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寒い時期こそ機能性で選べ! 高機能ジャケットの選び方!!

2022.12.19

今年の冬は、12月から一気に寒くなる厳冬予測だそうだ。さて、そんな時期を快適に楽しむ為に、機能重視でアウトドアウェアに手が伸びる方も多いのではないだろうか? そこで筆者の主観も交えながら、この冬のジャケットの選び方をご紹介する!

ダウン(羽毛中綿)と化繊中綿は「素材として」どう違うのか?

寒冷下で人が活動する時、熱源は平均36.5℃の体温だ。これを冷気から断熱して、ウェア内の空気(デッドエアと呼ばれる)を体温に近く保つ。これが、野外に於ける基本的な保温法だ。
これを念頭に置いてのアウター選びとなるわけだが、この10年でメジャーになったダウンウェアはもちろんだが、様々な素材メーカーが技術革新を起こし続けている化学繊維中綿のミドルウェアにも注目したい。

ダウンは、軽くて保温性が高いと広く認知されている(実際は更に、断熱性も担う)。デメリットは高品質=高単価になる事、湿気ると保温性が落ちる事、羽根抜けなどがある。今ではアウトドアメーカーだけでなく、アパレルを始め量販店等、多くの選択肢がある。

一方で、数多くの繊維メーカーが凌ぎを削る化繊中綿は、ポリエステル等の化学繊維を使用し、様々な機能を作り出せる素材だ。
例えば、高い保温性と、通気性も併せ持つ素材や、中まで濡れても保温性が落ちず、更に超速乾の素材などがある。あまりにも多様な機能がそれぞれにあるので、利点欠点が言いづらいが、押し並べて、経年劣化でヘタるのが現状でのデメリットと筆者は感じている。大きな利点は簡単に洗濯できる事だ。因みにひと昔前と違い、ダウンより安いのが化繊という訳ではない。革新的で高機能は、安価に生み出せないのだ。

保温の度合いを選べる時代だからこそ、化繊ウェアをお勧め!

さて、ウェアの種類はというと、内包する綿(羽毛)量によって、保温レベルが選べるのが現状だ。特にダウンに関しては、薄手のインナータイプと、重量級のアウタータイプの少なくとも2着は持っている方が多いのではないだろうか。
これを踏まえた上で、冬をより快適に過ごせる様に、筆者は化繊中綿のミドルウェアを取り入れる事をお勧めしたい。合わせて、筆者の使い方を紹介するので参考にしていただければ幸いだ。

どんなシチュエーションで、どう着るか?

冬になると暖かさを考慮するあまり、ダウンを着て汗だくになっている人が多いな……と感じる。寒さ対策に防寒対策をした結果、汗だくになっていては本末転倒。そこでお勧めしたいのがアウターとミドルウェアを組み合わせたコーディネートだ。

実際に筆者の経験談をもとに、ほんの一例を紹介すると、ある年の1月。義理の両親が待つ京都帰省、富士山麓でのキャンプが立て続けに決まった筆者。両方寒いのは決まっているが寒さの幅が極端に異なることが想定される。手荷物が限られる中、持って行くウェアを考え始めた。

◆京都帰省
1.新幹線など長時間の移動があるので保温性が高すぎると汗をかきそう
2.市内散策時に屋外←→屋内の出入りが頻繁にあるが、屋外でじっとしている事は無そうだ
3.義理の両親に会うから見栄えも大事! デザインやカラーなどは派手になりすぎずオーソドックスな方が良さそうだ

◆富士山麓での冬キャンプ
1.車での移動時は寒くはないが一歩外に出ると極寒
2.設営撤収以外は寒い中でジッとしていることが多そうだ
3.現地についてから、体を動かさない時間帯も暖かく過ごしたい

これらを考慮し、最終的に選んだのはミドルウェアに化繊中綿の薄手カーディガンタイプ、アウターに重量級のダウンコートとウールコートの組み合わせだ。
このコーディネートなら新幹線などの移動時は化繊中綿のミドルウェアだけで暖かいし、暑くなりすぎることもない。化繊中綿のミドルウェアは薄手のためインナーダウン的な感覚で使えるので、冬の京都市内ならウールコートの下に着ることで寒さ対策は万全。見た目もスッキリ! 義理の両親にも好印象を与えることができる!?(笑)
さらに富士山麓でのキャンプ用に重量級のダウンコートをチョイスしたことで、現地についてから、このミドルウェアの上にアウターを羽織ることで体を動かさない時間帯も暖かく過ごすことが可能なはず。

実際、この使い方で新幹線の中で汗をかく事はなかったし、キャンプ場は雪が残っている状況でかなり寒かったが、快適に冬キャンプを楽しむことができ、まさにウェア選び大成功の冬行事となった!

寒い冬、ダウンウェアなどのアウター選びも大切ですが、化繊中綿のミドルウェアを1枚持っているだけで劇的に快適さが変わる! 年末年始のお出かけに購入を検討されてみては?

冬のキャンプは寒さを楽しむもの。ジッとしている事が多いと体温が上がらないので、重量級のダウンをチョイス。電車の中でこれを着ていたら汗だくだが、キャンプ場では着っぱなしになった。

こちらは化繊中綿のカーディガンタイプ。保温性と適度な抜けがある。その為、長時間の移動でも暑くも寒くもならない。ダウンウェアを越えた化繊中綿ウェアの一つと、筆者は考えている。

化繊中綿カーディガンの上に、ウールコートを羽織って義理の両親の元へ。世にいうインナーダウンと変わらない厚みで、膨らみが無い為重ね着でモコつかない。義理の両親も妻も笑顔。家庭円満にも一役買う?

 

杉山 亮一/アウトドア・ナビゲーター
アウトドアブランドで培ったノウハウや経験を生かし、アウトドア・ナビゲーターとしてこの夏、活動をスタート。週末は季節を問わず、家族や友人たちとキャンプや登山に出掛けるなど根っからのアウトドアフリーク。キャンプギアへのこだわりは人一倍強いが、実は服や時計、靴に鞄とモノ全般を愛するモノ&ギアオタクでもある。

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