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H2O Style

燻製道楽2018秋 ~ソロキャンプで突発燻製~

2018.10.08

OVER30(オーバーサーティ)にオススメしたい大人の趣味「燻製」。H2O Styleでは2018年の春にやった自作ベーコンとローストビーフ&チキンの記事が公開されているが、この秋もあれこれ燻製して楽しんでみたい。今回はソロキャンプ中に突発的にやってみたトライアル燻製! ※燻製は火気を扱うため安全には十分注意してください。また実際に試される方は自己責任でお願いいたします。

ソロキャンプに燻製道具を

夏の間は暑すぎてやる気のしなかった燻製だが、朝夕が涼しくなるとともに、そろそろまた燻製をしたいと思うようになってきた。ちょうどソロキャンプに行く予定があったので、燻製するかどうかは到着時間に応じて決めるとして、とりあえず燻製道具を持って行くことにした。

キャンプ場に到着。まだ日中の気温が高いので、標高のある湖畔のキャンプ場へ。

一応持ってきた燻製道具。一式をSOTOの「スモーカー タープケース」に入れてある。

ケースの中身は折りたたみ式の燻製器に、スモークウッドとスモークチップ。燻製を趣味にすると、どうしてもSOTO製品を愛用することが多くなる。SOTOは日本でほとんど唯一、燻製にしっかり力を入れているアウトドアメーカーだからだ。

設営前に燻製をやることに

湖畔でひとしきり休憩したのち、「まあ日暮れまでは時間があるし……」と燻製することに。道中で買った食材をゴソゴソと漁り、「サバの一夜干し」と「生食用の蒸しタコ」を使うことにした。

湖畔でのんびり過ごしてもいいのだが、話し相手もいないソロゆえ暇になり、燻製をすることに。この風景を目の前にしてアクティブな気持ちになったのかもしれない。

燻製することにした食材は「サバの一夜干し」と「蒸しタコ」。タコの方はソミュール液(食塩水)に漬け込んだ方がいいのだが、そこまでの時間はないのでこのままGO!

ここで大変なことに気づいた。燻製器を設置できるグリル(焚火台)も、いつも燻製に使っている3バーナーも持って来ていないのである。つまり、熱源がない。「やるかもしれないし、やらないかもしれない」という曖昧な気持ちが招いた事態だ。

ゆで卵やチーズなど、すでに加熱調理された食材の場合は熱源は不要(燻製器の中に閉じ込めてスモークウッドをくすぶらせるだけでOK)なのだが、今回の食材は「サバの一夜干し」と「蒸しタコ」、これ以外に燻製して旨そうなものは買っていない。タコはともかく、サバはしっかり熱を加えないと危険だ。やっぱり燻製やめようか……。
しかしシングルバーナーなら持って来ているし、五徳もある。なんとか工夫してやってみることに。

シングルバーナー用の五徳を活用。脚が沈まないように木の板(キャンプ場で購入した薪)を敷いて、ペグで固定した。

五徳の上に燻製器を載せてみると、やや不安定ではあるが問題はなさそう。シングルバーナーを潜り込ませて熱源とする。

燻製サイトが完成。準備不足ゆえの急造サイトだが、これはこれでなかなかサマになっている。

食材を仕込んで燻製器へ

燻製サイトが完成し、食材の仕込みへ。ベーコンのように保存性を高める燻製をする場合は、前々から準備しておく必要があるが、今回は熱と煙でロースト調理したいだけなのでチャチャッと。食材の表面が濡れていると煙の成分が付着しにくくなるので、水分をしっかり拭き取ることにだけ気をつけた。

まずは食材の両面にまんべんなく塩を振る。しばらく放置すると水分が浮き出てくる。

表面の水分をしっかりと拭き取る。時間に余裕があれば表面が乾くまで乾燥させたいところ。

シングルバーナーを熱源に、スモークチップを使用する。燃え上がらないよう、火力調節には細心の注意が必要だ。

サバは燻製器のサイズに合わせてカット。どうしても下段の方によく熱が通るので、より熱を通したいサバを下段に。

 

燻製時間は100℃で1時間

スモークローストの場合、筆者が目安としている燻製温度&時間は「100℃で1時間」。もちろんこれは食材の大きさにもよるし、気温にも左右されるので、あくまでも目安である。それでは着火!

温度計を差し込んで、温度をこまめにチェック。バーナーの火力、燻製器の上蓋の開閉で温度を調節する。

燻製時のバーナーの火力は弱火が基本となる。当然、風には弱くなるのでウィンドスクリーンで対策を施した。

もうもうと立ち昇る煙を眺めながら、ビールを飲んでゆるりと過ごす。最高の気分だ……おっと、そろそろ寝床を設営しないと。

サバ燻とタコ燻が完成!

燻製器内の温度をちょいちょい確認しながらテントの設営をするうち、あっという間に1時間。途中、スモークチップは何度か燃え上がってしまったが、息で吹き消してなんとかした。出来上がりの色合いは上々。はたして味は……?

しっかり燻製の色も乗り、熱も通った。サバの方は味もバッチリで酒がすすむ! タコの方は塩気が足りず、やはりソミュール液に漬け込む等、前々から準備した方がよさそう。しかし醤油をつけて食べればOKだし、自分で燻製したものはやっぱり旨い!

サバ燻とタコ燻をいただきつつ、酒を呑んでゆったりと過ごした。シングルバーナーを利用、海産物をローストという2つの初挑戦を行ったトライアル燻製だが、燻製中の待ち時間は優雅だし仕上がりは旨かったしで、大満足!

最後にひとつ注意点を。今回使用したSOTO製の燻製器は、2バーナーや3バーナーを想定して開発されたもの。適さないガス機器を熱源として使用すると、燻製器からの輻射熱によりガスカートリッジが爆発する恐れがある。今回は突発的な燻製ということで自己責任で行ったが、燻製器とカートリッジの距離、位置関係には充分に注意した。間違っても「同じようにやってみよう」とは言えない方法であることをお断りしておく。

 

STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba

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