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娯楽からオリンピックの正式種目に!? ビデオゲームの過去と未来

2018.08.06

ビデオゲームといえばオタクというイメージが強かったのも今や昔の話。『ドラクエ』や『バーチャファイター』といった社会現象を巻き起こすゲームの登場を皮切りに、いまやホビー&娯楽として確固たる地位を築き上げたビデオゲーム。その勢いは留まることを知らず、遂にはオリンピック(パリ五輪)の正式種目になるとの噂も!? 単なる娯楽からカルチャー、そして「eスポーツ」へ……激動するビデオゲームのいまを、筆者の古くからの友人でもあり、OVER30(オーバーサーティ)のゲームシーンを代表するカリスマに語ってもらった。

ビデオゲームのステータスが世界的に向上している証

1978年にタイトーの手によって生まれた『スペースインベーダーゲーム』。あれから約40年、いまやビデオゲームは単なる娯楽から世界中で愛されるカルチャーとなり大人から子供まで多くのゲームファンの心を魅了し続けている。そんなビデオゲームがいま「eスポーツ」として新たな時代を築き上げようとしているのをご存じだろうか? まだ正式に決定したわけではないもののパリ五輪では「eスポーツ」として正式種目になるかもしれない? と巷では大きな噂となっている。そんな激動するビデオゲームの今を格闘ゲームの金字塔『バーチャファイター』のカリスマプレイヤーとして当時、脚光を浴びたブンブン丸氏に伺った。

 

世界的な競技人口は数億人ともいわれ、近年注目を集めている「eスポーツ」。アジア競技大会ではすでにデモとして行われることが確定しているようですが、今後オリンピックの正式種目になるかもしれないという話もでています、率直な感想を聞かせてください。

ブンブン丸氏「まだ正式に決定したわけではないのでコメントしにくいですが、ビデオゲームに限らず、さまざまなゲームがライフスタイルに自然と溶け込んだ世の中になってほしいと思っていたので、そういう意味ではとてもいい流れだと思います。単なる娯楽だったビデオゲームが、世の中に認められてきているという証ですから。とくに日本では長い間、ゲーム=悪、ゲーマー=オタクといったイメージを持たれていたこともありますし、そういった意味でもこの流れを喜んでいる人は多いのではないでしょうか」

昔はゲームセンターに遊びに行くと、あの子は不良だ……などと言われていた時代もありましたからね……(筆者の地元だけかもしれませんが)。もちろん全てのゲームセンターがそうだったとは言いませんが、ゲームセンターが不良のたまり場になっていたケースは実際にありましたからね。

ブンブン丸氏「ゲームメーカーやゲーマーの中には、そういったネガティブなイメージを払拭したいと思いながら今日まで活動してきた人もたくさんいたと思うんです。自分もその一人ですし。そういう意味でも、こういったビデオゲームのステータスが向上するようなポジティブな話がでてくるってことは、ゲームが大好きな自分にとっては素直に嬉しいですよ」

たしかに昭和の時代では考えられないことですよね(笑) オリンピックの種目になるかも? と騒がれる状況だけでもすごいですよね。でも、ビデオゲームで対戦し勝敗を決める「eスポーツ」ってスポーツなのかな?

いきなりブッコンできましたね(苦笑) あくまでも個人的な意見ですが、勝敗を決する、きちんとそこに対して努力する糧があるということから言えばスポーツだと思いますね。結局スポーツの定義って、体を動かすだけなのか、そもそも勝利を目指すためのものなのか、その定義って人によって曖昧じゃないですか。1対1、チーム戦など関係なく、そこに目的があって、勝つための戦略があって、ルールがあって、って考えると、「eスポーツ」もスポーツだと思うんです。ただそこで汗をかいたりはしないので、そこの差だけですよね。

ゲームセンターはビデオゲームの原点。自宅でゲームを楽しむのもいいけど、ときにはゲームセンターにも足を運んでほしいとも語っていた。

なるほど。いまでは世界中で「eスポーツ」の大会が開催されているし、そこで活躍するプロゲーマーたちの中には年収が1億も超えるプロゲーマーもいます。そこで活躍する彼らは毎日、何時間もゲームをプレイ(練習)していますし、確かに勝負に挑むまでの過程含め、やっていることは他のスポーツ選手と同じと言えますね。海外では、スポーツ=“一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりすること”ですし。野暮な質問をしてしまいましたね、すみません(苦笑)

ブンブン丸氏「十人十色、人それぞれ考え方は違いますからね。モータースポーツはスポーツじゃないっていう人もいますよね、それと同じことだと思います」

話をガラリと変えますが、「eスポーツ」が仮にオリンピックの種目になった場合、スマートにいきますかね? あくまでも、個人的な意見ですが、「eスポーツ」が種目になったのはいいけど、どのゲームで勝敗を競うの? ゲームタイトルはどうやって選ぶの? など素人なりにいろいろ問題点があると思うのですが。

ブンブン丸氏「野球とかサッカーって誰のモノでもないじゃないですか、でも「eスポーツ」ってタイトルフォルダーの会社のものなので、人気があるゲームが種目になるのが理想ですけど、人気があっても、メーカーそのものが「eスポーツ」の種目としてやりたくないっていう可能性もあるし、もちろん、その逆もあるわけですよ。人気がないゲームだけど、資本があって「eスポーツ」の競技にしたいと思うメーカーもいるわけで」

難しいですねよね、人気のないゲームが「eスポーツ」のタイトルに選ばれても、根本的に多くのユーザーが遊んでいるゲームじゃないと、仮に対戦が始まっても誰も見ないですよね。ゲームのジャンル的には、格ゲー、RTS、FPS(TPS含む)の3つがベースになるかんじですかね?

ブンブン丸氏「そうだと思います。あとは、サッカーなどのスポーツゲームをどう扱ってくるかですかね。既に『ウィイレ』などのサッカーゲームが採用されている「eスポーツ」の大会もあるようなので、可能性としてはありそうなのですが」

プレイヤーはもちろんですが、主催者側も、どのゲームタイトルを競技にするのか? 先見の明も要求されますね。「eスポーツ」に限らずオリンピックの種目ともなれば少なからず利権問題も生まれてくるでしょうし、この辺をどうクリーンにできるのか!? 注目していきたいですね。

ブンブン丸氏「そうですね」

ところでオリンピックは目指さないの?(笑) もちろん正式種目に決まったらの話だけど。

ブンブン丸氏「目指さないですよ。つーか目指せない。無理です(苦笑) 練習に相当な時間を費やさないと、世界どころか国内ですら勝てないですよ。みんな一生懸命、熱を持って練習していますからね」

なるほど(笑)

昭和から平成へと移り変わり、約30年。ゲームを取り巻く環境は大きく変化した。ハードの高性能化、そしてインターネットの普及、とくに光回線(高速通信)のおかげでネットワークを利用したゲームが主流となり、これまでゲームセンターを中心に近隣の人たちとだけ楽しんでいたビデオゲーム(コミュニティ)が、自宅にいながらにして世界中の人たちと楽しめる、いや楽しむことが当たり前の時代となった。
さらに、いまではそれらのゲームプレイを動画配信することで飯を食える可能性もあるなど、ゲームセンターにわざわざ足を運んでプレイしていた筆者にとって、この環境の変化は劇的であり、羨ましくも思う。
そして近い将来、ビデオゲームがオリンピックの正式種目になるかもしれない。こういったポジティブな話題があがってくることもゲームファンの一人として素直に喜ばしいことだ。
もし「eスポーツ」がオリンピックの正式種目に選ばれて、そこで日本代表選手が優勝したら?? さらにいい意味で激変するはずだ。そうなってくれることを期待しつつ本稿を〆たいと思う。

篠原元貴さん(ブンブン丸)
一世風靡した格闘ゲームの金字塔『バーチャファイター』。そのカリスマプレイヤーとして脚光を浴びたブンブン丸氏。現在は、ゲームライターとして活動する傍らゲームイベントやゲーム番組のMCを務めるなどマルチな才能を発揮! 幅広い分野で活躍中。

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