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自家製ベーコンをつくろう!【ロースト編】

2018.05.02

前回、「自家製ベーコンを作ろう!」をテーマに燻製のやり方を紹介した。もちろん実践してくれた人もいるだろが、きっとベーコンづくりに興味はあるが、下準備を面倒だと感じる人のほうが多かったことだろう。期間も長いし、工程が多い分、失敗するリスクも若干だが高い。そこで今回オススメしたいのがロースト。ベーコンのように日持ちはしないが、手軽で簡単な燻製である。
※燻製は火気を扱うため安全には十分注意してください。また実際に試される方は自己責任でお願いいたします。

下準備が面倒ならローストからはじめてみよう!


ここでは牛モモ肉と鶏モモ肉を使用してやってみる。どちらの肉もペーパータオルで表面の水分をしっかり拭き取り、牛モモ肉には塩コショウ、鶏モモ肉にはまぶして焼くだけの市販のシーズニングを施した。現地に行く途中のスーパーで購入した肉なので、前日から準備などはしていない。

青空の下、川のせせらぎをBGMに料理をしよう!

本日の厨房はこの河原! 筆者の自宅から高速道路を使って1時間半、すばらしいロケーションである。以前はもっぱらベランダや庭先でやっていた燻製だが、最近は気持ちのいい燻製場所を求めるようになってきた。この日のアイテムは燻製器と焚き火台のみ。


肉をセットし、スモークウッドをくすぶらせる。熱源は着火しやすい成形木炭だ。燻製器の真下にある炭の数により、燻製器内の温度を調整する。ローストの場合は「100℃で1時間」が筆者の目安だ。

残念ながらキャンプ不可の河原なのでノンアルコールビールを。気持ちのいい場所で煙を眺めている……という状況のおかげか、ノンアルでも満足度が高い。

1時間後、肉に火が通り、見事に燻製の色が乗った。ここまでやった工程といえば、「スーパーで肉を買う」「水気を拭き取って塩コショウ等」「スモークウッドと炭に着火」だけである。もちろん燻製中の温度には気をつけたが。

「肉を食っている感」を強烈に味わえるローストビーフ。薄く切り分けるのが定番だが、ナイフで切り落としながら、ワイルドに食べると贅沢かつ何だかカッコいい。このときは塩コショウのみでつくったが、好みのスパイスを追求しても楽しい。

こちらはローストチキン。市販のシーズニングを使用しただけあって、安定の美味さとなった。鶏モモ肉の皮部分が苦手という人も多いと思うが、というか筆者がそうなのだが、このローストなら皮がパリパリになって美味しくいただける。

燻製スキルがモテ偏差値をアップ! そんな時代がきっとくる!

燻製器を使ったロースト調理は、仲間や家族とのBBQのときに、炭焼きと並行して行うことができる。BBQ開始から1時間後、脂の落ちた燻製香のする肉は、新鮮な食感と風味で喜ばれることだろう。余談だが、燻製の人気はむしろ女性の間で高い。いつの日か燻製がモテスキルになり得るのではないかと、筆者は睨んでいる。

近隣の迷惑にならなければ、ベランダでだってできる!


ある休日、昼ビールでも楽しもうかと、ゆで卵と手羽中を燻製することに。表面の水分を拭き取って、2時間ほど風に当てる。もちろんベーコンと同じように冷蔵庫内で乾燥させてもOK。個人的にはローストの場合、ペーパータオルでよ~く拭き取るだけでもいいのではないかと思っている。

ローストビーフと同じように、100℃メドで1時間ほど燻製する。スモークチップを使用しているが、筆者は「熱源の火力調整がしやすい」「100℃で燻製する」という条件がそろった場合にのみチップを使用している。チップは熱源の熱によって鉄皿上で炙り、くすぶらせて使用するのだが、火力調整に失敗して炎上させてしまったことが何度もあるからだ。またチップを炙りながら70~80℃をキープするのはかなり面倒くさい(100℃なら簡単)。

1時間後、燻製器を開けると美味そうなきつね色の親子ローストが完成していた。この1時間に何をやっていたかというと、ベランダでボーッとしながら、すでにビールを飲んでいた。最高の休日である。

ゆで卵は前日からつけ汁(市販のめんつゆでOK)に漬けておくのが定番だが、あえて塩を振るスタイルで。手羽中はローストチキンと同様に皮がパリパリ、中はほどよくジューシーで、来客時のおもてなしに使えそうな出来だった。

燻製が趣味って、どうですか?

以上、2回にわたって2018年春に行った燻製の様子をお伝えしてきた。この記事を読んで自分も「やってみたい」と思っていただけたなら幸いである。自作した燻製食品は、市販品では味わえない美味さと満足感があるし、燻製をしている時間そのものにも価値がある。もし燻製をはじめてみたら近い将来、当記事に対して「そういやあの記事、ベーコンに塩しか使っていなかったな」「冷燻、温燻、熱燻っていう基本的な用語も出てこなかった」といった感想を抱くかもしれない。もしそうなってくれたら最高だ。
筆者は燻製をはじめたとき、ネット上のいろいろな意見や主張、必要とされる知識、はじめて聞く用語に混乱したものだった。しかしそれらは「とりあえずやってみて」から吸収すればいいだけの話であった。だから当記事はできるだけシンプルに、やってみたいと思ってもらえることに主眼を置いて制作した。「いやいや、わかりにくかったし混乱した」とのご意見があれば、力不足を詫びる他ない。
ともかく、燻製は楽しい。一度きりでやめてしまった人を見たことがない。どうか火の扱いに注意して、燻製趣味をスタートさせてほしい。

STAFF CREDIT
Photography:Natsumi Kakuto、Minoru Akiba
Writing:Minoru Akiba
Special Thanks:新富士バーナー株式会社(http://www.shinfuji.co.jp/soto/

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