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H2O Style

カヌー×キャンプ×フライフィッシング
都心から4時間の道北で極上のリバートリップを満喫 Part2

2018.12.07

雄大な道北の景色の中、天塩川を下りながら、やりたいことだけをのんびりと。OVER30(オーバーサーティ)の気ままな道北のリバートリップ2日目。ガイドの辻亮多さんの元、はたして目的のワイルドレインボーには出会えるのか?

幻想的な朝霧の中から始まるリバートリップ

朝、朝露で濡れたテントから這い出すと、一面の朝霧が広がっていた。ピリリと頬に突き刺さる朝の寒さが心地よい。さっそく散歩がてら近くの瀬でフライをキャストしてみるが、魚たちは寝坊気味なのか一向に当たりがない。気づくと朝靄に遮られた朝日がやわらかな光となり水面に反射していた。まぁ魚にはちょっと見放されたが今日も天気は良さそうだな、などと思っていると辻さんから朝食に誘われた。

見渡す限りの霧。視界は100mもなさそうだ。テントの朝露を指で弾き、早速付近を散歩してみる。

蜘蛛の巣にも朝露が。家主が見当たらないが朝の散歩にでも出かけたのか?

徐々に霧が晴れて靄になってくる。出発を待ちわびる真っ赤なカヌーがここでもよく映える。

山陰から日が昇り始めると、あたりのコントラストが徐々に強くなってくる。

もちろん朝食は辻さんに任せ。この毎回の食事もガイドツアーの楽しみのひとつである。

辻さんと数々の旅に出たであろう使い込まれたランタンが夜の役目を終え朝日に照らされる。

朝靄に囲まれながら幻想的な景色の中でのフライフィッシング。残念ながら魚たちよりも早起きしすぎたようで、あたりはなし。

キャスティングする手を休めて、刻々と遷り変わる目の前の光にしばし見とれる。

昨日集めた薪はすべて燃やし尽くし、消し炭すら残さない。流石のネイチャーガイドである。

 

バディとの一体感、カヌーならではの醍醐味

腹ごしらえしたのち、テントをたたみさっそくカヌーを漕ぎだす。さすがに二日目ともなるとカヌーの乗り方、漕ぎ方もだいぶ様になってきたように感じる。もちろん上手く操舵できているのは後ろで辻さんが舵を取っていてくれてるからなのだが。この信頼関係こそがカヌーの醍醐味なのであろう。今回は自分ひとりのオーダーツアーなので辻さんとバディを組んだのだが、複数人数での参加の場合は参加者同士で自らカヌーを操る。気心が知れた友人と、長年連れ添った妻と、将来を誓った恋人と、可愛い息子と、はたまた旅先で初めて出会った旅行者と……きっとカヌーなら登山やトレッキング、キャンプとはひと味違った旅が味わえることだろう。

舟先を北に向けいざ出発! 果たして今日はワイルドレインボーに出会えるのだろうか?

獲物を探しているのだろうか? ミサゴが旋回していた。猛禽類特有のシルエットがかっこいい。

雲ひとつない大空を飛ぶミサゴ。今度来るときはドローンを持って来て上空からの景色も見てみたい。

秋晴れの空のもと、この景色を貸切でキャスティング。釣れなくてもまぁいいか、そういう気分にすらさせてくれる。

低空を悠々と滑空していくオジロワシ。翼長2mオーバーともいわれるその姿は間近でみると流石にデカい。

猛禽類は飛んでいる姿もいいが、木に止まっている姿が最もカッコいいと思うのは自分だけではないはず。

舟先を支流に向ける。天塩川には多数の支流があるのだが、むしろこちらのほうが自分には釣れそうな気がする。

 

ついに待望のワイルドレインボーと対面!

さて、カヌー×キャンプ×フライフィッシングのリバートリップも後半に差し掛かる。まだやり遂げていないのはフライフィッシングのみ。もちろん釣りがメインの旅ではないので釣果にはこだわらないのだが、それでもロッドを持ってきたからには一匹でも釣り上げたい。カヌーを中洲に寄せ、辻さんに釣れそうなポイントを教えてもらいキャストする。

何度かのキャストののち、いきなりラインが走る。来た! しかも昨日の獲物とは違い下流に向かってものすごいスピードでガンガン走る。見たこともないぐらいロッドが曲がり、昨日の一件でドラグを調整したにもかかわらずラインが時折大きく持っていかれる。なんとか寄せようとするものの、今度は岩陰に回り込もうとする。回り込まれたら最後、ラインブレイク必至なだけに必死に引き寄せる。何度かの攻防ののち、辻さんにランディングしてもらう。やっと釣り上げたネットの中には、なんと念願のワイルドレインボー! 立派な魚体、そしてなんて美しいのであろう。

カヌー時々釣り、所によってコーヒーブレイク。この時間が間も無く終わると思うと寂しい。

見慣れたカッティングボード代わりのパドル。いつかカヌーイストになってこれをやってみたい。

ヒット! ガツンというアタリとともに下流に向かって勢いよく走る。気持ちいいぐらいロッドが曲がる。

人生初、45cm超の中型のワイルドレインボー。エラから体側へほんのり淡いピンクがとても美しい。

ヒレがデカい、まさにヒレピン。このひれがあのやんちゃなファイトを楽しませてくれるのだろう。

 

リバートリップに魅了された2日間

結局この日は3ヒット1キャッチ。自らのキャスティングと大本流でのランディング能力に課題は残るものの、ゴール地点へ向かうカヌーの上では終始頬が緩みっぱなし。釣れた後は気も大きくなるもので、春にはドライフライで釣ってみたいとか、イトウ用のタックルはどうだとか……まったくもって現金なヤツである。それでも辻さんの力を借りでカヌー×キャンプ×フライフィッシングという目的を完遂できた。大本流の中、カヌーの醍醐味を知り、満点の星空の下でテントを張り、自然の川で育ったニジマスを釣る。これぞまさにOVER30ならではの極上リバートリップである。

今回は1日目が22km、2日目が10キロのカヌーイング。辻さんによれば、釣りをしながらのカヌーイングとしては比較的長めの距離だそうだ。もちろんこれはゲスト同士バディを組む場合や天候、リクエストする内容によって増減する。相談すればきっと最良のプランを提案してくれるに違いない。別れ際「また水の上で会いましょう」そう言って固く握手を交わした辻さん。カヌーイストならではのなんて粋な言葉だろう。さて、来年はいつ来ようかな。

最後の休憩地点に上陸する。調子に乗って最後のキャスティングをしてみるが、ここでの成果はゼロ。

このリバートリップの最後のご馳走は、魚介たっぷりのペペロンチーノ。釣り上げた直後だけに話も弾む。

ゴールはもう間も無く。名残惜しいが天気にも恵まれ、秋の道北を満喫した大満足の二日間であった。

カヌーを陸にあげ撤収作業をする間、辻Jr.もお手伝い!? きっと立派なカヌーイストに育つのだろう。

さてリバートリップは終わったが、あと夏休みは2日ある。北へ向かうか南へ向かうか悩む所。

 

旅のナビゲーターはこの方!

今回お世話になったのはリバートリップキャメルの主宰、辻亮多さん。道内はもとより日本各地で自然と向き合うリバートリップを提唱してくれるガイドだ。冬は美深や名寄などでスノーピクニックや雪板ツアーも開催している。

river trip CAMEL
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STAFF CREDIT
Photography:Takaaki Tsukahara & Ryota Tsuji
Writing:Takaaki Tsukahara

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