クリエイターの嗜好品
~スノーピーク表参道 杉山さん~ 第4回
2019.05.31
誰しも、お気に入りのモノがひとつやふたつはあるだろう。だからこそファッション業界で働く、デザイナーやプレスなどのクリエイターたちがどんなものを選び、愛用しているかは気になるところだ。今連載“クリエイターの嗜好品”ではタイトルどおり、毎月、ファッション業界で働く人々の、これぞという嗜好品をその人の目線から語っていただこうと思う。第4回は新潟・燕三条発のアウトドアブランドとして人気の「Snow Peak(スノーピーク)」の表参道でショップマネージャーを務める杉山さんのお気に入りを紹介していきます。
自分のスタイルに合わせれるユーティリティなアイテムが好み
厳しい自然での検証に裏打ちされたハイスペックな製品がアウトドアやキャンプ愛好家から高い支持を得るスノーピーク。その中でも、アパレルの旗艦店という位置づけで2015年にオープンしたスノーピーク表参道でショップマネージャーを務めるのが杉山さん。お話を伺っていると、アウトドアウェアやギアに関する知識が深く、プロダクトに関してわからないことも丁寧に説明してくれる。杉山さんがどういった経歴を歩んできたのか気になったのでそれを聞いてみた。
「最初、誰もが知る大きな外資系アパレル会社に入社しました。そこで20代半ばぐらいで管理職になりました。そこからその外資系アパレルをやめて、友人の喫茶店を1年ぐらい手伝いつつ、御徒町にあるアウトドアショップで働くことになったのです。そのショップはアウトドアだけでなく、自転車もランニングもダイビングもいろいろなプロダクトを展開する提案系のアウトドアショップだったので、すごく楽しかったし、提案する側なのでより商品についても詳しく知るようになりました。そのショップではインポートでもメジャーな老舗アウトドアブランドも取り扱っていたので、もちろんそのブランドに触れることで、ブランドや商品の魅力もわかるようになっていきました。そこからまた国内大手のアウトドアメーカーに転職して、それを経て今に至るという感じです」
杉山さんはキャンプにも造詣が深い。それに関しても伺ってみた。
「アウトドアブランドのウェアやギアに触れてきたこともありますが、実は子供の頃から22~23歳ぐらいまでずっとボーイスカウトをやっていました。そのため小学生の頃から、夏はよく野営をしていましたし、キャンプが身近なものだったんですよ。だから来るべくして、スノーピークに来たという感じですね。ただ、スノーピークに入社した時は、子供も生まれたので一人キャンプではなく、ファミリーキャンプに移行する時期でした。手前ミソではないですが、スノーピークの商品は家族とともに野遊びできるギアやアパレルが多いのでアウトドアに関する概念も少し変わったような気がします。これからも家族で快適に楽しめるキャンプを突き詰めていきたいですね」
さまざまなショップやメーカーで研鑽を積みつつも、しっかりとした軸はブレずに今まで歩んできた杉山さん。家族と共に過ごすキャンプを探求していくことで、杉山さんの新たな知識が増え、ショップでの対応にもフィードバックされていくことは間違いない。
●Snow Peak Apparel(スノーピーク アパレル)タキビベスト
“パックベスト”という概念を世に知らしめた先駆け的なアイテム
●BARBARIAN(バーバリアン)のラガーシャツ
動きやすくて生地も厚くアウトドアにもフィットする
●PaaGO WORKS(パーゴワークス)のザック
荷物を入れ込むのではなく固定するだけなので荷物が一目瞭然
杉山亮一(スギヤマ リョウイチ)
スノーピーク表参道ショップマネージャー。アウトドア系のセレクトショップやアウトドアメーカーなどを経て、2015年にスノーピークに入社。以後、ショプマネージャーとして、ショップを切り盛りするほか、キャンプイベントなどにも参加し、アウトドアの楽しさを伝えている。愛息のお弁当も手作りする子煩悩な一面も。
STAFF CREDIT
Photography:Ren Kanai
Writing:Yasuyuki Ushijima