難しく、寸足らずになったりとかなり苦戦した。頭で理解するというより身体で覚える感覚だろうか。

今のところ高度な技術は特に必要なく、教えてもらう通りにやっていれば特に難しいところはない。1段目を両サイドとも型に固定することができた。

続いて1本目と2本目が重なる部分にボンドを塗り、同じように型に固定していく。

木材は色が赤っぽかったり節があったりと一本一本違う表情をしているので、出来上がりをイメージしながらバランス良く配置していくのがいいだろう。船体が逆の状態で作業しているが、当然水面から出ている上部(作業中は下段)が目立つ部分なのでそこも頭に入れて配置を楽しむのがコツ!

3段積んだところで第1回目は終了! ちょっとだけだがカヌーの形が想像できる!

 

◆今日の作業はここまで!

真剣に作業していたからか、あっという間にタイムアップ。作ったカヌーでバス釣りを楽しんでいる風景、船じゃないとたどり着けないまだ見ぬ景色を想像しながら楽しく作業させて頂きました。工房スタッフの方も気さくで頼りになります。今回は3人で作業していますが、一人で作業しに来てももちろん町田さんを始めスタッフがサポートしてくれるので安心だ。それでは第2回目に続く! お楽しみに!

10時30から作業を開始して、気が付けば16時。楽しくて集中していたせいか、あっという間に時間が過ぎていきました。

 

今回クルーが着用したのはザ・ノース・フェイス!

今回チームが着ているのはTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)のGore-Tex仕様のレインジャケットだ。270gと軽量な上パッカリングできるのでアクティビティーはもちろん、デイリーにカバンに入れておきたいアイテムだ。風によるバタつきを抑えたスリムなシルエットだがストレスなく動けるのでカヌー作りも捗った。

薄手なのにGore-Tex素材なので、防水はもちろん透湿性にも優れる。

付属のポーチにパッカブルできるので、幅をとらず旅行などにも便利なのだ。

 

STAFF CREDIT
Photography:Takaaki Tsukahara
Writing:Shoichi Yamada
Special Thanks:THE NORTH FACE

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