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H2O Style

トレンドに左右されない逸品たち
~ボクの相棒、それは永遠の定番アイテム~ 第13回

2020.12.14

酸いも甘いも経験してきたOVER30(オーバーサーティ)の男性であれば、それなりの審美眼も備わっているハズ。そんな世代の人たちにこそ読んで欲しいのがこのコーナー。『H2O Style』のスタッフ自らが実際に購入し、愛用しつづける逸品たちにフォーカスをあてその魅力をクローズアップ! 第13回はUGGのCA805 MLTを紹介する。

UGGが生み出した厚底スニーカーのメガヒットモデル

数年前から“厚底”がスニーカー界のトレンドだ。ランニングでもいまだナイキのヴェイパーフライ系統のモデルが隆盛を極めているし、タウンユースでもホカオネオネ(同ブランドも厳密にいうとランニング系スニーカーではあるが……)に代表されるブランドが厚底モデルで人気を博している。

そういったトレンドのなかで脚光を浴びたのがUGG(アグ)のCA805だった。筆者がはじめてこのモデルを確認したのは、UGGの展示会だった。UGGといえばアメリカ西海岸初のシープスキンブーツで有名なブランドだ。最初は「ブーツもいいけどスニーカーも出したんだ」という感じで、上から目線で申し訳ないが“意外にカッコいい”というのが正直な感想だった。

そこから少し時を経て、2回目に見たのが撮影現場でスタイリストさんが履いているCA805だった。最初、CA805とは気づかず、「その(履いている)スニーカー、カッコイイですね! どこのブランドですか?」と聞いたら「UGGですよ」と教えてもらったので“あっ!あのとき見たやつだ!”と思い出した。やはり他の人(とくにスタイリッシュな人)が履いていると余計カッコよく見えるもので、率直に“コレ、欲しい!”と思ったものだ。そこからCA805に何度も撮影で出会ううちに“欲しい”と思う欲求も収まってきたのだが、この冬に履きたいスニーカーとして改めて、白羽の矢を立てたのがCA805であった。

ミッドソール+アウトソールの高さは約4.5cm。このボリューム感が冬コーデにおいても存在感を発揮してくれる。ナチュラルなカラーリングも着こなしを選ばずに合わせられる。この厚底具合なので、多少は身長が高く見えるかも!?(筆者私物)

厚底からくる“ダットシューズ系”のボリューム感が魅力

CA805はシューレースタイプがベースだが、筆者が手に入れたのはシューレースではなく、ジップタイプのデザインだ。基本的にこのモデルは、ミリタリーデザインをベースにしているので、スポーティなイメージというよりも、ジップ仕様になったことでむしろ武骨な雰囲気さえ漂っている。

今作のことを少し掘り下げてみよう。アッパーにはスウェードとボンバー加工されたバリスティックナイロンを使用しているのが特長だ。このバリスティックナイロン生地は3層で、表は柔らかい丈夫なナイロン、中は薄手の中綿、裏はリップストップナイロンでパラシュートと同じ手触りになっている。こういった素材使いもミリタリーモチーフといわれる所以だろう。カラーもホワイトとヌメ革のような飴色のベージュで、冬スタイルも足元に落ち着きを与えてくれる。またソールを含めたボリューム感は旬であるオーバーシルエットな着こなしでも、全体のバランスを損なわずにスタイリングに取り込めるのだ。

またシューレースがジップタイプなので着脱も楽だし、アウトソールには超軽量で耐久性の高いアウトソールコンパウンド「Treadlite by UGG™」を採用。クッショニングも良く、履き心地もかなり快適だ。
CA805にはライナーがボアになったタイプの他に、同ソールを搭載した「CA805 クラシックウェザー」というブーツタイプのモデルもリリースされている。さまざまな派生モデルが生まれるのは、やはり同モデルが人気ゆえのことだろう。

おそらくこの冬、筆者はCA805 MLTジップを履き倒すことだろう。昔から定番といわれるブランドやデザインではなく、新たに生まれた“新定番”に食指が動いたことが、自分の中ではかなり新鮮だった。今後も新たな発見があるようにいろいろなものにアンテナを張って“イイモノ”を見つけていきたい。

スウェードとバリスティックナイロンのコンビアッパーに、中央にジップが配置されたデザインは他のスニーカーとも一線を画す。ちなみに“805”という品番は、UGGの本社があるサンタバーバラの市外局番に由来しているとか。

 

STAFF CREDIT
Writing:Yasuyuki Ushijima

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