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燻製道楽2018秋 ~メスティンでやってみた(前編)~

2018.11.19

OVER30(オーバーサーティ)にオススメしたい大人の趣味「燻製」。BBQやキャンプの傍らでやっても楽しいし、煙が近所迷惑にならない環境なら、週末の午後などに自宅でビールを飲みながらやっても最高だ。今回はキャンプの定番ギア・メスティンを使って挑戦してみた。

富士を眺めながら燻製を

燻製道具を片手に富士山を望む――。特に意味はないが、今回は大げさな写真でスタートしてみた。富士山近くの湖畔で何をするのかというと、燻製ギアの試行である。trangiaのメスティンを燻製に使えないかと考えたのだ。

スウェーデンのアウトドアブランド『trangia』の「ラージメスティン」。メスティンとは「飯盒」の意。

WILD-1で¥2,500+taxで購入。懐かしの弁当箱のようなルックスに愛着が湧く。材質はアルミで軽量だ。

直接火にかけることができるので、このように炊飯等の調理を行うことができる。メスティンマスターたちは、創意と工夫でさまざまな調理に挑戦している。ちなみに写真は筆者がつくってみた「きのこの炊き込みご飯」。

trangiaの純正メッシュトレイ(左)も同時に購入した。本来は本体の底に設置し、蒸し料理などに使う。WILD-1でこのトレイを見て、燻製できるのではないかと閃いたのである。

燻製に使うために一工夫

メスティンは燻製を想定したギアではないので、工夫を施した。まずはアルミホイルで本体もフタもすっぽりと覆う。そしてメッシュトレイを“かなり浮かせて”設置した。

燻製の色がついてしまうと洗うのが大変なので、全体をアルミホイルでガード!

百均のクリップを使い、メッシュトレイを逆さまに、本体のふち部分に固定した。

準備完了。写真点数のわりに大したことはしていないが、自分のアイデアを形にするとテンションが上がってくる。

スモークウッドで卵とチーズを

スモークウッドを使って味付きゆで卵とチーズを燻製してみる。両者とも加熱調理済みの食材なので、色と燻製香を乗せることだけが目的だ。ガスや炭といった熱源は使用しない。

SOTOのシングルバーナーを使用してスモークウッドに火をつける。火をつけて、消して、くすぶらせるのがスモークウッドの使い方。

くすぶるスモークウッドをメッシュトレイの下に設置。メッシュトレイを浮かせたのはこのためだ。あとは食材をトレイに乗せ、フタをするだけ。

日常的に見かける食材なので、ラージメスティンのサイズ感がおわかりいただけると思う。百均クリップがフタのストッパーとなり、食材スペースにはそこそこの高さが確保される。

ゆで卵とチーズの出来栄えは?

フタを乗せて2時間程度、燻製した。熱源がなくても、スモークウッドがくすぶる熱だけで室内の温度は上がる。チーズがとろけてしまわないように、ときどきフタを外してチェック。

燻製中は湖畔でぼけ~っとして過ごす。もちろんビールを飲みながら。家族とも離れて過ごす、ひとりだけの時間。40代にもなるとこれが貴重だ。

順調と思われたメスティン燻製だが、どうも煙に元気がない。いつものように煙がもうもうと立ち昇らないのだ。おそらく室内の空気の流れが悪く、スモークウッドのくすぶりに勢いがないのだと思われる。

茶色がイマイチ乗らないまま、予定の2時間で燻製を打ち切った。長時間にわたって続ければ、強引に色と燻製香を乗せることができたかもしれないが、煙が出ないくせに室内の温度が高くなりがちなので、チーズが溶けてしまいそうだったのだ。

完成したゆで卵とチーズ。完成したとは言いにくい、恥ずかしい出来栄えである。いまいち色が乗っていないし、燻製香も弱かった。

以上、壮大な写真でスタートしたわりには、いまひとつの仕上がりとなったメスティン燻製。メスティンの底をドリルで穴だらけにすればうまくいくかもしれないが、買ったばかりなので踏み切れない。

しかしスモークチップで熱源を使えば、否応なくもうもうと煙が出るはずである。というわけで次回、メスティン燻製の後編!

※燻製は火気を扱うため安全には十分注意してください。また実際に試される方は自己責任でお願いいたします。

 

STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba

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