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充実した毎日を送るカッコイイ大人たち
ライフスタイルを充実させるマイフェイバリットアイテム
File.1/フライフィッシング

2018.04.15

趣味を持たない大人の男はツマラナイ。なくても生きていける趣味だけど、夢中になれる何か(趣味)があれば、人生もより豊かになるはず。同じ趣味の人、あこがれの趣味を楽しむ人を見かけると、その人の内面にも興味がわいてくるから不思議だ。そこでこのコーナーでは趣味に生きるカッコイイ大人たちにフォーカスをあて、彼らが愛用しているギア(道具)をクローズアップ! 愛用するギアを通じて彼らが夢中になる趣味の魅力を紹介していく。

餌(疑似餌)を自分で作る、唯一無二の存在がフライフィッシングの特徴であり魅力!

子どもの送迎(習い事)ついでに1時間だけマルタウグイ釣りをするなど、とにかく時間が空いたら釣り楽しみたいという富森さん。彼の心を魅了してやまないフライフィッシングの魅力とは!?

「数ある釣りの中でフライを選んだ理由は、釣れる魚の種類が圧倒的に多いこと。他の釣りに比べて魚を選ばないのがいちばんの魅力です。もちろん狙う魚に合わせてロッド(竿)やリールなどギアを変える必要があるので、その分、お金はかかりますけどね……(苦笑) ロッドやリールがカッコいいのも魅力ですが、やはり他の釣りにはない唯一無二の存在があることですかね」

唯一無二ですか? 魚釣り=全て同じように見えてしまいますが……!?

「毛ばりを巻く=餌(疑似餌)を作る釣りってフライフィッシングだけでなんですよ。もちろん例外的にルアーなんかを自分で作る方もいるけど、毛ばりを自分で巻く(餌を自分で作る)というベースというか、前提があるのは数ある釣りの中でもフライフィッシングだけですからね。毛ばりを作るときも“これで釣れるだろう!”って思いながら作るわけです。狙う獲物を決めたら、この季節ならこんなものを食べているだろう、あの昆虫にみえるかな? 時期や釣りをする時間帯など、いろいろとイメージしながらフライの作成をするわけです。それだけに自分が作った疑似餌(毛ばり)で、獲物を釣り上げたときの嬉しさは言葉では表現できないですよ」

毛ばり作りですか……きっと難しいですよね!?

「作るのは、いがいと簡単(笑) ただ作るのは簡単でも、実際に釣れるか? となると話はべつで、例えば、同じ素材、鳥の毛を使った毛ばり一つにしても、赤の色、緑の色、無色などいろいろな色があって、同じフライでも使う毛の色が違うだけで釣れるor釣れない、明暗がはっきり分かれますからね。まぁ、それだけに釣れたときの達成感はハンパないですよ。もちろん毛ばりを巻くための道具は別途必要になるから、さらにお金はかかりますけどね(苦笑)」

なるほどいろいろと道具が必要なんですね。ところで道具と言えば、ギア選びのポイントなんかはありますか?

「価格はもちろん気になりますが、見た目=カッコよさ。これがいちばんですね。あとやっぱりロッドなら手で握ったときのフィット感とかも大切かな。いまはオイカワの時期なので、ティムコ社のロッド、HARDY社のリール、そして#3番のラインをヘビーローテションで使っていますが、どれも購入時には壊れても修理して使い続ける=一生モノ(※ラインは消耗品なので除く)として買っていますよ。まぁ、シーズンや釣る魚にあわせてギアが細かく変わるのがフライの特徴なので、数カ月後にはまた違ったロッドをそれまでとは全く異なるフィールドで握っていると思いますけどね(笑) いずれにしても安易に妥協をせず、自分が納得したものを買うことをオススメしますよ。買った後に、やっぱりあっちにしておけばよかった……とか後悔しないようにすることが大切だと思います」

いま狙っているギアがあったら教えてください。

「ブランドまでは決まっていないのですが、6番のロッドとリールですね。海の魚を釣るためのセットが欲しいです。アジやカマスなど釣って食べられる魚を狙っているので。あっ、あと、鞄! クルマで釣りに行くときは困らないのですが、電車で行くときにいい感じの鞄がないか模索中です。“これだ!”っていうのがなかなか見つからないんですよ……。釣りメーカーやアウトドアブランドのリュックやウエストバッグなど、いろいろ使ってはみているのですが、残念ながらまだ一生モノには出会ってないです。誰かオススメの鞄があったら教えてください!(笑)」

フライフィッシングを始めるようになってライフスタイルや価値観など何か変化はありましたか?

「川を見る目が変わりましたね(笑) 近所の川はもちろん、仕事やプライベートで移動中、川を見るたびに、ここで何が釣れるかなぁと気になってしょうがないですよ。もちろん禁漁時期や漁業権などのことがあるので、どこでも釣りができるというわけではないですけど、川の様子をみて、どんな魚が釣れそうか? 想像するのは自由ですからね(笑) あとは、時間を無駄にすることがなくなりましたね。子どもの習い事の送迎などで空いた時間が1時間でもあれば釣りを楽しんだり、雨が降っていれば、次の獲物を狙うための毛ばり作りに時間を使ったり。とにかくボッ―として時間だけがタダ過ぎていく……そんな人生とサヨナラすることができました」

時間の有効利用、趣味に生きる愉しさを、満喫しているって感じですね!  この記事を読んでフライフィッシングに興味を持った人にメッセージをお願いします

「慣れるより、習え! フライフィッシングに関しては間違いなくこれですね。道具を揃えて釣り場に行けばすぐできるといったタイプの釣りではないので、そういった意味でも最初は手ぶらでフィッシング体験や釣りスクールから始めるのがオススメです。間違った物を買う事も少なくなるでしょうし、サングラスなど必需品の存在も教えてもらえますからね。そしてなによりも癖のないニュートラルな投げ方を知っておく、教えてもらえるのが上達への近道だと思います。実際に体験してもらえばわかると思いますが、子どもの頃に、やっていた餌釣りなどとフライフィッシングは別物ですからね。最初は狙ったポイントどころか、毛ばりを前に飛ばすこともできないと思いますよ。しかも、前に飛べば良いってものでもないので……どう飛ぶか、どう着水するかで釣れるか釣れないかが大きく違ってきます。ちょっと難しい話になってきちゃいましたね(笑) とにかく奥が深いんですよ、フライフィッシングは。昆虫が水面に落ちるような感じでソフトにフライを着水させる……そんなイメージのキャスティングが要求されるんです。そういった意味でも、ボクもそうですけど、フライフィッシングの専門家の体験スクールなどに入って、投げ方の基本などを学んだほうがスマートにフライフィッシングを楽しめるはずです」

“なにか新しい趣味を見つけたいな……”と思いつつ、なかなか始められない、そこのOVER30(オーバーサーティ)の皆さん! この機会にフライフィッシングに挑戦してみてはいかがだろう? きっと充実した毎日を送るカッコイイ大人になれるかもしれませんよ!?

写真のセットはオイカワ用。同じ趣味でも鞄やギアのチョイスは十人十色! 愛用するギアから富森氏なりのこだわりが見えてくる。
1.ヒップバッグ
2.サングラス
3.HARDY社のリール
4.ティムコ社の6本継ぎのロッド
5.リーダー
6.フライボックス
7.フライを浮かせたり沈めたりするフロータント、シンキング剤
8.フライラインの先が沈むようならこのクリーナーを塗る。
9.ガン玉、オモリ
10.マーカー
11.釣券
12.ティペット各種
13.ラインクリッパー
14.フライの水分をとる道具とペースト状の浮き薬
15.フォーセップ
16.水に溶けるタイプのポケットティッシュ。

富森浩幸さん
フォトグラファー。フライフィッシングに出会い“趣味に生きる愉しみ”を見つけることができた富森さん。「竿、リール、ライン(糸)は、洋服でいうところの、アウター、ボトムス、シューズのコーディネイトと同じなので、竿とリールの相性はもちろんですが、リールにまくライン(糸)の色までこだわってほしいですね」

STAFF CREDIT
Photography:Tommy
Writing:H2O Style

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