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気になる商品を買ってみた、そして使ってみた!!
DANNER LIGHT

2018.07.13

アウトドアブーツの金字塔「DANNER LIGHT」。随所に最上級の素材を採用し、今なおUSA、ポートランドでハンドメイドされている。そんなDANNER LIGHTを購入、実際にキャンプ等で履いてみた感想をレポート!

憧れのド定番を手に入れろ

「DANNER LIGHT」に限らず、『Danner』の製品には20代の頃から憧れを抱いていた。ディーラー網が充実しているためアチコチで見かけはするのだが、5万円超の価格にぐうの音も出ず、ひたすら憧れるだけにとどまっていた。しかし筆者ももう40代、世界的に評価されている“本物”を手に入れてもバチはあたるまい。大人キャンパーとして、「DANNER LIGHT」を履いてキャンプに行きたいのだ。
というわけでクレジットカードを握りしめ、公認ディーラーのひとつ『ABC-MART』へ。趣味用の靴に税込み約6万円は勇気が必要だったが、「一生モノだから」と自分に言い聞かせ、店員さんに声をかけた。買うぞ……ついに『Danner』を買うぞ……!

というわけで購入したマイ「DANNER LIGHT」。カラーはCEDAR BROWNをチョイスした。CEDAR BROWNは廃止されていたカラーのリバイバルで、40年近い歴史を誇る「DANNER LIGHT」の初期型の赤みを再現したものだそうだ。しかしこのフォルム、機能美というか伝統美というか、ド定番アイテムの風格が漂いまくっている。¥55,000+tax。

「DANNER LIGHT」のディテール

履いて歩きまわりたい気持ちをぐっと我慢して、まずはディテールを見ていきたい。さすがはアウトドアブーツの永久名誉定番、細部に最高峰のこだわりが散りばめられている。

シューレースには「GORE-TEX®」が刻印された金具が。「使用素材をそんなに押し出す?」とも思うが、これには理由がある。今でこそGORE-TEX®ブーティーを採用した靴は珍しくもないが、世界で初めて搭載した靴は「DANNER LIGHT」なのだ。

かかと部分にはMADE IN USAであることを示す刻印。ポートランドでハンドメイドされた証である。ネット上で見かける同製品よりも刻印が薄い気がするが、どうせ野山をガンガン歩きまわって小傷だらけになるので、気にはならない。飾っておくために買ったわけではないのだ。

シューレースホールの上から2つ目ぐらいまで、すっぽりと足を覆う構造になっている。GORE-TEX®ブーティーの防水性能もあり、くるぶしぐらいまでの深さなら、じゃぶじゃぶと水に入っても問題なさそう。

両サイドのファブリックにはCORDURA®が採用されている。CORDURA®とは米国INVISTA社の登録商標で、防水性と耐久性にすぐれたナイロン生地のこと。普通のナイロンに比べて7倍の強度を持つそうだ。

アウトソールはVibram®クレッターリフト。イタリアのソール専門メーカー・Vibram社のソールを採用している。GORE-TEX®といいCORDURA®といい、優秀な素材は躊躇なく外注で取り入れているのが「DANNER LIGHT」だ。

ソールは3層構造になっており、真ん中のソールがクッション性を担っている。ワイルドな外見の「DANNER LIGHT」だが、まったくもってゴツゴツとした履き心地ではない。レザーは「ウォータープルーフフルグレインレザー」。要するに防水レザーだ。

実際にキャンプで履いてみた

購入後、3回ほどキャンプに履いて行ったので、所感を述べたい。1年後にはまた違った感想が出てくるだろうが、ひとまず現時点での感想は次の通りだ。

Impression 1[ムレない]
GORE-TEX®は防水性能だけでなく、透湿性能(湿気を逃す性能)を持っていることがキモなのだが、これが優秀で驚いた。筆者がキャンプのときに5本指靴下を履いていることもあるだろうが、1日履き続けてもムレによる不快感はなかった。真っ先に言いたいのが、この「ムレない」という機能である。
Impression 2[悪路の歩き心地が秀逸]
クッションの効いたソールのおかげで、ゴツゴツとした感触はない。そしてクッション性以上に優秀なのが、足首のホールド感。もちろん足首が固定されるわけではなく、自由に動かせるのだが、なぜかしっかりと守られている感じがして、歩きやすいのだ。これは地面が凸凹しているほど強く感じられる。足をくじく心配がなさそうな感覚とでも言えばいいだろうか。各部の素材やソールの高さなど、絶妙のバランスで演出された歩き心地なのかもしれない。ちなみにアスファルト上など街なかでの歩き心地は、それほどでもない。
Impression 3[くるぶしの上が痛くなる]
歩いているうちにくるぶしの上がきゅう~っと痛くなった。ブーツ上部のフチが当たるためである。履き続けるうちに革が足に馴染み、また足側も慣れていって解決されることではあるが、一応、報告しておく。しかしタウンユースでもお洒落に決まる「DANNER LIGHT」なので、キャンプだけでなく普段から履くことができる。きっと早めに解決されることだろう。

足首のホールド感が頼もしく、道なき道での歩き心地が素晴らしい。石がゴロゴロとした河原など、足場の悪い場所を歩くのが楽しくなる。大げさでなく本当に。

経年変化を楽しみたい

気づかないうちに小石などがぶつかるのだろう、履くたびに革に小傷が増えていく。しかしちゃんと手入れしてオイルを塗り込めば、傷は“味”となる。ソールがすり減ってきたら交換することができるので、革の経年変化を楽しみつつ、いつまでもキャンプの相棒にしていきたいと思っている。

ダメージを与えたような記憶はなくとも、キャンプから帰れば小傷が……。しかしこのブーツはアウトドアブーツ、傷がありつつもピカピカに手入れされているのが理想だ。

一生モノの相棒になりそう

最後に、足幅について注意を。「DANNER LIGHT」の幅はけっこう狭い。筆者の足はギリシャ型なのでぴったりとフィットしたが、普段から幅広タイプの靴を選んでいる場合は、履き始めに苦痛があるかもしれない。もちろん、革が足に馴染むまでのほんの短期間の話だが。
というわけで以上、自費購入した「DANNER LIGHT」の使用感をレポートした。購入時に商品説明をしてくれた店員さんも履いているそうで、5年に一度ぐらいの頻度でソールを交換しているとのことだった。早くもソール交換が楽しみになっている自分がいるが、それくらい長く長く履き続けたいと思っているということ。「DANNER LIGHT」は一生モノの相棒になりそうだ。

防水性能を試すことは、もったいなくてできなかった(笑)。買ったばかりということもあり、どうか勘弁してほしい。

 

STAFF CREDIT
Photography:Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba

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