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自家製ベーコンをつくろう!【燻製2018春】

2018.04.15

自家製ベーコンの旨さもさることながら、燻製している時間がこれまた楽しい。ビールを片手に煙を眺めている時間は焚き火にも似た至福のひとときだ。この楽しさを知っていただくべく、2018年春の燻製をレポートする。※燻製は火気を扱うため、安全には十分注意してください。また実際に試される方は自己責任でお願いいたします。

まずは定番のベーコンづくり! ベーコンは燻す時間よりも下準備に時間がかかる!!

ここまで燻製器まわりの説明をしてきておいて恐縮だが、ベーコンの自作には下準備が必要だ。期間はたっぷり8日間……。この時点で「まどろっこしい」「時間がないのでムリ」という読者諸兄もいるとは思うが、丁寧な下準備が既成品にはない旨さを生む。後日、下準備のいらないローストも紹介するので、その前に燻製の基本であるベーコンづくりを知っておいてほしい。


豚バラと肩ロースのブロックを購入。豚バラでベーコン、肩ロースでショルダーベーコンを自作する。豚バラは516g、肩ロースは742gのものを購入した。

脂肪部分に爪楊枝でプスプスと穴を空け、塩をすり込む。穴を空けることで塩が浸透しやすくなる。

塩の分量は肉の重量の2%程度。豚バラは516gだったので10gの塩をすり込んだ。経験上、目分量ではなくしっかり計量した方が無難。

肩ロースにも塩をすり込み、ラップをしてフリーザーパックに。この状態で冷蔵庫に一週間寝かせる。

冷蔵庫内ではときどきひっくり返すといいらしいが、正直、それほど気にしたことはない。今回は一週間の間に2回ぐらいひっくり返しただろうか。

待つこと一週間! 下準備はうまくいったのか!? ドキドキだ!!

そして一週間後、塩漬けにされた肉たちがこちら。ラップを外して腐臭がしなければ成功している。まったく料理をしない男性にとっては「腐臭ってどんなニオイ?」という疑問もあるだろうが、腐臭は本能的に受け付けない、本当にイヤ~なニオイなので一発でわかる。「腐っているかどうか」と迷うことは、まずないだろう。ちなみに若干のヨーグルト臭ぐらいなら、筆者は問題なしとしている(あくまで筆者の意見。自己責任でお願いします)。

すりこんだ塩を抜くって……相反する行為な気もするが……


流水で肉の表面を洗い流した後、3時間ほど水に漬けて塩抜き。わざわざすり込んだ塩を抜いてどうするのか、とも思ってしまうが、こうすることで塩が肉全体に均等に浸透するらしい。1週間前に肉の重量の2%に相当する塩をすり込んだが、そのときに塩を多めにして、この段階で調整してもOK。塩加減の確認は少しだけカットして焼き、食べてみて「しょっぱければ塩抜き時間を延長」といった具合に行う。

塩抜きが終わったら乾燥工程へ。ペーパータオルでしっかりと水気を拭き取り、ミイラ状態にする。

ペーパータオルを直に巻きつけると肉に貼り付いてしまって苦労した経験があるので、清潔な布巾で包み、その上からペーパータオルを巻きつけた。この状態で冷蔵庫に一晩寝かせて乾燥させる。もちろん裸の状態で風にさらして乾燥させてもOKだが、真冬でもない限り冷蔵庫内で乾燥させるのが無難。

遂に燻製器の出番!

さあ燻製する日がやってきた。下準備はたしかに面倒だが、それを経て燻製日を迎えると不思議な感激があり、ワクワクする。この日は自宅から高速を飛ばして1時間、BBQ可能な河原へと出かけた。
目的地に到着し、黙々と準備に取り掛かる。普段からまめにキャンプを楽しんでいることもありこの手の設置は慣れている筆者。ほどなくして燻製サイトが完成。右手前にダンボールがあるが、これは自作の簡易燻製器である。燻製器を買うほど燻製にハマるかどうかわからない……といった人は参考にしてもらえれば幸いだ。
BBQ可能な河原などを利用する際は、ゴミを持ち帰るなどルールやマナーを守ることを忘れないように!
乾燥工程の最後のひと押しとして、燻製器の準備中に風にさらしておいた。というか『コールマン』の「ハンギングドライネット」を買ったので、使ってみたかったのだ。
ランタンスタンドに吊るすとテンションがググッと上がった。

まずは自作の簡易燻製器を使って燻製を!

用意するものはダンボール箱とBBQ用のアルミ皿。今回は撮影用に無地ダンボールをホームセンターで購入したが、スーパーでもらえるダンボール箱でもちろんOK。気をつけたいのは大きさだけ、肉のサイズと相談してチョイスしたい。アルミ皿は百均で購入。


ダンボール箱を組み立ててアルミ皿を配置、肉を吊るすためのフックを取り付けた。これだけであっさり完成。

アルミ皿は熱源である炭と、スモークウッドを置くためのもの。アルミ皿を2つ犠牲にして土台を作ったが、ダンボール箱をすっぽりとかぶせるスタイルにすれば必要ないかも!? ともかくダンボールに引火しないよう、注意が必要ということだ。

キャンプ用のペグを突き刺し、S字フックを吊るす。必ずしもペグを用意する必要はなく、重さに耐える強度にだけ注意すればOK。S字フックは燻製用のものが数百円で購入できる。

ダンボール上部に石を乗せているのは、風に飛ばされないようにするため。
万一に備えて水を入れたバケツで安全対策!
初めての燻製……肉の脂が落ちたり、熱源の火力が強すぎたりで、スモークウッドやスモークチップを燃やしてしまうミスが結構ありがち。万が一の炎上に備え、水を張ったバケツは必ず用意しておこう。

肉を吊るしたら、さぁ燻製を始めよう!


まずは燻製器の中に肉を吊るす。ここで注意してほしいのが、肉とアルミ皿の位置関係だ。燻製を始めると肉から油がしたたり落ちるので、肉の下に炭などを置いてしまうと炎があがり、その結果ダンボールに引火してしまう危険がある。そうならないように、炭とスモークウッド、そして肉のそれぞれを配置していくのがポイントだ。そのためにも用意するダンボールは多少大き目のサイズがいいだろう。

肉を吊るしたら炭をおこそう。焚き火台に炭を並べ、その上で焚き火をすれば放って置いても炭はいい感じに。

スモークウッドに火を点け(そして消し)、真っ赤な炭を配置。

順調にもくもくと煙が出てきた。温度計を突き刺して内部の温度を確認しながら、炭の数を調整しよう。

ベーコンの場合は70~80℃ぐらいをキープできればOK。

ガス&本格的燻製器の組み合わせのほうが簡単!


燻製器はけっして高額ではないが、本格的な燻製器を購入するとなると二の足を踏む人が多いのも事実。そういった人のために安価で手軽にできるダンボール燻製器を用いた燻製の楽しみ方を先述した。しかしながら、実際にやってみるとわかるが、火力に炭を用いると、とにかく温度管理が大変(慣れてしまえば、それほど苦ではない)。あまりの大変さに二度と燻製をしたくなくなってしまう……というのは避けてもらいたいので、筆者としては初心者こそ本格的な燻製器&ガスコンロを使うことをオススメしたい。そのほうが結果的に簡単だし成功率もあがるので、燻製の楽しさ、そして魅力をより感じてもらえるとはずだ。
ガス&本格的な燻製器を使用するのでいたって簡単。肉を2つにカットして上2段にセット、スモークウッドに火を点けて(そして消して)、あとは熱源であるガスの火力を調整するだけだ。
こちらも70~80℃をキープ。燻製経験者には「スモークウッドを使う場合は熱源はいらないよ」と言われそうだが、これが筆者がたどり着いた失敗しにくい方法である。
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